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2025年に米国でパブリックドメインになった作品

(※冒頭の画像はDALL-Eで生成しております。)

2024年、最初の投稿でディズニー社の「蒸気船ウィリー」が米国で著作権期間が満了したことをご紹介いたしましたが、2024年12月31日に米国で著作権が満了した作品をいくつか紹介します。(なお、米国の著作権も、原則として毎年12月31日に満了する旨定められています( 17 U.S.C. § 305))。

最初に、アメリカの著作権の存続期間の計算は少し複雑ですが、現在の一般的なルールでは、1978年1月1日以降に創作された著作物は、著作者の存続期間及び著作者の死後70年間であり(17 U.S.C. § 302 (a))、無名著作物、変名著作物、職務著作物(works made for hire)については最初の発行年から95年又は創作年から120年のうち先に満了する期間とされています。ただ、昔の著作物については、旧法が適用されるもの、表示の有無などで計算が異なります。

2025年に米国で著作権が満了した著作物(パブリックドメイン)となった著名作品としては、ウィリアム・フォークナーの「The Sound and the Fury」(響と怒り)、アーネスト・ヘミングウェイの「A Farewell to Arms」(武器よさらば)があります。同書の初版発行年は1929年であり、著作権存続期間は95年でした(17 U.S.C. § 304 (a))。

また、ミッキーの関連では、昨年の「蒸気船ウィリー」に続き、ミッキーマウスが初めて喋った「The Karnival Kid」(カーニバル。キッド)や「The Opry House」も、1929年にリリースされ、95年が経過したことから、今年米国でパブリックドメインとなりました。

キャラクターのポパイは、1929年「Thimble Theater」の中で脇役として登場しました。最初のコミックは1929年に発行されており、1929年に描かれたポパイについては、2025年にパブリックドメインとなりました。(すべてのポパイがパブリックドメインになったものではなく、またオリーブなどの登場はもう少しあとですので、ご注意ください)

さらに、死亡後70年のルールが適用されて米国でパブリックドメインとなるものとしては、1954年に亡くなられたアンリ・マティス(Henri Matisse)、フリーダ・カーロ(Frida Kahlo)の他、写真家のロバート・キャパ(Robert Capa)などの作品があります。

念のためですが、上記は米国の著作権に関するものです。著作権満了期間は、各国で個別に判断されます。著作権存続期間については、日本の場合は、特に戦時加算などにより10年程度の延長がなされており、日本で満了していない可能性もありますので、ご注意ください。


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