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ドラマログ∶韓国ドラマ「セレブリティ」はキラキラしてるけど割とホラー

Netflixでドラマ「セレブリティ」を見た。

主演はパク・ギュヨン

主人公はソ・アリという元お金持ちで化粧品の訪問販売員をする女の子。大学生になるころに親の事業失敗が原因で貧乏になるものの、販売員仲間のお友達にそそのかされて(?)アカウントを作るところから、インフルエンサーとしてアカウントが急成長する。そのお友達には途中で裏切られたり、SNS上で受けるいわれない誹謗中傷などで生きるのが辛くなって最悪の選択をしてしまうなど色々あるホラーなのだけど、結局はそれなりに救いのあるエンディング。

テーマは、タイトル通りセレブリティ、有名であることとそれに伴って起きる誹謗中傷、オンラインでのいじめや薬物など。まだ人類はSNSのようなものを扱う能力が整っていなくて学習過程にあると私は思うのだけど、まさに日々ニュースで見聞きするような痛々しい出来事が扱われていて見ているのが若干辛くなる。でもドキドキハラハラ予測のつかない展開が面白いのと、登場人物のファッションがキラキラしていて魅力的で最後まで一気に見てしまった。

ところで、話はドラマとは関係ないのだけど昨日の江崎文武さんのコンサートの行く前に彼の名前で記事を検索したら、子供の頃に江崎さんにいじめられたという人のTwitter投稿記事が出てきた。それが真実なのかどうかは私にはわからないので無駄に拡散しないようリンクも貼らない。でも、現在そこに「過去にある人にいじめられたと思って訴えている人がいる」ということは認識できて、有名になるときっとほとんどの人にこういうことが起きるのだろうなとも思う。

いじめだったりハラスメントといった被害を受けたと感じた人の多くは一生忘れないのだという。一方で、被害を与えた人はそもそもその事実に気がついていないことも多いし、気が付いていてもすぐに忘れていて、相手も同じ程度に受け止めているだろうと期待してしまうのだろう。かくして世界は被害者で満たされ、加害意識のある人は少数派になってしまう仕組みだ。

私も高校生の時に「ワカメ、死ね」と図書室の自習ブースの壁にマジックで書かれたことがあって、それは司書さんの手によって除光液で消され私には知らされなかったのだけど、しばらくしてたまたまそのブースで勉強をしていたら消えきっていない文字が見えてその悪意に気が付いてしまったことがある。あの時誰があれを書いたのか分からないし、何ならまともな心当たりもないのだけど、あの時受けた傷は今でも記憶にある。そしてきっとそれを書いた人は、全く覚えていないだろう。高校の同窓会にあまり行く気がしないのはこのうすら寒い記憶があるせいで、この件において私は自分を何方かと言えば被害者だと思っている。

逆に、さすがにマジックペンで誰かの罵詈雑言を壁に書いたりしたことは私はないけど、さりとて「ワカメにいじめられた」と認識している人はいるかもしれないとは思う。人がどう感じるかはコントロールできない。そういう物語は、受け手が自由に語ることができるものなのだし、私が不用意に発した言葉が相手を傷つけてた結果、それで私を悪魔として認識することだってできてしまうし、実際にそうしている人がいても全く不思議じゃない。もしかしたらそれがキッカケで図書室に「ワカメ、死ね」って書かれたのかもしれない。そうなるとお互いが被害者であることを主張するようなもので、やっぱり加害者意識のある人はここでもいない。

だから、ある程度有名になったり目立ったりしてくると、事実の有無に関わらず被害者意識のある人が満を持して登場し、今度は逆に安全な場所から石を投げるようになるっていうのは想像ができる。人はそれを有名税と呼んだり自業自得と呼んだりもする。でも石を投げられた側は反論をするか、認めて謝るか、スルーするかの三択しかないのに、どのポジションを取っても今度は観衆の数に抑え込まれてしまって掻き消されたりキャンセルされてしまうのが(直接関係ないのに)見ていてつらくて、ついヒロスエやキャンドル・ジュンみたいなニュースで勝手に心乱されてしまう。有名税、ちょっと高すぎやしないか。イーロン・マスクかマーク・ザッカーバーグがそれを成し遂げるのか、はたまた集合知として新たなマナーみたいなものが共有されるようになるのか、あるいはインターネットはまた閉じたものになって小さな村のような中でしか人間が交流しない形になるのか出口はわからないのだけど、人類がこの問題に何らかの解決策を見出せたらインターネット上の人間関係も次のステージに進むなと思う。そんな日が果たして来るのか、分からないけど。

ドラマの感想からは随分離れちゃったけど、要するに「セレブリティ」は最先端で重たいテーマを、世界中に(楽しませながら)見せるすごい作品でした。

暑い週末、お疲れ様でした!

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