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山陰新幹線と中国横断新幹線のルート案(中速新幹線的整備案含む)【2024年時点】


【はじめに】

私は以前にも山陰新幹線・中国横断新幹線の個人的なルート案を描いた記事を書いていました↓

前回2021年時点での記事では新幹線整備やそれに関連して素人ながら自分なりに感じていた問題意識も含めて描き、インフラ整備のあり方や地域振興(いわゆる地方創生)のあり方などにも言及したつもりです。しかし、我ながら投稿後しっくり来ない気持ちも残り続けていました。
というのも、
・関係者でもない素人の分際でおこがましいのでは、と思うようなことも書いていたり
・(私以外の全ての他の人から見ると)突拍子もなく現実性に乏しいなどと思われかねないような整備案も描いたりしてしまった
と自分自身で感じていたからです。
そんな不安が残り続ける中でも描いたのは鉄道整備の案を通じた私なりの問題意識が何らかの良い参考になってほしいと願っているからでした。
今回は少しでも受け入れられるよう、新幹線整備に直接関係ないと思われる要素は極力省きますし、(私以外の)他の人からは多少突飛だと思われかねないような考え方をしてしまったと自分でも思ったことについては「どうしてそのように考えたのか」という説明をしっかりしていくなどの改善を図りたいです。

前回新幹線ルート案を描いてから幾分時間が経ち、考えが変わった箇所も出てきました。前回の四国新幹線↓

に続き、山陰新幹線・中国横断新幹線のルート案も改めて描き直すことにしました。

【今からでも新幹線整備が必要だと考える理由】

個別具体的なルート案を申し上げる前に私がなぜ全国的な新幹線整備は必要だと考えているかについて申し上げます。これについては以前投稿した以下の記事で申し上げています。

この記事で改めてその理由や考え方を簡潔に申し上げるならば

・既存交通網との接続により、在来線なども含めた交通網全体の機能強化
→人々の全国的な交通権(移動の機会)が確保されてほしい、という願いも込めています
・人や物の移動所要時間大幅短縮による経済的生産性の飛躍的向上、それによる経済活性化→税収増加を図り 医療 福祉 教育 その他各種政策財源の確保
・全国的な交流促進による地方格差是正
・天災人災に備えた迂回交通路形成

などの理由が挙げられます。

そして、
特に山陰新幹線など日本海側の路線は日本海側と太平洋側双方で高速鉄道網を整備し、全国的に交通網の迂回予備機能(リダンダンシー機能)を確保しておく必要からも新幹線網を整備する意義があります天災・人災に対しソフト面に加えハード面からの対策整備も疎かにしない

なお、念のため申し上げておくと、
私は単に新幹線だけを整備して活用すれば良いと思っているわけではないです(特定の交通機関だけで考えない)。在来線との接続で新幹線と在来線両方を活かす活用法が重要だと考えています。また、この考え方の延長線として鉄道網と地方航空網の接続・連携を図ることで交通機関全体を再生・維持活性化を図り、交通の利便性向上を通じた地方格差是正を図っていくのが良いと考えました↓

従って、私の考える新幹線整備(及び箇所によっては新幹線整備に付帯した在来線整備)は鉄道の空港経由を前提としたものになります。既存の交通網を紐付けていくことも新幹線整備の意義だと考えています。

【全体を通しての概要説明】

新幹線ルート案を考えるにあたり、前提となる考え方を前もって申し上げます。

そもそもなぜ新幹線ルート案を描き続けているのか?
前述した新幹線整備の必要性を踏まえ、私なりに考えたり体感したりしてきたことを新幹線整備ルート案という形で描くことで今後少しでも早く円滑にルート案がまとまり、早期の新幹線整備・開業につながってほしい。そういう想いや願いから描いています。

