【詩】金砂のストームグラス
こんなにたくさんのものを失くした
砕けないはずの構造を破ってまで
金砂のストームグラスに
埋没させた朝夕の万色
落とし物を受け取ろうともしない君は
何も無くしていないと信じているから
砂遊びをくりかえす昼夜
重ねゆく薄紙の日記帳
目覚めない金砂の嵐
静まる日を待ち続ける
フラスコの中にうずくまり
星の見えない眠りのスクロール
四つの錠が溶けるのはいつ?
約束しよう、
彗星線は幾筋も降り注ぎ
金砂石を通しても遮れず
誰の手にもつかまえられず
取り除くこともできない
こんなにたくさんのものを失くした
それでも君の命は嵐のように巡る
四つの銘板はいつか溶け
ガラスの空は砕けることを
君の失くした安寧と自由
溶け込んでいるのは
君自身の赤碧玉
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