大学初年度数学のモチベーション
大学の理系学部に入学すると、ほぼ必ず学ぶこととなる微分積分学と線形代数学。
高校までと違い、受験という明確なモチベーションが無く、かつ遊べる時間が多い大学生活の中で、役に立つかよくわからない勉強に時間を捧げることができるほど人間は愚かではありません。
現に、私自身1回生の頃は線形代数学・微分積分学ともに、三日漬けで本質的には何も理解せぬまま計算だけ練習し単位を取ってしまいました。
そんな私が、上回生になって痛感したのは
「もう少し早くから数学を固めておけば、今頃楽だったなぁ…」
ということ。
データ解析ひとつとっても多変量解析には線形代数の知識が必要になりますし、物理学であれば微分積分(特にベクトル解析)は全ての分野で必要になります。
私の場合は学びたい学問(物理)に必要だったから後から必要な分だけ学ぶことにしたわけですが、これは純粋数学にあまり興味を持てなかった私にとって非常に効率の良い方法であったと感じます。
さて、ここでは数学のモチベーション維持と物理学を学ぶことの関係を簡単に述べた後、具体的にどのような書籍から手をつけると良いかについて書き連ねていきます。
思いつきそのまま書いているため、ややまとまりがなくなってしまいましたが、情報価値はそこそこあるかと。
数学のモチベーションを保ちたいなら物理をやれ
いきなり何を言い出すのかと言われそうですが、私が辿り着いた最適解がこれです。
数学に興味が持てない人でも、物理学になら興味を持てるという場合にはこのモチベーションを利用しない手はありません。
逆に、そういった感性を持っているのであれば、少なくとも応用数学を学ぶセンスを持っていると思って良いでしょう。
さて、具体的になぜこのような考えに至るのかについて話していきます。
物理と数学は二人三脚で発展してきた
歴史を遡ると、ニュートンのプリンキピアを境に物理学と数学は二人三脚で発展してきました。
ある物理学の問題を解くために新しい数学的手法が考え出され、逆に数学の理論が物理学に応用されて新たな発見を導くことも多々あります。
この歴史を辿ることで、問題解決の手法の一環、RPGで言えば武器を集める感覚で数学も学ぶことができるのです。
(ボスがおらずただ強い武器を探すだけのゲームなんてやりたくない)
例えば、高校でも学ぶ力学ではより簡潔で洗練された記述法を探す過程で微分積分学の手法が編み出されました。
(この歴史についてしっかりと学びたい方は以下の書籍だけ読めば間違いありません。高校~大学力学レベルの知識があれば読み進められます。)
同様に線形代数は量子論の行列力学を学ぶ際に必須ですし、それ以外にも相対論の状態ベクトル等、極めて幅広く応用されています。
現在流行りのデータサイエンスでも必須の知識です。
具体的な物理の問題を解く過程で身に付く数学力
さらに、物理の問題演習をする中で数学的な思考力や問題解決能力が自然に養われます。
問題が解けるという実感が生まれることで、物理学、延いては数学を学ぶモチベーションが高まります。
さて、以上を踏まえてこれらの数学を学ぶのに適した、高校数学や物理の知識だけでスムーズに接続できる書籍だけを紹介していきます。
数学の単位を取ることだけが目標の人は「3.マセマ」だけやっておけば事足りるでしょう。
大学数学・物理のとっかかりにおすすめの書籍
1.まずはここから:『物理入門コース 力学』
物理学の1冊目にはこれが最適でしょう。
前書きにある物理学マップが非常によく書かれており、現代物理学までの全体像を大まかに把握し、どのような順番で学んでいけば良いのかを捉えることができます。
必要となるベクトル解析の知識、微分積分学の知識も必要に応じて必要なだけの説明があり、この上なく読み進めやすい書籍です。
大学の物理、数学で何から手をつければ良いか迷ったら、とりあえずこれを進めてみましょう。
2.これからのニュースタンダード:『物理学レクチャーコース電磁気』
多くの大学生に最初に立ちはだかる壁「電磁気学」。
非常に新しい書籍ですが、ベクトル解析だけで前半の章が割かれており、これが本当にわかりやすい。電磁気を進めるにあたって真っ先に出会っておきたかった書籍。
3.テストだけ乗り切りたい!: 『線形代数 キャンパスゼミ』
言わずと知れた名著。定期テスト前、これにどれほど助けられたか…。
簡単なテスト(単位を取るだけ等)であればこれだけで突破できます。
学校指定の専門書を読んでいてしんどいと感じたら、これを先に読んでみると良いでしょう。
微分積分の方も非常にわかりやすくおすすめです。
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