ルート案(線路や駅の位置など)を選ぶ際に重視して考えたことは?
1・地域内格差や対立を最小限に抑えられるようにしたい

2・この考えに基づき、新幹線駅が設置できない地域や駅には在来線普通の増便や特急・快速等の運行で補うことも重要になる

3・全国的な経済・人的交流を図り、人々の移動の自由(全国的な交通権)を確保する観点からも、地方空港も新幹線ルートに組み込む

4・その他ルート選定にあたって考えたことは各地域の詳細説明で申し上げる予定です

路線延長が長い新幹線路線だが一気に建設・開業できるのか?
素人考えでも一度に全ての区間を建設・開業させるのは現実的ではないと考えています。そのため、
1・局所的な新線建設(フル規格新幹線の複線以上に対応した構造物)を行ない、その区間に暫定的に在来線の線路を単線で敷く。ある程度まとまった区間が完成した時点でフル規格新幹線の線路(標準軌で在来線よりも大型車両対応)を敷き、既存の新幹線車両が走れるように線路を切り替えていく(いわゆる「スーパー特急方式」と呼ばれる整備手法を応用する)

2・特に在来線の単線区間に概ね沿って標準軌新幹線の線路を単線で敷設し、「在来線と新幹線の単線並列」という方法も採り入れる、あるいは後述する「中速新幹線」と提唱されている整備手法も検討する

といった手法を採り入れるのが良いと考えています。
要は、段階的な新線建設と在来線複線化に近い手法を組み合わせていく。

※記事をご覧頂いている方に解りやすくお伝えするため、本当は私が考えている整備手法や手順を描いて掲載できたらと思っています。もし描くことが出来た場合はその画像も掲載するつもりです。

【新幹線ルート案全体像】

山陰新幹線においては二通りの経路案を考えた箇所が3つあります

この画像からお伝えしたいことを申し上げます。
1・全体的には概ねこのあたりに線路を通す想定をしてみました、という説明をしたい

2・その地域内だけでなく全体を見渡す俯瞰的な観点を伝えたい
※全国的な交通網整備なのでそのような観点を持つことが重要です

3・山陰新幹線内には二通りのルート案で描いた場所が3箇所あります。個人的に一つのルートに絞り込められなかった箇所です。どうして二通りのルート案を描いたかは各地域の詳細で説明したいです。

【線路の描き方に関する説明】

前述の通り、優先順位を決め局所的な新線建設をする区間、後から新線建設をする区間、在来線に概ね沿って並列する区間を組み合わせることを申し上げました。線路の描き方として以下の凡例を用意しました。

これより、具体的なルート案とその説明を申し上げて参ります。

【各地域の具体的な説明】

【舞鶴・新大阪・敦賀付近】

山陰新幹線と北陸新幹線のルート案です

画像内に考え方の要点をまとめました。読みづらい可能性もあり恐縮ですが画像内の説明もご覧頂けますと幸いです。

画像内で説明できなかったことを申し上げます。
特に北陸新幹線の京都ー東小浜についてですが、何となくですができればもう少し舞鶴寄りに線路を敷設することができれば却って建設しやすくなるような気がします。この区間の線形は現実的に行なわれる可能性のある線形と、上記の考えを込めたところ、図のような形になりました。
できる限り早い時期の着工・開業がなされることを強く願っています。

【鳥取ー舞鶴付近】

山陰新幹線の鳥取から舞鶴付近のルート案です

この地域では二通りのルート案を描きました。豊岡経由(画像上側)と若桜経由(画像下側)。豊岡経由は山陰本線にも沿っており、一般的に考えられそうな経由案なので、私もそれに沿って考えてみました。
若桜経由を描いたのは
在来線が未開通に終わった区間が含まれているので、新幹線整備を通じて擬似的に鉄道網をつなげ、鉄道網全体のネットワーク性を高めていく、そうすることで鉄道路線を個別路線だけの狭い観点で見るのではなく全体を俯瞰して有効活用していく、という考え方が広まってほしいと思っているからです。全国的な交通権(移動の機会)確保や天災・人災時での迂回路確保による交通網の機能維持など様々な観点から、鉄道網も全国的な交通網を形成する路線はしっかりと活用されていくようになってほしいのです。
(あえて感情論的な言い方をするならば、個別路線単体での実績やその狭い視点だけで鉄道路線を過小評価するのは不見識で酷いことだと思います・・・)

