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スワロー亭のこと(1)序
自宅の一隅に古本屋を開いてから、気づけば4年半ほどが経っている。
店をやっている二人ともが、ほかの仕事をやりながらのスタートだったことがおもな理由だと思うが、これまでどうも店に対して本腰が入っていなかった。それなりに楽しんではいるものの、どうもよそよそしさが拭いきれないというか、自宅の建物のなかで、自分たちがやっている店なのに、遠慮が先に立っているというか、正面から四ツに組み合えないまま時間が過ぎた。
それにもかかわらず、店の看板を掲げていることによって、数々のおもしろい体験ができたし、ふつうに暮らしていたらありえなかったと思われる稀有なご縁にも恵まれた。
こんなありがたい装置を、野放し的に扱っているのはどうなんだろう。
せめてもうすこし身を入れて、この場所をつくりこんでいってもいいのではないか。
わずかずつではあるが、そういう気持ちも膨らんできた。
5年目に突入した2020年、店の改装工事もおこなって、ある種の「後戻りできない感」も生じている。
なにかを自分たちから積極的に仕掛けていく、ということがあまり得意ではない2名(というとやや語弊があるかもしれない。奥田はどちらかというと単独でいろいろ仕掛けていくタイプだ)が、ようやく重い腰をあげようとしている今、さしあたって古本屋の4年半のあゆみを振り返ってみようと思いたった。
この古本屋について、これまで記録らしい記録は残してこなかった。薄れつつある記憶に頼るしかない部分もあるが、できるだけ事実は事実のままに、しかし主観は主観でそのまま許容しながら、できるかぎりを綴ってみたい。
(燕游舎・中島)