これからのお仕事について
こんにちは、画家の塩谷歩波です。
ようやく秋らしい気候になってきましたが、雨やら低気圧やらが続いてダルダルですね。私も例年通り振り回されています!!!
早くパキッと季節が変わって、皆様の(そして私の)体調がととのうことを願っています。
さて、2021年にフリーランスになってからはや3年が経ちましたが…今、少しだけ立ち止まる余裕が出てきました。
これまで銭湯に限らず、お茶室、本屋さん、居酒屋、コワーキングオフィス、水族館と、いろんなお仕事をいただけて沢山の建物を描いてきました。ずっとお仕事が続いている状態でしたが、今そのスピード落ち着いて、ゆっくりこの先を考える時間ができたのです。
さて、この先どうしようと思ったタイミングで、思い出したのは銭湯図解を描き始めた時のこと。銭湯図解を描いたのは、まだ銭湯を知らない友達に、当時ハマりたての銭湯の魅力を伝えたかったからです。
『絵を通して、建物の魅力を届けること』
これが私の絵を描く原動力なのだと思いました。
そしてこの思いは3年間のお仕事の中でも変わらず、今後も大切にしたいと強く思っています。
ここでいう建物の魅力は、人によって異なる相対的なものです。私が銭湯に魅力を感じそれを届けたいと思ったのは、休職していた時に心から銭湯に癒され背中を押してもらったからです。建物の中でどんな時間を過ごしたのか、建物のどんなところが好きなのか、建物とどんな関わり方をしてきたのか。建物に感じる魅力は、一人一人異なるものだと思います。
絵を描き始めた原点に立ち返った時、そんな一人一人の思いを受け取り、魅力を届ける絵を描きたいと、ふと思いました。
”祖母の生家を建て替えるため、その景色を描き残してほしい”
”昔営んでいた建物を絵で再現してほしい”
”自分の店を絵で応援してほしい”
”好きな銭湯のイラストを描いてほしい”
そんな個人的でささやかだけど、血が通った大切な思いを絵で応援するお仕事がしたいと、時間ができた今だからこそ強く思いました。
ここ数年は大きなお仕事が続いてきました。この先もやりがいある大きなお仕事に取り組んでいきたいし、いずれは海を飛び越えてさらに大きな舞台のお仕事にもチャレンジしたいと思ってます。
ですが今後は、大きなお仕事を続けつつも、一人一人の気持ち寄りうような規模のお仕事にも大切に取り組んでいきたいと考えています。
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◎私にできること
そんなお仕事に取り組んでみたいと思いつつも、じゃあ具体的にどんなことが私にできるのかな?ということを少しまとめてみます。
① 今ある建物の魅力を描き残す
こちらは2024年1月に閉店した練馬区の豊玉浴場を描いたイラスト。豊玉浴場さんへのプレゼントとして、閉店後の土地を買い取ったマンションディベロッパーさんからご依頼いただきました。
私のイラストは建物だけでなく、その中の人を描くことが特徴的です。このイラストでは、実際に銭湯を利用されている常連さんの姿と、銭湯でのんびり過ごす人を想像して描きました。ディベロッパーさんから絵をプレゼントされた時、オーナーさんは”営業中の空気感そのものだ”と喜んでくださったそうです。
写真や映像でも、建物の様子を残すことはできますが、その時の空気感も含めて建物の記憶を残すことができるのは、自分の絵の強みなんじゃないかと思います。
②伝えにくい建物の魅力を届ける
これはまさに銭湯図解を描いた理由です。銭湯の中では写真を撮ることができないので、利用していてもその魅力を伝えられないのが歯痒く感じる部分でもありました。
そういった、写真を撮れない建物、造りが複雑で写真や動画で表現しきれない建物、基礎知識が必要でパッと見ただけでは分かりにくい建物の魅力を、絵と文字で”図解”することで多くの方に届けることができます。
③遠くの建物や過去にあった建物を再現する
こちらは、雑誌”RICE”の特集のために京都にある茶室を描き下ろしたイラストです。この絵を描いた時はコロナが流行中で、また一般公開されていないこともあって、遠隔でこのイラストを描きました。
こちらは2023年2月に公開された映画「湯道」のセットを再現したイラスト。こちらは絵の制作前に解体されてしまいましたが、図面や写真をもとに絵で再現しています。すでにない建物や、またたとえば国を超えた建物も、図面と写真があれば紙の上で再現する事ができます。
まだ取り組んだことはありませんが、もしかしたら過去の遺跡のようなものも図解なら再現できるかもしれません…!