豊岡経由の話に戻すと、
こちらを経由するなら、可能なら但馬空港にも経由することで様々な航空路線就航をし易くさせ、この空港も有効に活用されてほしいです。地形等の要因で但馬空港経由が出来ない場合は、前述したとおり鉄道網のネットワーク性を少しでも高め、鉄道網全体の価値も高めていく観点から若桜経由で建設されてほしいと考えます。

【鳥取県付近と中国横断新幹線付近】

山陰新幹線の鳥取県付近と中国横断新幹線を中心に描いたルート案です

・中国横断新幹線(岡山ー松江)について
伯備線に完全に沿ったルートにするのではなく、新幹線整備を通じて既存の在来線を強化し、鉄道網全体の活性化と積極的な活用をする。そういう考え方から芸備線と木次線にも沿う経路を考えました。
特に木次線の山間部区間には三段式スイッチバック(N字のような形の線形をした線路)があります。鉄道観光的には観光資源にはなり得るとは思いますが、交通機関としての本来の役目である拠点間移動という点では支障になっています。岡山と松江を結ぶ区間の新幹線を造るのであれば、線路状態の悪い路線の改良も兼ね芸備・木次線に沿う経路を取るとより有効な社会資本整備になると考えました。
比婆山駅を
後述する山陰新幹線山間部経由案の合流地点として想定したのは、在来線の分岐点駅である備後落合駅の標高が高いこと・この駅周辺は平地が少なくここでは産業振興がとても難しいのではと考えました。そのため、少し標高が低く平地もいくらかは存在する比婆山駅を新幹線の合流地点として想定しました。

・米子空港付近ー鳥取空港付近について
この区間では後述する「在来線と新幹線の並列」で整備することで並行在来線問題の回避と既存在来線の有効活用を図るのが良いと考えました。

【在来線と新幹線の並列及び「中速新幹線」について】

並行在来線問題の発生を避け、在来線路線網を維持活用しつつ新幹線路線網を整備・活用していくことが今後新幹線整備を進めていく上で重要になると考えています。なぜなら、これまでの新幹線整備では「並行在来線問題」が発生し新幹線駅の有る無しによる地域内格差や対立も起きてしまっているからです。
そのため、マクロ経済(新幹線が担う中長距離移動)の活性化を図りつつミクロ経済(在来線各地域・比較的短距離な移動)の維持活性化も図る考え方やそれに基づく新幹線整備手法を取っていく必要があるでしょう。
山陰本線の益田ー鳥取間は現在でも比較的多めの便数で特急列車が走っており、約20年前には最高速度で時速120km運転の範囲ではありますが在来線の高速化改良工事もされています。
また、山陰新幹線は路線距離が長いので全線フル規格新幹線にこだわっていると完成がいつになるか分からないという残念な現実もあります。
(本音を言えば一度に全線フル規格新幹線で造れることに越したことはないのに・・・と思っています)
このことから、
全線を「フル規格新幹線」で整備することにこだわるよりも、一部の区間では現在の在来線と新幹線の中間くらいの速度ではあるが比較的費用を安くできるような整備手法も検討するのが良いと考えました。
その一つの方法として、交通コンサルタント(株式会社ライトレール)が提唱する「中速新幹線」という整備手法、あるいはそれに近い手法も採り入れるのも選択肢の一つでは。
(私が「中速新幹線」という概念を知ったきっかけは、失礼ながら単純なもので「『高速鉄道』があるなら『中速鉄道』というのもあるかな?」という思いつきで検索したことでした)

「中速新幹線」に関するリンクを以下に貼ります。

http://www.lrt.co.jp/niigata/190614benkyou/%82%DC%82%C6%82%DF.pdf

これによると、株式会社ライトレールの想定では
中速新幹線で用いる車両は
在来線規格に近い大きさのようです(PDFの2ページ)
使う線路の幅はフル規格新幹線と同じ1435mmのようです(PDFの1ページ)
そして線路自体は
既存の在来線を更に改良し三線軌条または四線軌条にする想定のようです(PDFの1ページ)

