夕涼みのサイバネティクス 上
8月28日。私の部屋に押し込められたスーパーコンピュータは、相も変わらず高熱にうなされながら働き続けている。18度に設定したエアコンとともに唸り声を上げつつ、機械らしく正確かつ複雑な計算を行っているらしい。ここ数日ぶっ通しで、ソレは人知を超えた計算力を遺憾なく発揮している。私の光熱費を燃料にし、ただでさえ狭い部屋の中央を占拠して無駄な仕事をし続けているのだ。
ソレが私の元に来たのは8月17日のことであった。弟が突然、巨大な段ボール箱5つ分の荷物を送りつけてきた。目測で横