2025年度、海外からの大学入試が動く!
大学入試において帰国生入試を停止する流れが出てきています。
2025年度入試より慶應義塾大学で商学部、文学部、薬学部が帰国生入試での募集を停止し、一般入試での受験を促しています。また、早稲田大学でも複数学部共通募集を停止、純粋な帰国生入試として残るのは、日本語プログラムでは教育学部のみとなります。
早慶大学がこのような動きをすることの影響は大きく、以降他大学への波及も十分想定できます。
では、海外生の優位性はなくなってしまったのか?
実はそういうことではありません。
早稲田大学においては、海外生の募集は9月入学の英語プログラムへ今後集約していき、海外生、国内生、外国人留学生と分け隔てなく世界から優秀な学生を募集していきたいという意図が見えます。
政治経済学部、社会学部、国際教養学部、文化構想学部、基幹理工学部、創造理工学部において9月入学AO入試や海外生入試を実施します。
つまり、海外生については英語環境で外国人学生とともに学ぶ資質を求めるより強く打ち出していくということになります。
慶應義塾大学においては、確かに商学部、薬学部では一般入試しか選択肢がなくなってしまいますが、その他学部では帰国生入試あるいはAO入試は残ります。しかし、今後は経済学部などでも帰国生入試がなくなることも考えられます。経済学部においてはPEARLという英語プログラムが機能していることもあり、早稲田大学と同じように海外生はこちらに集約していく流れを作っていくことも十分考えられます。
また、SFC(総合政策学部、環境情報学部)においては、2025年度より帰国生入試で小論文が復活します。
この流れを鑑みると、慶應大学では海外生の学力の底上げを狙っているように感じます。
海外生のバックグラウンドは魅力的なものではありますが、慶応のこれまでの帰国入試制度は英語ができる受験生が圧倒的に有利という傾向があったように思います。ですので英語圏の現地校生やインター歴の長い学生が合格しやすい印象がありました。早稲田と違い、学力フィルターがかかりにくかったはずです。そこを修正していこうというのが2025年度以降の動きだと考えられます。
ただ、早稲田に比べて動きがモデレートです。2025年度については、それほど大きな衝撃はないように思いますが、帰国生入試を継続して実施する学部へ受験生が流れることは想定しておくべきでしょう。
早慶という2校が、2025年度から帰国生入試に変更を加えてきた意味は大きいはずです。
今後、海外から大学入試を目指す受験生のみなさんは、情報をしっかりと集め、英語力、小論文力、教養力をより一層強化していくことを強くお勧めします。