サラリーパーソンのためのホントの本当の思考入門①

 さて、本日から不定期で"思考"について書いていきます。本投稿のウリは
既存の「思考をテーマにした書籍」が示してこなかった思考の全体像や成長プロセスを明らかにし、読者に思考の見取り図と学習の再現性を提供することです。

 なお、ここでいう思考とは純然たる"考えること"を意味します。いわゆるスキル(マーケティング、会計、IT…)も大事ですが、それらは所詮アプリケーション。OSたる思考のスペックが低いとアプリケーションが持つ本来の能力も引き出すことはできません。仕事でパフォーマンスを上げるために思考は必要不可欠なものです。ちなみにサラリーパーソンが思考を極めるべき最大の理由は、お金が稼げるからではありません。お金を稼ぐか、それとも時間に換えるかを選べる、つまり会社勤めのサラリーパーソンなのに選択肢を持つことができるからです。

 少し脱線してしまったので、本題に戻ります。なぜ思考に関する投稿を始めるかというと、現在市場に出回っている思考本のほとんどは、思考を学ぶ人には全く適さないか、控えめに言ってきわめて効率が悪い内容になっているからです。

 その最たる例は、市場に出ている"〇〇思考"、"〇〇シンキング"といった思考本が思考のある一面や部分しか扱っていないことです。詳細な説明は追って記していきますが、思考とはロジック(縦)に始まり、アナロジー(横)に広がり、意識変容(面積)に至る一連の成長プロセスと考えています。しかし、既存の思考本は概ね、ロジックかアナロジーの中から一つしか取り上げていないし、意識変容はほぼ扱っていません。ある程度の思考水準に至った人なら、現実の思考とはそうしたバラバラなものではないことを知っているし、入門者にとっては思考の全体像や成長プロセスが把握できず、再現性と実感をもった学習が困難になっているのです。

 一方で、成人発達理論や認知心理学の専門書籍は大変参考になると考えています。しかし、"一般"理論であるためそのままではビジネスの現場に適用しにくい部分も多いです。それらを読み替えたり、解釈するために一定の思考レベルが必要となるし、そもそもそういった書籍に興味がある人は、これまた一定の思考レベルに達した人で、これから思考を学んでいこうという人はほとんど含まれていないのが実態だと思います。

 そのような思いから、本投稿ではこれまでの思考本では示されてこなかった思考の全体像や成長プロセスを、自らの実体験やノウハウを踏まえた「思考の糸理論」を通して説明していきます。「思考の糸理論」の詳細な説明は後日に譲りますが、おおむね以下のような考えです。

すなわち、思考は「縦の糸(ロジック)」を引くことから始まり、縦の糸を何本も引く経験を積むことで縦の糸に”幅”が生まれる。それが幅方向に向いた糸である「横の糸(アナロジー)」に気づくきっかけになる。そして、今度は横の糸を引き続けていくと、縦横に引かれた糸が織物のように「"面積"を持つ」ようになる。ここに至ることで寄って立つメンタル、ミッションが確立する。この変容プロセスを通じて個人の思考は独自なものへと成長してゆくと捉えるのが「思考の糸理論」です。
 
 私は日々の業務の中で、日本の会社および社会の成長のボトルネックは経営層(リーダー層)だけでなく、戦略や戦術の策定を担うミドルの思考力にあると考えています。経営層に比べてまだ時間と成長余力が残っているミドルや将来のミドルに対し、思考の見取り図を示すことで日本の成長に関して小さな革命の火を灯したい。思考を真の意味で理解して使いこなせる人が1つの部署にたった2人いれば日本の会社は、そして社会は変わっていく。1人だけでは組織は変えられない。無視できるからです。しかし、2人なら…。

 ところが、現在の日本は、大学や会社に入っても思考を学んだり実践する必要性すらないケースが多い。組織のかじ取りを担う経営層やミドルになって初めて思考に直面し、四苦八苦しているのが実態だと思います。そんな中、偶然にも思考が何たるかを体現できる上司、同僚、友人、または書籍に出会えた人のみが思考の恩恵に預かっているのです。

 そうした意味では、野心的にも本投稿は思考に関する知識を民主化することも企図しています。思考の全体像を理解した各人が、数多の書籍や実務などの機会の中から今、そしてこの先必要なものを自分で選び、着実に成長して行ける環境を日本に実現することが本投稿の究極のゴールです。



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