この中速新幹線に関連する事柄について私が考えていることを申し上げます。あくまで素人考えですが、
・従来の狭軌在来線(車両や線路の規格はフル規格新幹線より小さい)
・標準軌フル規格新幹線(車両や線路の規格は在来線よりも大きい)
この両方とも迂回路となる線路網を充実していくことが「国土の強靱化」や鉄道網全体の機能強化につながると考えています。(なお、鉄道網に限らず、道路網に対しても同様に迂回路を充実することが重要と考えています)
具体的な路線で例えるなら、
山陽(さんよう)新幹線が何らかの理由で不通になったとき、山陽(さんよう)新幹線の車両が山陰(さんいん)新幹線へ迂回できるようにする
そういう冗長性を高める。在来線(山陽本線・山陰本線等)も同様。
以上のことから、
中速新幹線に関しての私なりの考えを要約しますと、
鉄道網全体の冗長性(リダンダンシー機能)を高めるためにも、中速新幹線で想定する速度帯でも良いので「標準軌フル規格新幹線で使う在来線よりも大きな車両」も走れる路線網を拡大できるのが良い
ということになります。

この、私なりの考え方(標準軌フル規格新幹線車両も走れる路線網の拡大)と株式会社ライトレールの考える中速新幹線(従来のフル規格新幹線よりも費用を抑えながら新幹線整備を図る)、両方の要素を採り入れたものとして、

狭軌在来線とフル規格新幹線車両対応線路の単線並列

という考え方を提言します。なぜこういう方法を考えたかというと、安倍 元総理大臣が山陰新幹線を求める国会議論に対し「山陰本線の複線化をするのも良い」という旨の回答をしたという報道を聞いたからです↓

その時の国会議論を収録した国会会議記録検索システムです↓

006の西田昌司議員からの質疑に対して
007の安倍 元総理大臣の回答に「・・・新幹線より先に山陰本線を単線から複線にまずしたいということが最初の希望でもある・・・」という発言がありました。
推測に過ぎませんが、安倍 元総理大臣としては新幹線を求める意見への折衷案として、在来線の複線化という方法を提案したのではないかと思います。私はこの話を聞いて、
在来線の複線化をするのであれば、その予算を使って既存の在来線に「フル規格新幹線車両が走れる線路」を増設するのも一つの方法ではないか?と思いました。
在来線の複線化≒新幹線線路の並列的増設 にかかる費用、素人である私には正確には分かりません。ですが、推測できる情報として以下のものを見つけました。

2015年(平成27年)時点での報道で、あくまで肥前山口(現在の江北)ー武雄温泉間12.8kmを複線化するとした場合の試算です。それによると12.8kmの複線化で200億円必要だそうです。1kmあたりだと約15.6億円です。
前述した株式会社ライトレールが想定している中速新幹線の1kmあたりの工事費用(2019年・令和元年時点)は約20億円です。
(前述のPDF2ページ、「フル規格新幹線1kmあたり100億円、その5分の1」という内容から)
在来線複線化をする費用と在来線の中速新幹線化をする費用、その距離あたりの費用が同じくらいの金額規模であることを踏まえると、
あくまで私個人的には、株式会社ライトレールが考える「中速新幹線」の考え方を応用した整備手法として

「常時 時速130kmを超える速さで走行できるフル規格新幹線の線路」を概ね在来線に沿って並列する 

という形で実施していくのが良いと考えました。
「常時時速130kmを超える速さで走行できる」という言葉が意味するのは「最高運転速度」ではなく駅発車直後と駅停車直前を除いた駅間の走行中は常に時速130kmを超える速さで走行する、という意味です。
なぜ「時速130kmを超える」としたのかと言いますと、現在のJR在来線の最高運転速度が時速130kmとされているのでそれを上回る速度にする、そうすることで「今の在来線とフル規格新幹線の中間的速度で運行する鉄道」という定義的なものを考えたためです。
なお、
在来線並列区間での新幹線車両の最高運転速度の想定ですが、これは中速新幹線で想定されている速度と同じ時速150km~180~200km程度での速度帯を想定しました。

※交通コンサルタントが提唱する方法とは異なる方法を考えそれを提言提案するのは、我ながら素人の分際でおこがましい、などと思われてしまうだろうな・・・とは思っています。ですが、少しでも良い交通網整備の方法案や考え方を表したい、という想いでこの記事を書いています。

