エネルギー時事解題: "シェブロン、1兆円で米シェール会社を買収へ"

本日付で以下の記事がリリースされている。

シェブロン、1兆円で米シェール会社を買収へ

非常に額の大きなニュースである。

シェールの開発を進めるのは比較的小さな独立系の会社というイメージが強かった他、メジャーの資金力があれば、オフショアの巨大権益を狙うのが通常であった。あるいはこの動きはロシア-ウクライナ情勢によってエネルギー安全保障上の資源ビジネスの動きを見据えての買収かもしれない。

シェブロンのようなメジャーがシェールにポートフォリオを広げようとしている今回の動きは興味深い。メジャーの米国内回帰の流れは米国経済、あるいは、エネルギー情勢を見る上において、福音となる。

パーミアン盆地と言うのは大変有名な場所であり、近隣にはバーネットやイーグルフォードなどの有名なシェール油ガス田が存在している。

トランプ政権下で進められた米国の産油国への復帰が、現下の国際情勢下において、有力なエネルギー安全保障上の外交カードとなっている現実、あるいは、一時は、米国民主党、すなわちバイデン政権となり、シェール潰しが行われる噂が存在したが、今回のシェブロンの動きを見ても、ほぼ杞憂に終わったとみてよい。むしろ、ロシア情勢が予断を許さない現在、米国での地政学上のシェールの重要性は高まり続けている。

あるいは民主党の主要政策の一つである気候変動問題への関心や機運が米国国内、あるいは世界的にもさして高まらない現実も無視できない。2024年の大統領選挙に向けて、バイデン政権が徐々にレームダックしていくシナリオを暗示しているとも言えるかもしれない。

以上。

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