noteヘッダー

"アトリエ エンヤ" はじめます。

こんにちは、小杉湯の番頭/イラストレーターの塩谷歩波です。
小杉湯のPOPやポスターを作ったり、経営に加わって企画を考えたりと小杉湯周りのお仕事をしつつ、「銭湯図解」や高架下芸術祭を立ち上げてイラストを描いたりメディアに出てお話をさせて頂くなど様々な活動をしてきました。色んなことをしているのでフリーランスと思われがちなのですが、実は株式会社小杉湯に所属して働いています。小杉湯に転職してから3年間。小杉湯の正社員として様々なお仕事をお引き受けしていましたが、この度、小杉湯以外のお仕事を副業で始めたいと考えています。屋号は「アトリエ エンヤ」。絵を描くこと、また設計出身ということを感じさせたくて、設計事務所の屋号でよく見かける"アトリエ"という言葉を入れてみました。

塩谷歩波がやってきたこと

小杉湯に転職してからの3年間で、イラストを描くだけでなくメディアに出演したりnoteを書いたり講義をしたりと、様々な活動を続けてきました。一見すると、てんでバラバラな働き方をしているように見えますが、今までの活動は主に【想いに寄り添う・想いを形にする・想いを届ける】の3つに分ける事ができます。詳しく説明すると下記の通りです。

==================================

1:想いに寄り添う

画像5

どの制作物でも、まず誰かの想いに寄り添うことから始めます。銭湯図解では、銭湯の店主さんにインタビューをして、銭湯と共に歩んできた思い出や、これからの銭湯への店主さんの想いをじっくり伺います。高円寺図解でも、まず店主さんと仲良くなるところから始めて、お店に遊びに行きながら何度もお話を聞きました。小杉湯に掲示しているPOPやパンフレットも出発点は同じです。まず、小杉湯の若旦那やオーナーの小杉湯への想いをじっくりと何度も伺い、そこから小杉湯の役割や今求められる銭湯の意味合いを話し合って問題を抽象化し、具体的な表現に落とし込んでいきました。想いをしっかりと受け止めた上で制作を行うことで、地に足のついた心に届く表現を追求する事ができます。物事を抽象化するこの作業は、建築でいうならばリサーチや課題提起の部分にあたります。

2:想いを形にする
誰かの想いを受け止めた上で、その想いが最も届く表現方法を検討します。イラストが一番得意なのでイラストを選ぶ事が多いのですが、その想いをより効果的に届けやすい表現を、下記の私ができる表現方法の中から選んでいます。
・イラスト表現(水彩画、ペン画、鉛筆画、デジタル画、漫画)

21-昭和湯_徳島

17-境南浴場_武蔵境

19-クアパレス_習志野

イラスト

・POP制作(アナログ、デジタル)

190415コーヒー風呂


・写真(デジタル)

画像8

・文章(エッセイ、SNS発信用の短文、レポート)

終わりに


・言葉(プレゼン、講演、ファシリテーター)

画像10


例えば、銭湯の空間を分かりやすく説明するにはイラスト表現が向いていて、店主さんの銭湯にかける想いをしっかり届けるには文章が、銭湯でどのように過ごしてもらいたいかを伝えるにはPOPが、銭湯に差し込み光や色合いを表現するには写真が向いていると考え、届けたい想いに合わせて表現方法を変えます。また、絵や写真のような表現方法とはやや異なるかもしれませんが、講演やプレゼンのような言葉で届けることも表現方法の一つと考えています。1~2時間かけて、身振り手振りも交えて言葉で伝えることで、よりダイレクトに想いを伝える事ができるのです。

3:想いを届ける

スクリーンショット 2019-12-25 19.36.16

想いを形にするだけでなく、さらにそれを誰に届けてどのように感じてもらうかを具体的に考えることが重要です。届ける相手の顔を思い浮かべるレベルで想像することで、その人に想いを確実に深く届けることができます。また、どのように感じてもらうかを考えるのは、それによって発信ツールが異なるからです。私は様々なSNSを使用していますが、それはSNSを情報発信のプラットホームと捉えて、伝えたい想いや感じていもらいたいことによってツールを選んでいます。私は普段、下記のようにSNSを使い分けています。
Twitter(20~30代向け。ダイレクトで今の感情を共有する)
instagram(10~20代向け。キャッチーな写真をフックに深い想いを伝えられる)
facebook(30代〜向け。多世代が使うためビジネスに発展しやすい)
voicy(母数は少ないが、より深い思想を届けられる)
note(より深く生々しい感情をじっくりと伝えることができる)
多様な情報発信の場をもつことで、受け止めて形にした想いを、より多くの人に深く届けることができます。

