インスタント夢

インスタントな夢の実現方法はあるのか

新年早々、昨年の自分の反省に突き刺さる以下の記事を読んでしまったので、ちょっと色々な角度で考えて見ます。

知識とは何か

勘違いも多くて、『多動力』って本を出したら「3日連続1日でバイト辞めました!」とか、『ハートドリブン』を読んだら「数字とか興味ないんでハートで動きます!」とか若い子たちから言われちゃって。いや、そういうことじゃないだろって何回も言ってるんですけどね……。

先の記事からの引用です。こういう話が多い一年でした。。全て知識は、言い訳として利用するためにあるのではないよね、という話です。フランシス・ベーコンが言う所の、アリとなるだけで、自分で考えて組み上げられるハチとならなければ実りが少なくなってしまう。

古事記や多くの昔話のように、一生懸命、今の状況を理解しようと取り組みに価値がないとは言えないです。ただ、先のような例では、少し対話になっていないですよね。

対話とは何か

2019年はより一層 "対話" というトピックスについて考えました。「他者と働く」やソーシャル物理学異文化理解力など、多くの対話やコミュニティに関する文章に出会い/読み返しました。その中で大きな出会いだったのが、梶谷真司先生の「哲学対話」という手法です。これは、当たり前のことを言っているようで、真に簡潔で伝わりやすく、とても素晴らしい手法です。(以下、別サイトより引用)

哲学対話

ステキなエッセンスがいくつも盛り込まれていますが、一番好きなルールが「知識ではなく、自分の経験にそくして話す」というルールです。経験と感情を元に、相手に興味を示すことが重要と感じます。

実際に、この手法を知って、自分で主催しているイベントでも早速取り入れてみました○ イベント参加者は毎回異なるため、正確な効果測定はできませんが、感覚として、徐々に会場の雰囲気が全体でまとまったと思います。

会社の同じチームでも月次で開催するようにしたところ、思ってもみなかった会話が生まれて、前よりも心理的安全性が高まっているのを感じます。本当にオススメです!

心理的安全性と役割感

対話を行うという、小さなコミュニティではありますが、その中でも心理的安全性が担保されるだけで、その空間の質が変わりますよね。質問という簡単な手法で、相手への役割を与えられることが、重要なキーなのではないでしょうか。

2019年の産業組織心理学会に初めて参加し、心理的居場所感は日本独特の価値観である考え方があると知りました。この居場所感は「本来感」,「役割感」,「被受容感」,「安心感」から形成される説もあるらしく、来年度から新卒が入ってきたら、自分もこの辺を気をつけて行きたいです。

共感を示す -自分の言葉で話す-

天才を殺す凡人でも話されていますが、これらの質問をただの攻撃と思われないためのコツはどんな言葉でも、自分の言葉に変えて、共感とともに伝えるということです。そうでなければ、冷笑的な人はなぜ組織を「壊す」のか?でも語られるように、ただのサイレントキラーとなって誤解を産んでしまいます。

これは、ロジックとしてではなく、話し合いたい意志を伝えるためにも重要なスキルです。VISION DRIVENでも語られているように、ロジック思考では何も生まれません。Team GeekでもHRT(謙虚/尊敬/信頼)という単語で語っています。"謙虚" なんていうと、ウィトゲンシュタインの「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」という名言を思い出す人もいますが、そういう意味ではなさそうです。

相手のペースに合わせて、その空間の状態がどうなっているか可視化イメージを想像しながら、対話をすることが重要のようです。

セルフマネジメントを行うとは

少し話題がそれましたが、これらの対話の手法を利用して、知識について誤った解釈をしない努力を行いたいという話でした。

それができれば、「やりたいことして生きてく時代!やりたい仕事以外は全て断るべき!」という曲解をすることはないかなと思います。

ただ、なんでも仕事を受けていたら、パンクして逆に迷惑をかけてしまったり、気づいたら仕事を作るための仕事をやっていたりと、なんの課題解決にもならない状況に陥ることも少なくありません。

