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Camp In
慌ただしく始まった1月も今日で終わり。
ここ7年は会社員として安定した生活をしていたが、今年は違う。
自分が代表として会社を運営している。
免許申請に苦戦したり、コンペに負けたり、アポが思うように取れなかったりと自分の力の無さを痛感している。目の前の事にいつも以上に力んで取り組んだせいか、久しぶりに風邪もひいた。
そんな今だからこそ、自分が今何を考えているのかを整理したい。
宮古島キャンプ
毎年この時期は10日間ほど東京を離れることをルーティン化している。向かう先は石垣島と宮古島。マラソン練習の最後の追い込みと気分転換を兼ねての合宿は早いもので3回目を迎えた。この記事は宮古島へ向かう飛行機の中で書き始めている。
一人で、ほとんど知り合いもいない土地で、毎日走ったり本を読んだり読書をしたり海を眺めたり。自分ひとりの贅沢な時間。
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独りになるということ
宮古島に知り合いは1人しかいない。
その人とは会って飲む予定だが、それ以外は朝から晩までずーっと1人。常時接続の時代であるからいつでも誰とでも連絡は取れる。でもそんな事はしない。
朝起きて、顔を洗って歯を磨く。着替えてjogへ。半袖短パンで走れるのが気持ちいい。
それからシャワーを浴びて、朝食を摂る。
読書をしてから仕事。お昼は近所でサクッと。
siestaの後、また仕事。夕方は競技場でワークアウトかjog。終わったら砂浜でビールを飲みながらサンセットを鑑賞。
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夜はご飯だけの日もあるし、たまに朝までとことん飲む事も。
自分のペースで時が進む贅沢な時間。
私には独りになる時間が必要なのである。
なぜ独りになりたいのか?
時間があるからと言って、何か大きな意思決定をする事はない。むしろ余計な事は考えないようにしている。ただただぼーっとする。
一回頭の中を空っぽにする。そんな感覚に近いかも。格好良くいえば、街のリズムに自分を没入させることで、バイオリズムをチューニングする感覚。
スポ鬱で話題になっていた、「オフをどうするのか問題」。
先述したように、毎日仕事もしているし、RUNに至っては東京にいる時よりもボリュームは多い。
でも心は東京にいる時よりもずっと落ち着いているし、疲労感も少なく感じる。(肉体的にはずっとバキバキですが…)
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いつもの街から飛び出すことで、色んなものから距離を取り、自分を取り戻す。私には今の都市のスピードが速すぎるのかもしれない。
都市に住んでいると、いつも全速力で走ることを要請されている気がする。
歩くスピードが遅いやつは仕事ができない奴だと言われ、周りに置いていかれないように歩く。昼食も飲み込むようにすごいスピードでかきこむ。
乗り換えの階段に一番近い車両に乗り、乗換案内よりも一本速い電車に乗れた時は快感を覚える。大都会東京にいるだけで毎日常に何かに追われている感覚というか、追われているわけでないのに、追われている自分でいる事を要請されているような感覚に襲われる。それだけで疲れてしまう。
ここで、以前読んだ宇野さんの『遅いインターネット』の一説を引用する。
走る時にもっとも僕たちは世界に対しての距離感と侵入角度を自由に設定できるのだと思う。(中略)それと同じことが「書く」ことにも「発信する」ことにも言えると思う。
距離感と侵入角度。
特に侵入角度を調整するために私は宮古島に来ていると言えるのかもしれない。
遅いインターネット
私には遅いインターネットが必要である。
宇野さんの言う『インターネット』は文字通りのインターネットである。私にとっての『インターネット』は回線の速さよりも、都市自体と言ったほうが近い。東京のペースは私には速すぎて、そのペースについていくのに精一杯になる。
よく人生をマラソンに例えるのは良くないと言われるが、私はマラソンみたいな人生の方が好きだし、毎日をマラソンのように生きていきたい。先頭集団でタイムを狙うよりも、真ん中くらいからゆっくりスタートして自分と対話しながらペースを調整する。そして最後は笑ってゴール。
20代の頃は、尾崎豊のように燃えるように一生を終えたいとよく周りに話していた。今は燃え尽きるような人生に憧れはないように思う。
侵入角度をととのえる
つまり、私は大都会東京のスピードについていけないので、物理的な距離を取り侵入角度をととのえることで自分を取り戻している。
自分を取り戻す上で、じっとしていられない私にとって家に引き篭もるのは性に合わない。そこで出会ったのが宮古島であった。あれやこれやと目的は後付けしているが、最大の目的は丁度いいアクティブレストなのである。
宮古島でクラフトビールを飲みながら書いていたら一気に約2,000字も書けた。東京でこのnoteを書くことは出来なかっただろう。明日もハードにトレーニングだけど、今日は自分の思うままに飲み歩いてみようかなー。
おわり。