画像12

さらに、想いを更に広げるためにイベントを企画することもあります。2019年9〜10月に行なった高架下芸術祭では"高架下のイラストを描きたい"という私の想いから始まり、JRさんの"高架下のイメージを変えていきたい"という想いが重なって、それらの想いを拡散するためにイベントを立ち上げました。小杉湯で働く番頭たちと共にイベントを実施することで、高架下にネガティブなイメージを持っていた高円寺住民にまで届き、高架下の新たな魅力を共有する機会になったと感じています。

アトリエ エンヤのできること

==================================

銭湯図解、小杉湯、高円寺図解、高架下絵巻など、様々なプロジェクトで上記のような活動を続けてきました。特に、小杉湯では大きなプロジェクトから小さなPOPに到るまで、1〜3の思想を一貫して実践してきたと思います。小杉湯を作ってきた若旦那や平松家の想いを受け止め、形にし、届けることで、小杉湯のお客さんは少しずつ増え、私が転職してから売上は約1.5倍以上になりました。また銭湯図解では、店主の想いを受け止め、図解という形にして、SNSでの発信を続けることで書籍化に繋がり、情熱大陸に取り上げられ、書籍は累計発行部数二万五千部を記録しました。日々のSNSの発信や、高架下芸術祭の反響などをみても、これまで続けてきた活動は成果に繋がっていると感じています。

この3年間、小杉湯を通じて様々なプロジェクトにチャレンジしてきました。銭湯再興プロジェクト、銭湯図解の出版、高円寺図解、高架下芸術祭、、、多様な試みを続けるにつれ、さらにこの活動の幅を広げたい、違う業界の方の想いを形にしてみたい、自分ができる表現を増やしていきたい、そんなことを思うようになりました。さらなる成長のため小杉湯以外のお仕事をお引き受けする活動を始めたいと考え、「アトリエ エンヤ」を始めた次第です。


アトリエ エンヤをはじめる理由

画像1

小杉湯の番頭/イラストレーターという肩書きを名乗る以前は、建築家を目指して設計事務所で働いていました。幼い頃、インテリアコーディネーターの母と一緒に"理想の部屋の絵"を描いた思い出をどうしても忘れられなくて、進学の際に建築学科を選択し、そのまま建築家への道を目指して設計事務所で働き始めましたが、1年半立った時に体調を崩し3ヶ月休職。鬱に近い状態だった時、友達が紹介してくれたのが銭湯でした。昼間に入る銭湯は心地良く、たまたま目があったお婆さんと他愛もない話をした事も凍り付いていた胸を溶かしてくれました。それ以来、銭湯の面白さに目覚め、その魅力を伝えたいと銭湯のイラスト「銭湯図解」を描いてSNSで発信をするように。そして、図解を見かけた小杉湯の若旦那からパンフレットの依頼を頂き、それが縁で小杉湯に転職しました。転職の際は『建築→銭湯』という異例のキャリアを受け入れられず悩みましたが、そもそも建築を目指したきっかけは母と部屋の絵を描いた思い出だった事を思い出し、建築家とは違う形で、幼少期に感じた建物を描く楽しさを実現できるのではと思い転職に踏み切りました。

画像2

小杉湯に転職して銭湯図解を本格的に描き始めてからは、多くの方々に支えて頂き、だんだんとメディアでも取り上げられるようになりました。そして2019年2月21日、銭湯図解の集大成として、書籍「銭湯図解」を刊行しました。書籍化にあたってイラストをほぼ書き下ろしたので、書籍作業は肉体的にも精神的にもクタクタになりましたが、完成した本を実際に手にした時、本の重みを強く感じました。それまで、絵を描きながらもアマチュアという感覚が強かったのですが、この時にはっきりと、アーティストとして名乗れるような人生をちゃんと歩みたいと覚悟しました。

