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そもそも誕生自体が地獄だった件、2

33歳から順に遡っていくと、
セラピストとして生きて行くことを決めたその日のことや

なんだかんだで独りで過ごしてきたことや
恋人の親切心を拒否して自分であてつけにケーキを買って嫌な顔をされたことや
元彼氏が不憫に思ってわざわざ花を買って訪れてくれた記憶など

次々に蘇ってきた。



おぼろげな記憶の部分もあったが、早送りせずにじっくり、
ひとつひとつの記憶に時間をかけて

「おめでとう」の気持ちや、
「生まれてきてくれて、ありがとう」の気持ちを伝えてみる。


そういえば、やっぱり人にはいつも

「生まれてきてくれてありがとう」と思っていたが、
自分自身に対してはそんな風に思ったことがなかったことに気づく。

そんな単純なことにも気づかぬまま30年以上も過ごしてきてしまった。



日々の詰まりは日々掃除ができるが、
大掃除時にしか開くことのない換気扇の裏に、


見たこともない汚れがついているのに気づくチャンスは、

そう、

年に一回きりなのである。




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