The purest impure
「不潔だよ。」
時は、高度成長期 Shanghai
世界中から
外国人が
集まる街
直径7センチくらいのちっさな中国茶のポットと
ボウルみたいなのを持ってきて
ジャブジャブ茶事の真似事をするアメリカ人
形がばらばらなマグカップで入れてもらうお茶は
別においしくも何ともなくて
繰り返し何度も注いでもらうその時間は
大体いつも
適当な感じで、そっぽを向きながら
本を読んだりたまに話をしたりしながら
その時間は、
あまりに心地が良かった。
うちの中は
いつも光化学スモッグとどこかで工事をする騒音とはうってかわって
静かで
だだっ広いリビングのカウチでごろ寝をしていると
彼が必ずやってきて
「お茶のむ?」と言う。
すっと伸びた背筋と腕
綺麗な手をひた隠すかのような
乞食みたいな髪と髭
おじいちゃんみたいな物静かな佇まいに
専攻は心理学
髭の中にクローブの実を隠して
肉は食べないアップルユーザー
まもなく彼は、イスラエルに行く
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