※中速新幹線に関する余談ですが、
もし、株式会社ライトレールが考える中速新幹線を実施するならば、長期的・将来的には全てのフル規格新幹線の車両の大きさを狭軌在来線並みのものに合わせていくのが良いような気もします。
(専門知識を用いない一般論的な考えの範囲ではありますが)新幹線車両の大きさを在来線の小さい方に合わせられると、全線全区間を完全な専用の新線(フル規格新幹線)で造ることにこだわらなくて済み、例えば拠点駅などで既存の在来線施設を有効に活用できるので建設・用地買収や事業費での難易度が下がると考えられるからです。詳しくはないのですが、ヨーロッパの高速鉄道整備では在来線も活用し局所的な新線建設をつなぎ合わせて整備していったと聞きました。
日本の新幹線整備が中々進まない要因として新幹線整備への理解のなさやそれによる財源確保の問題もあるでしょう。それに加え、日本には
在来線と新幹線という複数の規格の鉄道が混在し、新幹線を整備するには専用の線路を一(いち)から用意しないといけない
という根本的な要素もあるからではないかと思います。
こう考えると、
もしかしたら、ですが、できる限り早いうちから貨物も含めたJR各社で新幹線と在来線の車両規格をどうしていくのかという話し合いをする。
つまり、今後使っていく鉄道車両の規格(特に大きさ)を
新幹線の大きな方に合わせるか、在来線の小さい方に合わせるか、これまで通り二種類の車両規格を使い分けるのか・・・。
これを話し合って意見をまとめられると、回り回って新幹線整備が捗り、鉄道分野への公的財源投入拡大という形で鉄道への投資が充実するのでは?と思いました。JR(鉄道)全体として意思統一がまとまると全国規模で物事を取り組めるようになると思われるから。

具体的に在来線への並列を想定した区間を下図に示します。

この図においては、山口県から島根県にかけての山陰新幹線の複数経路案は省略しています


【島根県(及び広島県)付近】

山陰新幹線の島根県付近を中心に描いたルート案です

この図に描いた地域における考え方の要点や、画像内で説明しきれなかったことを補足的に説明します。図内に書いた説明文も併せてご覧頂きたいです。

・山陰新幹線日本海側経由案の補足説明
江南駅ー伯耆大山駅間を山陰本線に沿わない新幹線独自の経路にしたのは空港接続連携を図ってほしいという願いからです。
江南駅は特急停車駅ではありませんが、在来線と新幹線の乗り換え利便性を高めるため新幹線駅として想定しました。
益田ー江南間の新幹線駅選定は特急停車駅の中でも主要な駅や地域だと思われる駅を選びました。

・山間部経由案
山陰新幹線は概ね山陰本線に沿った経路で想定されていると思われます。そのため、益田駅からあえて広島県も含めた山間部を経由するルートは、一般的には理解を得られにくいだろうということは承知しています。
ですがそれでもこの経由案を描いたのは、図内でも申し上げた通り山間部の地域振興を考えたからです。広島県で有名な観光地は瀬戸内海側に集中していますし人口も多く集まっている。鉄道の交通網整備強化という社会資本整備を用いていわゆる「関係人口」「交流人口」等を増やしやすくする。そうすることが在来線(この地域では芸備線・木次線など)の積極的な維持活用にもつながるし地域振興の基礎にもなるでしょう。

(仮称)加計駅を新幹線駅として想定したのは、
かつて在来線の駅があり廃止鉄道路線の代替という考えもありますが、この地域から国道が四方向に伸びているのでここは交通の結節点でもあるかもしれないと思ったからです。

・広島ー広島空港ー松江方面を結ぶ新幹線路線について
図内でも申し上げていますが、これは新幹線整備の基本計画にはない路線です。中国横断新幹線を芸備・木次線沿いにすると、将来的にはこのような路線も新設できるのではという考えが浮かびました。中国横断新幹線区間で新幹線の共同利用区間が生じるので新幹線整備を効率的に行えるという利点。なので「こういう考えもありだな」という風に考えていただきたくてこの路線案も描いてみました。