画像3

アーティストとして活動をしていく上で、まず銭湯以外の自分が好きなものを描いてみようと思いました。そこで思いついたのが高円寺。転職に合わせて越してきた町でしたが、様々な人との出会いや出来事があり、すっかり愛着を持つようになりました。"銭湯図解のようにこの町の魅力を描いてみたい。"そう思って、初めに古本屋兼飲食店のコクテイル 書房を描き、その後、JRさんと共同で立ち上げたイベント"高架下芸術祭"で「高架下絵巻」として高円寺の高架下を描きました。高架下絵巻は芸術祭の最終日に発表し、そこでJRさん側から「高架下へのイメージが変わった、今の高架下は魅力に溢れているんだと気づいた」という感想を頂きました。高架下を利用する人だけでなく、高架下の開発に携わる人のイメージすらも変えられたことに驚きを感じると共に、”建築でやってきたことと同じだ”と感動を覚えました。建築は、建物をつくる事で目に見える景色を変えますが、高架下絵巻では絵を通してその人が見ていた景色の印象を変えたのだと思います。物理的にではなく、心の中の景色を変えたという意味で、私の絵は建築に結びついているのだと感じました。

小杉湯の転職で建物を描くことが何より好きだった事を思い出し、銭湯図解の出版でアーティストとして生きたいと決意し、高架下絵巻で絵と建築の繋がりに気づきました。そして、現在。高架下絵巻での気づきを元に、誰かの中の景色を変える絵を描きたいと思うようになりました。私は今、「株式会社 小杉湯」の正社員として働いています。小杉湯で働いてきた3年間は、イラストや企画やメディアの取材を通して小杉湯の景色を変えていく活動をしてきたのだと思います。これからも小杉湯での活動は続けて、さらには銭湯業界自体へのイメージもさらに良い方向へ繋げていきたいと思っています。その一方で、様々な世界で、より多くの人の視野を変える事に挑戦したいと考えています。"より様々な絵を描きたい"という1アーティストとしての思いと、建築を愛し建築家を目指してきた設計士としての思いが、この新しい挑戦で重なると感じているからです。


アトリエ エンヤのできること

アトリエ エンヤは【想いに寄り添う・想いを形にする・想いを届ける】を通じて、誰かの心の景色を変えていきます。お客様のお話を伺い、表現方法や届け方を一緒に考えていきたいので、一言でいうとどんなお仕事になるのかは言い切れないのですが、お客様に寄り添ってその想いを伝えることを共に考えていければと思っています。また、これまで建物を描くことが多かったのですが、これからは建物に限らず、例えばアーティストさんのビジュアルや、レストランのお食事イラスト、イベントのメインビジュアルなど様々な形に挑戦していきたいです。
アトリエ エンヤは本業の小杉湯とともに進めていくため、ゆっくりなペースで進めていきたいと考えています。イラストでしたら、1〜2ヶ月に1枚のペースになりそうです。そのため、ご依頼を複数いただいた場合は、お断りせざるを得ない状況もあるかと思いますので予めご了承下さい。その際は、塩谷歩波にしかできないお仕事を優先的に挑戦して参りたいと考えております。

最初の情報共有を円滑に進めたく、恐れ入りますが下記のご依頼フォームにご記入頂けますと幸いです。

=====================
ご依頼フォーム<現在閉鎖中です>
上半期にお受けできるお仕事の枠が全て埋まりましたので、恐れ入りますがご依頼フォームは現在閉鎖しています。2020年のGW前後で、再度ご依頼フォームを解放する予定です。何卒よろしくお願いいたします。
=====================

費用につきましては、表現媒体について細かくご相談できればと思いますがイラストの場合は1枚30万円以上〜お引き受けさせていただきます。
納期につきましては時期によって異なりますが、本職がありますので不定期で登録フォームを開くようになるかと思います。ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

長々とした文章でしたが、最後までお読みくださり誠にありがとうございました。アトリエ エンヤを何卒よろしくお願い申し上げます。

塩谷歩波



いいなと思ったら応援しよう!