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障害者雇用 冬のボーナス

今の会社で働いて8ヶ月。
ついに来た!ついに!

待ちに待ったボーナス!

労組の要求がそのまま通ったということを小耳に挟んでいたが、本当に私のボーナスにも反映されるのだろうかと不安もあった。

そんなこんなで、ようやくその日がやってきた。

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開示日の朝。

朝礼の時に、スーツの上着を着て名札と会社のバッジをつけなさいというびっくり仰天の指示が全員に出され、いそいそと付けて、みんなで会議室の外にズラッと並ぶ。

一人ひとり呼ばれて、中にいる課長から労いのメッセージを賜るのである。

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並んでいたときには緊張して、早く終わらんかなあとまで思っていたのだが、課長のお言葉はあっさりとしていた。

要は、担当になった仕事は責任を持って、何を聞かれても自分で考えて堂々と答えられるようになってほしい、ということだった。

どうやら他の社員にも同じことを言ったそうなのだが、思ったよりやわらかいお言葉でホッとした。(呼び出される=怒られるという昔の学校みたいな感覚になっていたからである。)

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私はバッジが見つからず、残念ながら付けずに並んでいたのだが、哀れに思ってくださったのだろう、終わった人が自分のを外して私に貸してくださった。

私の他にも付けてなかった人がいて、終わった人から順に後ろに貸すという見事な連携プレーが、廊下で地味に繰り広げられていた。

なんにも知らない課長はおそらく、きちんとした服装で一人ひとり来るから、感動していたにちがいない。

しょせん、かしこまった服装とか会社の風習って、社員の「知恵」でなんとか担保されているのである(笑)

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課長から明細が渡されるのかと思ったら、口頭で何ヶ月分かを伝えられただけだった。

それでも噂が確定したので、喜びもひとしおである。

あとは振込を待つだけだ。

もらったら何を買おうか。欲しいなと思っていたカバンが気になるな。

やっぱり貯金か、投資も増やそうか。

いや、やっぱり直接的に、てんかんや障害者団体への活動資金として寄付もいいかもしれない。

まてよ。そもそも、この収入によって課税額も上がるから、税金も納められる。これが日本の社会保障関係費に充てられることになる。

買い物とか税金とか、こんなふうに日本の経済や社会を回す一助になれるのだ。

いや、世界の経済の一端といっても過言ではないだろう。

・・・ボーナスが振り込まれる前から、色々とおめでたい妄想で頭がいっぱいになっている今日この頃である。

とりあえず、まずは自分におつかれさまと言ってあげようかなと思う。

よなよなビールでも買って、ちょっぴりいつもより贅沢に。夫も一緒に。

実はこれこそが何よりも幸せなのかもしれない。

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