松山高吉についてのメモ①
松山高吉は明治日本へのキリスト教導入において重要な人物である。彼についての詳細な情報は、岡田勇督「松山高吉―その生涯と資料調査の現状」を参照されたい。
で、私が松山の業績を調べる上で重要だと思うことを簡単に述べる。
① 聖書の日本語訳での貢献
これについては例えば、岩波文庫の『文語訳新訳聖書』の解説に述べられている。松山は翻訳において指針を示し、それは訳に反映された(769~70頁)。
ちなみに私が好きな文語訳聖書の文句は、例えば「われ童子の時は~」で始まる『コリント前書』13章11節~13節、「ねがはくはわが時のいかに短かきかを思ひたまへ」(『詩篇』89番47節)、「願くはわれにおのが日をかぞふることををしへて智慧のこころを得したまへ」(『詩篇』90番12節)など。こういった名文句に松山が関わっていたのかは気になるところだ。押井守『イノセンス』にも『詩篇』が引用されていた(139番17-18節。ただし訳文は微妙に異なる)。
② 讃美歌事業
松山が編纂に加わった『新撰讃美歌』は岩波文庫で読むことができる(私は未見)。彼自身、讃美歌を作詞した。
また、思想的には松山が国学を経ていることは見逃せないだろう。キリスト者になる前、平田篤胤(近年再評価が進んでいるという)の子である平田鐵胤に松山は師事していた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?