【能登半島地震】なぜ避難所から仮設住宅へ移りたがらない人がいるのか・1
地獄の中でも人は笑える
2024年元日。震度7の地震が能登半島を襲った・・・。
・・・なんて書き出しにすると、直下にこんな写真が掲載されるのですよ。
悲惨な光景。
沈痛な面持ちの被災者から話を聞く・・・って、行ってみるとみんな結構元気なのよ。
塞ぎ込んでも瓦礫は撤去されないし、泣いても腹は減る。生活の中でご近所さんと話せば、笑い話だってある。
もちろん発災直後は寒い避難所で、悪臭の中、肩を寄せ合って耐えていた。でも人間って、どれほど悲惨な状況でも泣くだけじゃない。
健全な魂ってのは強力で、メンタルをやられない限り人間は立ち上がる。立ち上がった人間は、笑う。
なのにそういう写真って出てこないでしょ。
報道もSNSも、なぜか〝悲惨〟ばかり伝える。
復興を伝えるポスト(ツイート)にいいねは付かず、崩れた家の写真は今も多くのいいねが付く。
これ、いつもそうなの。
震災だけじゃなく、洪水でも台風でも何でもそう。いいねが付くのは、悲惨な写真。無事な写真は求められてない。
人は、自分自身の中にある「可哀想」との気持ちに酔います。「可哀想に見えるもの」を救おうとする。
実際に救わずとも、同調するだけで心を震わせられる。いわゆる〝感動〟。安全地帯で他者の不幸を非日常な物語として消費できるんです。
人間の心は、キレイじゃない。
嫌な言い方をしてますけど、これが今回の大前提。
では、行きましょう。
胸クソ悪くなる、能登半島地震、被災地の現実です。
避難所の被災者、今、何人だと思いますか?
珠洲市の人口は12,000人。
発災直後の1月1日16時には人口の1/2近く、5454人もの被災者が避難所へ避難しました。
極寒の体育館でうずくまる人々をテレビで見ましたよね。
今、避難所生活してるのは何人だと思います?
ノーヒントです。
想像してみてください。
・・・。
・・・。
・・・。
正解は91人。
どうでしょうか。想像より多かったですか? 少なかったですか?
ここから先は
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?