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物理と数学の関係
大学受験の際に完全に別科目として扱われる、「数学」と「物理」ですが、
これらの科目の成績には明らかに正の相関が見られるように思われます。
数学が得意な人は物理も得意であることが多いですし、
逆も然りでしょう。
この記事ではなぜそういったことが起こるのか、物理学の歴史を考慮しながら考察してみようと思います。
物理学にとって数学は手段
そもそも物理学とはどのような学問か考えてみます。
簡単な古典的な力学を例に挙げれば、
ある時間にある物体がどこにあるかを予想する
のが目的と言えるでしょう。
現実世界において、物体の挙動を何らかの方法で記述できないか。
「なぜ重力があるのか」といった、
一見当たり前に思えるようなことを何かの理論で説明できないか。
こういったことをモチベーションに物理学は発展してきました。
そして、その素材として適していたのが他でもない「数学」だったのです。
数学はそれ自身で発展しもしますが、物理学の要請に答えて発展することもあります。
現存の数学で記述できない現象があれば、数学は拡張されていくのです。
例を挙げれば、
ニュートン力学は「微分積分学」により自然を記述した結果
と言えるでしょう。
微積を使った物理とは
高校でも、ある程度発展的な学習をしている方の中には「微積物理」と呼ばれる言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。
物理の公式は本来数学から導き出されるものであり、暗記するためのものではないんですよね。
ただ、前提知識として微積を課してしまうと、初学のハードルが大幅に上がってしまう。
こういった事情があって、元の微積を通じた定義を飛ばし、
公式の暗記になってしまっているんですよね。
もし高校で数学の微積まで理解していて、真の理解を目指したいという人がいれば、以下の書籍がおすすめです。
大学受験に真の理解は必要か
これには様々な意見があるかと思いますが、私個人の意見としては
必要はない。
正し、余裕があるならやっておいて後悔することはない。
となります。
例えば、東大や京大の合格者の中には、
大学で学ぶような知識を先取りして学んでいる人が少なくありません。
知らなくても解けるにも関わらず、です。
特に東大や京大のような大学では、
大学レベルの内容を基に作成したと思われるような出題が多数あります。
元ネタを知っていたら、問題はスラスラ解けるし、結果として合格率が上がるというのも当然な話で。
脱線しますが、化学の新演習が必要か否かという議論も、多分これと同様の議論に帰着するのではないかと思います。
好奇心に従うのがベスト
ただ大学受験のため、とする勉強をしている受験生がほとんどだと思いますが、
仮に学ぶ内容に面白みを見出せたなら、その学問に興味を持てたのなら幸せなことでしょう。
数学や物理は好きになりやすい科目かと思います。
仮に興味を持てたのなら、別に高校の指導要領に従って自分を縛る必要は無いのではないかなと。
もちろん受験までに余裕がない場合は別ですが、YouTubeを見ている時間を趣味的に数学や物理を勉強する時間に変えることができたと考えたらいかがでしょうか。
以下、数学物理に関して高校生までの知識で読めるような啓蒙書をあげておきます。
全て、自分が高校生の時に出逢っておきたかったと強く思うような書籍です。
【数学ガール シリーズ】
一番おすすめです。
高校数学を拡張して考察していたら、大学レベルの数学になっていた、というような書籍です。
実際の入試で使えるような考え方も多く載っており、幅広い人にお勧めできる一冊です。
全統記述模試で偏差値60を超えていればすんなり読めるでしょう。
【時間の終わりまで】
この書籍は古典力学から現代の物理学までの発展、
これからの発展可能性について述べた本です。
万人向けに書かれた本とはいえど、多少の物理の知識がないと通読するのは難しいかもしれません。
序盤だけでも、読む価値のある一冊です。