【詩】アネモイのトッカータ
子供たちよ、方位気まぐれなつむじ風
人に花の喜びを 季節巡りの悲しみを 破壊剥奪の絶望を
戯れ笑い踊り回りながら
平原海原山駆け町へと降り下り
耳元掠めて言葉を攫う
硝子の衣で舞う子らよ
地に縫われた彼らの
慎ましやかな小さな暮らしを引っ掻き回し
新しい物語をその喉に歌わせてやりなさい
平穏と不変を謳いながら
波乱と変貌を望む彼らに
花々と氷の詩を紡ぐ合いの手を
風に躍る炎と雪華 涙と血潮
幾千篇の叙事詩をまた一つ
悪戯な四つ子たちよ
金の額縁にその栄光の名をまた今日も
あとがき
友人、Hachi Octaviusさんの同人誌に寄せて書いた詩で、巻頭詩にしていただいたものです。大変光栄なことでした、ありがとうございます!許可を得ての公開です。この詩は同人誌の内容とは、あまり関係なさそうなので、通称謎詩と呼ばれております。もちろんいろいろふぁーっと考えての詩ですが。
元々、このために風の神アネモイ四柱それぞれの詩を書こうかなとも思ったのですが、まとめた詩になったので…その後、四方の風の詩をそれぞれに書き、アネモイの歌というシリーズにしました(noteではマガジンにまとめました)。
四つの風をまとめたことと急ぐような詩の内容から、トッカータとタイトルしましたが、そのタイトルがその後の四つの風を書きたい気持ちを牽引してくれました。楽しかったです。
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