スターリン(横手慎二著、中公新書)
少年革命家とか言う小僧がいるらしい。
私にとって、革命家とは、レーニンとかスターリンのイメージが強い。
あるいは徹底した官僚性、秘密主義、鉄のカーテン、粛清による恐怖政治。
「失敗国家」ソ連。その指導者が本書「スターリン」だ。
私は、ソ連の実態について、殆ど学んでこなかった。
現代史を俯瞰すると、世界の指導者がスターリンやソ連の存在をキワモノ扱いし、共産主義の害毒を排除してきた歴史が見える。
1991年、ソビエトは崩壊した。その時点で、少なくとも学校の「社会」からは抹殺された。そんなわけで、繰り返しになるが、殆ど学んでこなかった。
歴史の教科書を見るとスターリンは、ヤルタ会談でにこやかに会談しているように見える。
第二次世界大戦では勝者とされている。
それもまたよく分からないポイントだ。
第二次世界大戦後、米国と核開発競争に明け暮れた。
スターリンはその中でも、人権無視で、気に食わない人々を粛正し、独ソ戦という人類史上最悪の戦争を招いた指導者だ。
後になり、ゴルバチョフは、ダイナマイトで破壊するが如くソビエト連邦を崩壊させた。
かつて、革命家レーニンは、「国家と革命」を書き上げたという。
革命家は、政権をとるや、独裁者となる。
共産主義には、殺戮、粛正、餓死、強制労働、シベリアの収容所送りなど暗いイメージが付き纏う。
ソ連では3000万人の人々が犠牲となった。
そしてあっけなく、潰えた。
革命、それは大変なのだ。