コンサルティングの「上手な」活用を考えよう
これまでの記事でも触れてきましたが、私たちDIG2ネクストは、日本企業のデジタル化の遅れを改善すべく事業を展開しています。
デジタル化が遅れている要因の1つに、個別のデジタル技術やデータ活用にばかりに注力し過ぎて、デジタル技術を活用したサービス事業の包括的なデザインの観点が抜けていることが考えられます。
当初DIG2ネクストは、「ePlugOne」を軸とした教育サービス事業を展開してきました。しかし今では、ITSMのモダナイズやデジタルトランスフォーメーションを実現するためのコンサルティング事業も手掛けています。
なぜ、当社はコンサルティング事業を展開するようになったのか。
それは「ePlugOne」で「ITIL®」の研修を受けていた、ある受講者の一言がきっかけでした。当社代表の鈴木寿夫は当時、次のようにお話を受けたといいます。
「いま、あるコンサルタントの支援を受けてITSMのモダナイズに取り組んでいますが、正直、彼が語るロジックに常々疑問を持っていました。今回鈴木さんの講義を受けて、そのコンサルタントの知識や経験が足りていないことがよくわかりました。……できれば、鈴木さんに当社のコンサルティングを行ってほしいのですが、いかがでしょうか?」
同じようなお話をいただく機会が、徐々に増えていきました。こうして当社は、コンサルティングを事業として展開するようになったのです。
「コンサルティング事業の展開を進めることに、ためらいはなかった」と鈴木は話します。その理由は2つ。
1つは元々、企業のデジタル化を実現させるには、教育事業とコンサルティング事業の2軸で展開する必要性があると感じていたこと。
もう1つは「ePlugOne」の研修内容が、そもそもコンサルテーションと近かったことが挙げられます。
「ePlugOne」では、教科書の内容を単に説明するのではなく、受講者が「どのようなことに困っていて、それをいかに解消すべきか」に着目した教育を行ってきました。つまり、コンサルティングを行うノウハウはもとより有していたのです。
▼当社の事業内容紹介ページ。「エデュケーションサービス」と「コンサルティングサービス」を2軸として、事業を展開しています
代表鈴木が考える、コンサルティングの本質
「コンサルタントの本質的な役割は、相談役ではないでしょうか。だからこそ、まずはお客様の話をきちんと聞くことが重要です。既存のツールやフレームワークの売り込みに近いコンサルティングを受けたという話も耳にします。しかし私どもでは、お客様の状況や困りごとを聞くことが非常に重要だと考えています。そしてゴールは、お客様が自走できること。こうした視点でコンサルティング支援をすることが大切です」
「コンサルタントの立ち位置は、社外の人間であるということで客観的に社内のしがらみに関係なく、本質的な助言をすることができる反面、お客様の状況に寄り添う必要があります。また、コンサルタントが前面に出て全てを決定して全てをやってあげたら、お客様はずっとコンサルタントを頼らなければ何も出来ない状況になってしまいます。だからこそ、コンサルタントはお客様が自走して出来るようになることを目指します」
「コンサルティングの成功は、成果を出すことはもちろんですが、“もうコンサルティング受けなくても自分たちで出来るようになりました。ありがとうございます“と言われ、コンサルタントを必要としなくなることです」
「コンサルタントとしては、頼りにされなくなることは寂しいことではありますが、コンサルタントから卒業して羽ばたいていくことは嬉しいことでもあります」
鈴木は、コンサルティングの本質についてこのように語ります。教育事業でも、受講者が学んだことを自分の組織で実践することが第一義。つまり、教育事業もコンサルティング事業もその目的は同じなのです。
コンサルティングに決まった形はありません。企業風土も、組織の規模も、抱えている課題も、企業によってバラバラだからです。だからこそ「1つひとつ丁寧にコンサルテーションを行い、お手伝いしていくしか道はない」(鈴木談)のです。
決まった形がないからこそ、AIなどのテクノロジーを用いることはまだまだ困難な領域だといえます。また、実績や経験の少ないコンサルタントでは同じことを行うのは難しいでしょう。だからこそ当社は「他に替えが利かない」コンサルティングを提供しうると考えています。
コンサルタントを上手く使いこなす秘訣は、お互いに信頼しあい、お互いに学びあい、お互いに同じ目標に向かって、たくさん議論して、お互いに納得できる結果を出せるようにすることです。そして、自分たちが成果を上げるために、上手くコンサルタントの力を引き出して使うことです。コンサルタントを使う能力を身に付けることも大事です。
▼当社のコンサルティングサービス詳細はこちらでも紹介しています