【山口県付近】

山陰新幹線の山口県内区間のルート案です

山口県内も複数のルート案を考えました。
一つは
概ね山陰本線に沿った経路に前述した「新幹線の在来線並列」を図る案
もう一つは
東萩駅から山口宇部空港を経由し北九州空港方面に至る案
です。山口宇部空港を経由する案は「このような経路もありではないか」という問題提起をしたくて描きました。

「山陰本線に沿って在来線に新幹線線路を並列する案」(長門市を経由する案)には完全に在来線に沿っているわけではなく一部の区間では短絡(ショートカット)している区間も含めています。
既存の在来線でも複線化の際、元の線路に完全に沿わずショートカットしている線形をしているところがあります(例:日豊本線西屋敷ー立石間)ので、そのような整備手法をイメージしたものです。なお、この考えは益田ー鳥取空港間にも込めていますが画像の関係上そこまで描けませんでした。

【新幹線等鉄道の空港経由と、鉄道と航空の関係について】

私は、今後の新幹線整備において空港経由を通じた交通機関を超えた接続連携が重要だと考えています。一方で、特にJR西日本としては受け入れ難い要素もあるのではないか、と思われます。特に山口宇部空港や前述した広島空港への鉄道乗り入れには難色を示すことが予想されます。
というのも、
特に山口県・広島県ー東京間は航空とのシェア争いが激しく、そこへ無闇に鉄道を乗り入れさせると東京(羽田空港)方面への航空を利することへ加担してしまい、自社の主力商品である山陽新幹線の乗客を減らすことになるかもしれない
と考えてしまうかもしれないと思われるからです。
鉄道会社(JR)が懸念すると思われるこの問題についてですが、確かに
 各地ー大阪・東京ー各地 を結ぶ区間では新幹線と航空は競合の関係になってしまうと思われます。現在の交通体系や経済のあり方、物事の考え方が大都市圏に偏っているからです。
しかし、
九州・四国・東北・北海道側も含めた全国的に新幹線(及び在来線)の空港乗り入れを行ない、各地ー各地を直接結ぶ国内航空路線も就航させていけるようにすると、逆に航空と鉄道の間で交通機関同士の相乗効果が起きると考えています。短距離(在来線)と長距離(航空)の間に新幹線(中距離)が介在すると短距離から長距離まで全国津々浦々間の移動がし易くなり、その交通基盤を元に全国津々浦々相互間での交流が盛んになると考えられるからです。
また、
羽田空港は全国から路線が集まるため航空機の混雑が激しいのではないでしょうか。羽田空港発の航空便を利用した実感としても、羽田空港を離陸する際、航空機混雑のためか離陸まで何十分も待たされたこともあります。航空便が各地域に分散すれば混雑空港に関する問題解決にもつながるのではないでしょうか。
新幹線(及び在来線)の空港経由をするには、鉄道業界(JR等)と航空業界が

主に地方同士間を結ぶ路線や区間で連携を図っていく
新幹線は中長距離まで、航空は長距離という棲み分けを図っていく


という合意形成を創っていくことが重要になると考えます。

【福岡県ー山口県の県境付近(新下関駅・北九州空港・山口宇部空港など)】

・図内では書けなかった事の補足説明
地図で見ると、直線距離だと両空港は近い位置にあるので、もしこの区間を新幹線で直接的に結べば両空港を一体的に利用できるようになるのではと考えました。10km以上の距離を橋またはトンネルで結ぶことになるので非現実的だと一蹴する反論が聞こえてきそうです。ですがこの海域の水深は10ー30m位と比較的浅いようです。技術的・予算的・維持管理的に実現できる可能性があるのであれば検討してみるのも良いのではと言う問題提起をしたくてこの案も描きました。
とは言ったものの、より現実的なのは新下関駅を経由し九州に入る案だと思われます。また、山陰新幹線の終点は「下関市」となっているそうです。
この、いわば「終点問題」に対しては、「山陰新幹線または東九州新幹線の支線」などとして扱って対応できないか?という素人考えをしています。こういう考えが受け入れられれば良いのですが・・・

