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墓じまいの相談で寺を訪ねてからの50代三姉妹でジェットコースターの振り幅…その1

実家は一応本家で、東京浅草の寺に墓がある。
父母が亡くなったため、独身子無しの妹がひとりで実家も墓も守っている。

墓じまい、せねば。

実家の妹は、自分が死んだら墓には入らず樹木葬にすると決めている。
叔父のところに従兄弟は1人いるが、やはり独身子無しな上、妹と同い年。
墓を維持する余裕はないと言う。

私と下の妹のところに子どもはいるが、私たちでさえ頭を悩ませる問題を後送りにして、彼らに背負わせるわけにはいかない。

墓の維持には毎年寺に納める護持費(護寺費か?)に加え、該当年に故人の法事を営むことが含まれる。万単位のお布施と御斎は非正規雇用の50代にはまあまあな負担となる。

実家の墓じまいは、私たち三姉妹の大きな命題なんである。

過去帳をみると、曽祖父母、祖父母、父母の他、戦時中に亡くなったと思われる父の弟妹も入っているようで、墓石の下には8柱(骨壷は柱と数えるそうな)納まっていると考えられた。

ちょっと調べたところ、ひと口に墓じまいと言っても、そのステップは煩雑な上、料金もかなり覚悟しなければはらなそうだ。

今の墓所内での合祀ができない場合、
①新しい供養先を決める
②受入証明書を発行してもらう
③同時進行で墓のある地域の役所から改葬許可申請証をもらい、寺に署名、押印をもらう(遺骨の数だけ書類が必要!)
④書類を揃えて役所に提出
⑤役所から改葬許可証を発行してもらう
⑥寺へ改葬許可証を提出
⑦閉眼供養を行う
⑧墓石の解体、撤去
⑨新しい供養先への骨壺の運搬
⑩永代供養
というステップを踏むことになる。

新しい供養先の選択肢も、樹木葬、納骨堂、散骨等々様々で、年配の叔父叔母がお参りに行く可能性を考えたら、立地も考えねばならない。

かかる費用もそれぞれだが、墓じまいに200万円、改葬に150万円は覚悟しなければならないらしい。納める遺骨の数にもよるので、8柱となるとこれでおさまるかどうか。しかも、過去の例を見ると、墓を開けてみたら想定外の骨壷があったなんてこともあるらしい。

加えて、汚れていれば(戦時中から納めっぱなしなのだから、きれいなわけがない)遺骨のクリーニング、粉骨が必要ならその費用、寺からの改葬となれば離壇料も必要となる。

離壇で寺と揉めることも多いらしく、間に入る業者もいるという。もちろん、手数料がかかる。

墓じまいに大枚払うくらいなら、毎年の護持費を払いつつ、いつのまにか連絡がつかなくなるフェードアウトを狙うツワモノもいるらしいが、それって無縁墓になってしまうということだ。

私たちが生まれるよりうんと昔、会ったことはないが、実の曽祖父母がここが良しと決めた寺であり、墓所である。
できるならこのまま同じ場所で、きちんと安らかに眠らせてあげたい。

ただ、この寺がなかなかなクセモノで。

読経中に故人の名前を間違えること複数回、同じく読経中に読み上げる卒塔婆を納めた人の名前は間違える、卒塔婆代として納めた金額の半分の卒塔婆しか立てなかったこともある。
卒塔婆代は言って半額返してもらったが、その後の父の葬儀の際に、仮に供える白木の位牌の戒名を間違えていた時に心底驚いた。
檀家制度でなければ、「リピは無し!」「星ひとつ!」となっているところだ。

現実問題として、寺での墓じまいがどんなものなのか、そもそもこの寺の狭い墓所内でできるのかできないのか。できないのなら、他への紹介なり斡旋なりがあるのか。はっきりしないことには先に進めない。

墓じまいについては、住職のご母堂に妹が、折りに触れ小出しに打診してきたが、のらりくらりと要領を得ない。この際本気を見せようと、意を決して姉妹三人で話を聞きに行くことにした。

三人よれば文殊の知恵。
矢も三本なら折れまいて。

。。。と、なんだか長くなりそうなので、二つに分けます。

その2に続く。。。


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