DXを成功に導く、いまの時代のリーダーに求められるものは?
まず断言しましょう。現場の頑張りだけでは組織のDXを成功に導くことは困難です。デジタル戦略を策定したり、適切な組織を構築したりして取り組みをリードする存在が必要不可欠です。
「ITIL® 4」では、このような役割を果たすCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)、ビジネスを所管する役職者向けの認定資格を用意しています。それが「ITIL® ストラテジックリーダー(SL)」です。
以下の記事で紹介した「CDS」「DSV」「HVIT」は、ITSMをモダナイズするために現場で求められる知識を得るためのものでした。
今回紹介する「ITIL® ストラテジックリーダー(SL)」は、これらとは少々趣が異なります。
組織構築や計画立案の方法を身に着ける「DPI」
「ITIL® ストラテジックリーダー(SL)」を取得するには、まず「ITIL® 4」の基礎的な知識を理解していることを認定する「ITIL® 4 ファンデーション」を取得します。次に、さらに2つの認定研修を受講し、最後の認定試験に合格する必要があります。
その2つが「DPI(Direct、Plan and Improve:方向付け、計画および改善)」と「DITS(Digital and IT Strategy:デジタルとIT戦略)」です。
「DPI」で学ぶのは、ITSMを効率的に運営管理するための組織を構築するノウハウ。具体的には、健全な組織運営を実現するためのガバナンスの確立や、現状アセスメントからの計画立案方法、継続的な改善、組織変革の管理などについての理解を深めていきます。
「DITS」で、いまの時代のリーダーに求められるスキルを!
「DITS」では、ビジネスモデルキャンバス(ビジネスの構造を視覚的に捉えるためのフレームワーク)やオペレーティングモデルキャンバス(戦略を視覚的に捉えるためのフレームワーク)など、戦略立案・運用上有用な多様な技法のほか、DX推進に求められるイノベーション管理などを学びます。
日本は、グローバルに比べるとデジタル化やDX推進が大幅に遅れていることは、このnoteでも繰り返し指摘してきました。
その要因の1つは、多くの組織で適切なデジタル戦略が欠如していることが挙げられます。
ビジネス戦略とIT・デジタル戦略の関係性が不明確だったり、そもそもどのように戦略を策定すべきかがわからなかったりして、DXへのアプローチが不明確なまま、闇雲に取り組みを進めていることが多いのです。
「DPI」と「DITS」を学び、「ITIL® ストラテジックリーダー(SL)」を取得することで、既存組織をデジタル組織に変革させ、適切なデジタル戦略を立案・運用するために必要なノウハウを身に着けることが可能です。このようなノウハウを身に着けたリーダーなら、多くの組織のDX推進を阻む、戦略と組織の問題を解消することが期待できるでしょう。
ITILストラテジックリーダーには実践的な学びが必要
本記事の最後に、これから「DPI」と「DITS」を学ぼうとする方にぜひ知っておいて欲しいことを紹介したいと思います。それは、戦略論や組織論を実務に活かすには、できるだけ具体的なイメージを持ちながら学ぶのが大切、ということ。
ITSMの最新の手引き(ガイダンス)である「ITIL® 4」の内容を理解することはもちろん重要です。しかし、そこに記載されているフレームワークやプラクティスをただ覚えるだけでは、すぐに実務に役立てることはなかなか難しい。
そのため「ePlugOne」の「ITIL®認定講座」では、「ITIL® 4」の内容を学ぶだけでなく、実践的な学びも得られる内容になっています。DXを推進するリーダーとしての役割を確実に果たしたいと考える方に、自信をもって受講をおすすめできる内容です。