白雪姫と南の森の仲間たち、とパンダ Vol.12
-南の森の仲間たちは、西の白雪姫に連れられて、樹樹なシンデレラに会いにいく-
第12章 「 最初の目的地 」
「ラン、ラ、ラララ〜🎵ラララララ、ラ、ラ♪」
白雪姫はココ駅で下車すると、お気に入りのフレーズを口ずさみながら、スキップして大通りに向かいました。気分上場、ご機嫌な様子です。
頭の中は、「びっくりポン!途中下車の旅。ワクワクドキトキ・サプライズ大作戦!」のことでいっぱいです。
大通りを真っ直ぐ15分位歩くと、お眉山の麓に目的の場所があります。
「うん、間違いない、ここだ」
お店の看板を確認すると扉をひらきました。
カランカランカラン〜
「こんにちは〜」
「いらしゃいませ〜」
白雪姫の声とお店の人の声が重なり合って響きました。
「ああっ!白雪ちゃん!久しぶり、元気にしてた?突然でびっくりしたよ〜」
と、みぞっち。
「ふふふ。作戦、成功。びっくりさせたかったの」
と、白雪姫。
「なるほど、白雪ちゃんらしいね。とにかく思いついたら即行動だもんね」
みぞっちも、経営指針実践塾を一緒に受講した仲間です。
奥さんのみちゃこさんと2人で、老舗の美容院『ヘアー・フィールド・ミチャコ』を経営しています。
みぞっちと話しながら、白雪姫は店内をキョロキョロと見渡していました。
「うーん、うーん。いないのかなぁ」
心の声が思わず、言葉になって呟いていました。
「ん?もしかして、みちゃこを探してるの?」
「あ、うん、そうなの。みちゃこさんに髪を切ってもらいたくて」
白雪姫は、少し照れくさそうな顔をしながら答えました。
「了解。呼んでくるね」
「おーい、みちゃこさーん。お客さんだよー」
「はーい。いま行きまーす」
お店の奥から、明るい声が聞こえました。
「いらっしゃいませ。あっ!白雪ちゃん、来てくれたの。嬉しい!」
みちゃこさんを見ると、白雪姫はちょっとドキマギしてしまいました。
というのも、白雪姫は、みちゃこさんにちょっぴり憧れの気持ちを持っているからです。
みちゃこさんに初めて会ったのは、ゆうゆう会事務局での勉強会。みちゃこさんの後ろの席に座っていた白雪姫は、みちゃこさんの『赤毛の長いフワフワの巻き髪』に、うっとり見入ってしまい、「この人は誰?」と気になって、講義が半分頭に入ってきませんでした。勉強会後に名刺交換して美容師と知り、美しい髪の理由に納得したのでした。
ヘアー・フィールド・ミチャコのモデル
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