④想像の建物を描く
こちらは2023年に開催した個展に合わせて描いたイラスト。家をお題に、お化けたちが住まう家をイメージして描きました。また、景色を想像した後に実際の建物になった例もあります。
こちらは2023年に完成した、那須にある一棟貸しヴェラに備え付けられたサウナ。もともと建築学科を建築を勉強して、卒業後は設計事務所で設計のお仕事に携わっていたので、基本的な設計と、そのイラストを描く事ができます。
また、まだお取り組みはありませんが、小説の中の景色や、映画やアニメなどに登場する景色や建物を絵で再現することもできます。(読書が趣味なので、特に小説のご依頼は大歓迎です…!やってみたい!)
来年以降はこんな想像上の建物のイラストにもどんどん取り組めたらいいなあと思っています。
⑤図解という表現を超えて
こちらはやや番外編となりますが、建築図法アイソメトリックを使った”図解”という表現ではない形で建物を描いた作品となります。
図解では建物の中で同時多発的に起こる出来事を絵に落とし込んでいますが、この形のイラストではより人の目線でその場所で体験した出来事そのままを再現することができると思います。
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◎お仕事の流れと、費用について
今、少し時間が空いたからこそ、今後取り組んでみたいお仕事の方針と、具体的に何ができるかをまとめてみました。
この記事は、今後こんな素敵なお仕事に巡り会えたらいいなあという気持ちを持って書いているので、最後により具体的に、お仕事の流れと費用についても書かせていただきます。
【お仕事の流れ】
①調査
実際に建物にお邪魔させていただき、1〜2時間かけてメジャーとレーザー測定器で実測いたします。その後、写真撮影を行い、建物への理解を深めるためクライアントさんに建物に関して幾つか質問をさせてさせていただきます。(遠方、想像上の建物の場合はこのフェーズは省略します)
②下書き
①をもとに、まずアナログでイラストの下書きを始めます。完成次第、スキャンをしてデジタルで人や家具を書き入れます。下書きが完成した段階でクライアントさんに共有し、ペン入れ前にイメージをご確認いただきます。
③ペン入れ+着彩
イメージをご確認いただけたら、ペン入れと着彩。最終的には、建物の大きさにもよりますが、A3〜A2サイズの水彩画が完成します。(デジタルでの納品をご希望の場合は、着彩までデジタルで行います)
④納品
完成後、スキャンを行なって電子データとして保存した後、額縁をつけて原画を納品という流れになります。(デジタルの場合は、データで納品)
建物の規模と中の物の量によって制作日数が変わりますが、早くて10日長くて1ヶ月半ほどお時間をいただきます。お待たせしてしまい申し訳ありませんが、調査から全て手作業で行なっているので、完成までお待ちいただけますと幸いです。なお、最短で1月中旬より制作を始めさせていただきます。
【費用について】
建物の大きさと置いてある物の量によって作業量が変わるので、お問い合わせいただいた後に写真や面積など伺って制作費をお伝えしています。(都内の場合は、最初に現地にお邪魔します。)
一枚あたりお時間がかかってしまうので「安い」と言いにくいお値段ではありますが、描き方や進め方などで工夫できるので、お気軽にお声がけくださいませ。予算も含めて、一緒に考えていきましょう!
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ここまで長々と失礼いたしました。
お仕事でできること、そしてお仕事の流れとご費用についてと具体的なことを書きましたが、私の想像を超えたご依頼やご相談は山のようにあると思います。この記事はあくまで私の視点からまとめたものなので、お気軽にお問い合わせいただき一緒に考えていけたらと思います!
ちょっと時間ができたタイミングで、今後やっていきたいことをまとめさせていただきました。頭の整理という意味合いもありましたが、今回の記事をきっかけに、素敵なお仕事やクライアントさんとお会いできればとても嬉しいです。
この記事を見てピンと来た方がいれば、下記のメールアドレス、もしくはgoogleフォームまでご連絡いただけますと幸いです。(ご都合の良い形をお選びくださいませ)
最後までお読みくださいありがとうございました!
塩谷歩波
メールアドレス: info@enyahonami.com