海外生であるアドバンテージ
長年海外に住んでいると、いつの間にか海外に住んでいることが特別なことでないように思えてきます。
「今の時代、海外に住むことなんて特別でも何でもない」というのも確かではありますが、通常多くの日本人にとって「海外で暮らしている」ということは、やはり特別なことだと思います。
思い出してみると、合法的に滞在するためにビザを取得するわけですが、ビザが発行された瞬間は特別な気持ちになるものです。
自分はこれまでに、4カ国でビザを取得していますが、ビザが正式に降りるまではいつもソワソワしています。やはり、海外で暮らすことは特別な体験であり、誰でもできるわけではない貴重な経験をしているのだと思います。
人によって期間の長短はあるでしょうが、「日本国籍を持つものが外国で暮らす」という体験を今まさにしていることになります。どういう状況の中でここにやって来たかに関わらず、海外で暮らすチャンスが巡ってきたことは事実です。そして、チャンスは活かすべきものです。
言語も違う、人種構成も違う、食べ物が違う、習慣が違う。異なる環境に身を置くと、その環境の良いところも、悪いところも必ず両方見えてきます。思うように事が運ばなかったりすることも少なくないので、ネガティブな感情が先に立つことも少なくないでしょう。しかし、100%全て「良」ということがないのと同じように、100%全て「悪」ということもあり得ないでしょう。
要はどちらに目を向けるかという問題で、考え方、捉え方によってその土地での暮らしがポジティブにもネガティブにもなるわけです。
日本の入試制度には「帰国生入試」や「帰国生枠」というものが存在することは皆さんもご存知でしょう。
では、いったいなぜこんな制度が存在するのでしょうか?多くの場合、試験科目が一部免除になったり、合格点を調整してくれたり、一般入試より難度を下げてくれたり、何らかの優遇措置が適用されています。いったいなぜなのでしょうか?
優遇措置が適用されるということは、語弊を恐れずに言うと「基準を下げてでも海外生に来てほしい」という学校からのメッセージと捉えることができます。そう、日本の多くの学校は海外で暮らした経験がある生徒に来てほしいと思っているのです。
なぜか?それは、海外という日本とは異なる環境で多感な時期を過ごした生徒は、新しい視点、異なった考え方、複数の社会を客観的に比較できる視点を持ち込んでくれるからです。それが、国内生にとっても刺激になるし、学校に多様性と活力が生まれるからです。
ひいては、それが日本の将来にとって大きなプラスだと考えているからなのです。
そう、皆さんは日本の社会から「日本を変えてくれる存在」として期待されているのです。
海外生活という体験は、実はそれほど貴重なことなのです。
だとしたら、海外体験をマックスまで価値のあるものにしたくないですか?
貴重なチャンスが巡ってきた皆さんには、その義務があると言っても過言ではありません。
私たちepis Education Centreは、海外体験をどこまでもポジティブに捉えるということをとても大切にしています。
私はドイツに来る前に、香港に合計10年以上住んでいました。
香港が好きかと聞かれたら、両手を挙げて「Yes」と答えます。
もし、香港の嫌なところを挙げるように言われたら、誰よりもたくさん挙げることができると思います。
それと同じように、香港の素晴らしいところを挙げるように言われても、誰よりもたくさん挙げることができる自信があります。
だったら、とことん良いところに目を向け、良くないと思うところも新しい学びと捉えて、トータルでプラスの体験にしていって欲しいと思っています。