山陰新幹線が新下関駅を経由する場合、そこを終点にはせず新関門トンネルの予備となるトンネル(または橋)も造ってほしいと思っています。
・海底トンネルゆえ老朽化工事対策の予備線路が必要になると思われるため
山陰新幹線は山陽新幹線の迂回路線としての性質もあるからです。
このような要素も踏まえたので、後述する新下関から北九州空港・福岡県筑豊地方を経由し博多駅へと至る経路の新幹線路線案も考えました。


【福岡県付近】

・補足説明
北九州空港へは鉄道乗り入れ構想はある(もしくはあった)と聞いています。実現できていないのは残念ですがその原因の一つは空港を終点としているので鉄道整備事業の費用対効果が中々上がらないためではないでしょうか?
片方向のみではなく両方向から空港アクセスできれば、空港アクセス範囲が大きく広がり、鉄道の空港乗り入れに関する事業の費用対効果も上がるでしょう。その考えから、小倉ー北九州空港ー行橋方面を直通する在来線整備案も描いてみました。また、図内で説明しているとおり、この考え方に基づき、筑豊本線若松ー鹿児島本線戸畑間も在来線をつなげて筑豊本線列車を空港方面まで直通運転するのはどうだろうか?という考えも描きました。

・福岡空港への新幹線乗り入れについて
福岡空港の国内線には既に福岡市の地下鉄が乗り入れています。その上に新幹線を乗り入れさせるのは過剰ではないかと一蹴される心配はもちろんあります。そもそも九州内の新幹線計画路線である東九州新幹線新幹線自体、福岡空港乗り入れが想定されているわけではないでしょうし・・・。それでも東九州新幹線と山陰新幹線を福岡空港国内線に乗り入れる想定でルート案を描きました。以下の理由からです

・北九州空港(24時間対応)との新幹線直通を行ない福岡空港との一体的な利用をし易くするため(福岡空港も混雑が激しい空港で航空機の離発着時間にも制限がある)

・西九州新幹線が佐賀空港経由されればの話であるが、そうなれば佐賀空港ー福岡空港ー北九州空港間の空港連絡も行ない易くなる。新幹線は在来線とも接続するので、上記3つの空港と在来線を新幹線が接続すれば、何度も申し上げているとおり、短距離・中距離・長距離の移動や交流がし易い交通体系が出来、その交通基盤が地域格差是正の基礎になると考えるから

・福岡空港を経由すると筑豊地方や久大本線日田方面を通る経路と、北九州空港を結ぶ経路の両立ができ、新幹線整備を効率的に行えると思われるから

余談ですが、
本当は福岡空港国際線にも鉄道が乗り入れられれば良いと考えています。地下鉄七隈線の延伸構想もあるそうです。七隈線・空港線どちらも国際線まで伸びれば良いのですが・・・。

・福岡都市近郊の在来線鉄道延伸について
現在の福岡空港駅から福北ゆたか線(篠栗線全線と筑豊本線の一部区間の愛称)を結ぶ鉄道延伸構想が出ていると聞きます。
突拍子もない考えに思われそうですが、もし、新幹線の整備建設と在来線整備建設を同じ箇所で一体的に行なうことが出来れば建設費や用地買収費全体を効率化することが出来、費用的なハードルが下がるのではないかと素人考えながら思います。この考えを表す目的もあって、新幹線のルート案は福岡空港(国内線)から篠栗駅付近を経由し筑豊地方方面へ向かう経路にしました。新幹線に併設する形で在来線鉄道を延伸する。

【おわりに】

突飛だと思われてしまいそうな案も多く込めたので、できる限りそれについて「どうしてそのように考えたのか」という説明を多く行ないました。そうしたら冗長な文章になってしまいました。読みづらい箇所も多くあったと思います、申し訳ございません。
以上で山陰新幹線・中国横断新幹線に関するルート案の説明を終えます。私なりに体感したり考えたりしたことを新幹線ルート案という形にまとめました。今後の交通基盤整備の参考になって早期のインフラ整備につながることを願い、この記事を投稿した次第です。

もしよろしければサポートおねがいします。このnoteでは提案型の意見投稿になるよう努めて参ります。