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すごいのは、夫婦を夫婦たらしめる、年月のチカラ。なのかも。
いもむしごろごろ
にちようび
『おもいは鳥のようにはばたく』 神岡学著 ダイヤモンド社刊
結婚してしばらくは、私が会社勤めをし、夫君は家で創作という
暮らしをしていた。
はじめのうちは朝食を一緒にとったりもしていたのだが、
そのうち朝は(私が出かけるのが早いので)起きてこなくなり、
まあ、そんなものだろうと1人で適当に食べて出かけるようになった。
彼の仕事ぶりは、当時まだ子供もなく、のんびりとしたもので、
仕事から帰って
「きょうは何をしていたの?」と聞いたら
「虫眼鏡で新聞紙を焼いてみたんだ♪」
という返事が返ってきたこともあった。
(今考えると噴飯ものであるが、その当時は別に何とも思わなかったの
だから、人間とは変わるものである。)
当然、たまにくるセールスに対応するとか、買い物に出たときに
レジの人とやり取りをするくらいで、日中は静かなものだったのだろう。
私が帰宅すると、それはそれはおしゃべりになった。
そもそもよく話す人であったので、輪をかけてということだ。
それはいいのだ。新婚でもあったし、私も楽しかったし。
困るのは休日の日曜日なのだ。
平日は起きてこないくせに、日曜日は朝も早くからばたばたと動き始め、
「いい天気だよ~」とカーテンを開ける。窓を開ける。
しかも、うれしそうに。
お休みの日は寝ていたいんですけど。。。のひとことが言えない
小心者の新妻は不機嫌に起きだすしかないのであった。
20年を経て、休日に彼が起きる気配がしても知らん顔できるくらいの図太さが身に付いた。
彼にも、お休みの日に普通のテンションでいられるだけの落ち着きが身に付いたようだ。
年月の力はすごい。
そして、
求めて求められ、応え、あきらめ、互いになじんでいく、夫婦と言うカタチもすごい。
2011-11-11 16:17:22 up