参考書レビューを見漁ってしまう人へ
今の時代、YouTube等で容易に高品質な受験情報を得られるようになっています。
科目別の参考書ルートや、勉強法など少し調べれば多くの動画が出てくることもあり、受験生の方は目にする機会も増えていることでしょう。
私自身も受験業界に携わる者の一人として視聴することがあり、
「自分の受験生時代にこれがあったらなぁ…もっと楽だったろうなぁ…」
などと、思ってしまったわけです。
しかし、本当にそうであろうかと。
少し考え直してみるとこの状況で自分が受験生だったとして、そう上手くは情報を活用できなかったのではないかという気がしてきました。
ということで、今回は「受験情報とその罠」に焦点を当てていきます。
情報探索に満足してしまう
冒頭から少し話がそれますが、私は友人に健康ヲタクと呼ばれるほどの健康に気を使う人間で、ジム通いをしたり、YouTubeにある筋トレ動画を毎日行ったりしているんですよね。
いつも通り、YouTubeの腕立ての動画を終えたあと、コメント欄を見ていたら「筋トレ動画を見漁っているが、自分がやっているわけではない」
という方が少なからずいらっしゃるようで。
「時間の無駄」とまでは言いませんが、正直この行動に意味があるかと言われると、他の楽しいことをしていた方がいいような気がしてきます。
(めちゃめちゃ余計なお世話ですが)
なぜこういったことが起こるのか私なりに考えてみました。
これはおそらく以下のような思考回路ができているのが原因ではないかと思うんですよね。
・健康やダイエット目的で筋トレをするべきなのはわかっているが実際に行うのは気が進まない。
・とりあえずYouTubeで調べる。
・本質的には何もしていないのに、それに時間をかけたことに満足してしまう。
動画を見るのはわりかし脳を使うものです。この疲労感等、情報探索自体に満足してしまうことも少なくないのではないかと。
話を戻しましょう。
お察しの通り、これは勉強法の動画についても言えることなのではないかと思うんですよね。
なんとなく勉強法や参考書について解説している動画を見ると、少し賢くなったような気がしてくるものです。私はしてきます。
おそらく、当時の私はそれで満足して勉強自体はほとんどしなかったのではないかと思うんですよね。
以上の問題提起をまとめると、
高品質な情報は得られるようになったが、情報を仕入れることに満足して、肝心の勉強をする時間が減ってしまう
という感じになります。
ここからはこの問題をどのようにして解消していくべきなのかについて考えていきます。
前提: 万人に通用する勉強法など存在しない
前提として万人に通用する勉強法など存在しないと思っていいでしょう。
自分に合っている参考書が何でどの勉強法を実行すれば成績が上がるのかを、ピンポイントで教えてくれる動画は存在しません。
動画が教えてくれるのはあくまで間違いのない参考書・勉強法の羅列です。
そこから自分に必要な情報を取捨選択することが必要になってきます。
初学時点でわかりやすい参考書、受験レベルに押し上げるのに有効な参考書等、段階別に使いやすい参考書を区分けすることはでき、それを参照するのにこういった動画は有用なのです。
とにかく早く着手する
まだ勉強を始めていない段階なら、とにかく今すぐにでも行動に移すべきだと思います。
というのも勉強を始めていない段階では情報を取捨選択する素養すら身についていないからです。
最初は初学者向けの参考書を調べるだけにとどめ、書店でそれらを手に取って一番しっくりきたものを選ぶのが良いでしょう。おすすめされていたものならなんでも構いません。
実際に勉強する前に得る情報は「友人から聞く旅行話」となんら変わりません。自分で行って初めて生きた知識・経験となり、自分の趣味・嗜好がその中で見えてくるのだと思います。自分の足を動かして初めて得るものがあるのです。
まとめ
今回伝えたかったのはめちゃめちゃ勉強しながら、目的や必要に応じて落ちている情報を拾いにいくのが大事ということです。
目的なしに情報を集めているだけの時間はただYouTubeを見ているのと同じことでしょう。
ただ一方で、特に初学の段階では壊滅的にやる気は出ないものです。それを乗り越えるには、合格したい大学があったりとか何か明確なモチベーションが必要かと。
明確な目標を作り、それを達成するために努力するという構図を自分で作ったら、情報を集めることはあくまで手段とし、勉強することに主軸を置いて進めていくのが大事になってくるのではないかと思います。