今回共有した箕輪さんの記事を、自分なりに解釈すると、ティール組織で言われているセルフマネジメントが重要だよね、という話だと思います。

箕輪さんは、「自分はまだ何も知らないから、編集の仕事を全て知る」という目的/軸を中心に全て仕事を受けるという選択をしていたようです。これは職種によってはできないことかもしれません。「雑用だから」「好きなことではないから」仕事を選りすぐりするのではなく、自分の思い描くビジョンに必要はことは全て、セルフマネジメントするということが重要なポイントなのだと感じます。

エッセンシャル思考も曲解されやすいですが、軸を定めて力を集中させることが重要であって、仕事量をただ単純に減らすことがエッセンスではないわけですね。

私自身も、リソース調整はもちろん必要ではありますが、人事の業務や同じミッションを共有する部署の仕事という広義での自分が関わる庶務や雑務は経験する意向を示しています。自分のプロジェクトを成功させるためには、優秀な人材の獲得のために、少しでも学生と接する機会があるなら、自分のプロジェクトの魅力を伝えたいし、自分が出張で何か得たいものがあるのであれば、当たり前ではありますが、その手続きは積極的に行いたいです。

インスタントな夢はスケールしない

以下、箕輪さんの記事より再度引用です。

結果的に、僕が生み出してしまった“インスタントに人生変えたい奴ら”に、自分で説教するっていう謎のプレイになりました(笑)。
僕はいつも誤解されがちなんですけど、基本的に真っ当なことを言っているはずなんです。でも、やっぱり即時性があってキャッチーなことにだけみんなが食いついてしまう。さっきも言いましたけど、インスタントに人生変えたいからなんでしょうね。でも、そんなの無理。「断る/断らない」の話もそうですけど、そんなものはないんです。
繰り返しになるけど、どんなことでもスタートが自分で決めたことであれば、結果は何でもいい。自分の頭で考える癖さえ付いていれば、間違えたってもう一回考え直せばいいだけ。何事も「自分以外の誰かが決定権を持ってる」って思った瞬間に心が死んでいきます。自分が人生のハンドルを握ってなきゃダメですよ。

もちろん、私はまだこんなことを言える段階ではありません。自戒の意味を込めて。

正直、2019年に感じた不安は「あまりにも、やりたい仕事ができすぎている」という不安でした。私が所属する企業は、本当にいい会社で、やりたいことをきちんと資料化し、適切な形で価値を伝えることができれば、話を聞いてくれる人ばかりです。

これはエンジニアだけに限らず、総務、人事、コンシューマ営業、マーケティングの部署の同期と話していても感じられた、事実です。

もちろん中には、まだ、やりたいことができていないと感じている人がいるかもしれません。(何様だ、という感じで恐縮ですが、、、)もし同じ社員でそのような人がいたら、私に声をかけて欲しいです。一緒にどうしたらいいか考えましょう。

でも、ここで注意して欲しいのは、あくまで考えるのは「一緒に」で、行動するのは一番根深い必要性を感じている「あなたが」です。これは、残念ながら、対話の上で、共感を生み出す上で、絶対に私ができない、当事者が必要とされる役割なのです。途中までは、もしかしたら代理でできたり、一緒にやっていく中で私が実際に当事者となれるかもしれません。ここの可能性については、検証がまだ不十分ではありますが、一緒に動き出せるような、プレイヤーとなれるような文化を作って行きたいです。

その道は、想像以上に大変かもしれません。

努力したからいいというものでもありません。

ただ、インスタントに叶えられる課題解決は、本当に少ないと私は考えています。

その場しのぎの "それっぽいこと" をするのではなく、自分の思い描くビジョンに対して、緻密な戦略と、確実な実行を持って、一緒に、ワクワクすることで溢れる世の中にして行きましょう!

自分のやりたいことでご飯が食べれる人が一部であるという認識はあります。だからこそ、私の課題は、そういう人を一人でも増やすために、一緒にその課題に向き合い続けることなのだと考えています。非常識な変な若者にならないために、今の自分にできることを実行して行きます!

おわりに

文章にして伝えないとわからないよ、って言われたので、ちょっと長めに書いてみました。

あまり文章を書くのが得意じゃないので、どうしようか悩んでいたら2019年は一年すぎてしまいました。

今年はそれも含めて失敗/検証結果や経験であると自覚し、発信していけたらと思います。(三日坊主になりませんように。。)

Enjoy!

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