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中学受験の意義!

中学入試は、極端なことを言えばやる必要のない入試です。
ですが、最もやる意義のある入試という、一見矛盾したような理屈がなりたちます。

「やる必要がない」というのは、日本の制度上、中学は義務教育なので受験しなくても中学生にはなれるという意味です。
「やる意義のある入試」というのは、6年間通う学校を選ぶことができる、そして入試に向けて学ぶ学習内容が唯一無二であるという意味です。

また、12歳のまだまだ未成熟な子どもたちが挑むという点で、とてもセンシティブな制度であるということも忘れてはいけません。

志望校を決め、実際に受験していく過程を、将来に向けてプラスになるようにサポートする大人がうまく舵取りをしなければなりません。

志望校や履修科目などを決めるときに、本人の希望を優先するということを耳にすることがあります。
しかし、これは一歩間違うと危険なことになります。

突き詰めると、「本人が選んだのだからうまくいかなくてもあなたの責任」という話になります。
考えればすぐに答えは出ると思いますが、12歳の子どもにそれを負わすことはできません。
もし本人の責任なのであれば、我々大人の責任はどうなるのか?

また、12歳の子どもが将来についてベストの答えを出すことができるとは限りません。
というか、ほとんどの場合、その場の雰囲気での選択になると思います。

親:「理社やる?」
子ども:「ん〜、今はやんない。6年になったらやる。」

言いそうでしょ!?
6年生から理社をスタートして大丈夫であることは、超レアなケースです。

ということで、実は本人の希望を尊重しすぎるのは、いずれにしてもあまり良くないはずです。
でも、本人がいやがってたら、いくら親や先生がやれと言ってもできるものではありません。

だから、大人の舵取りがとても難しいのです。

例えば、志望校を決める場合、基本的には大人が決めて、本人(子ども)をその気にさせる、つまり自分で選択した気にさせていきます。
そして、「その選択が正しかった」となるように、道筋を決めていく。
第1志望校は合格になるか不合格になるか、五分五分の勝負になることが少なくありません。
だから、そこに向かうプロセスで必ず成功体験を重ねていけるように受験校を考えていくことになります。
もちろん大人の意向が介在していることは子どもにだって分かると思いますが、自分でやると決めたことが、自分のがんばりで成功裡に終わったということを確認できるように、ある程度大人の演出は必要なのです。

そういうサポートをしている大人の姿を見ることで、12歳なりに色々なことを学ぶことになります。
本人と保護者のコラボによって成立するのが中学受験なのだと思います。

また、負荷をどこまでかけるのかということも、舵取りが難しい課題です。
次回は、このテーマについて考えてみたいと思います。