見出し画像

アサヒスーパードライのManchester Cityの練習着のロゴ(しなさい)

「極度乾燥(しなさい)」という、日本人であれば最初見た時「?」となったであろう服飾ブランドSuperdryが、Manchester Cityの練習着に描かれているAsahi Super "Dry"をイギリスで訴えたというニュースがありました。(今ではアパレルのSuperdryも有名ですが)

日本ビールメーカーのAsahiは、2023年/2024年シーズンに関し、「オフィシャルキットパートナー」として、Manchester Cityの全ての男子・女子の練習着の前面にブランドを表示する契約を締結しておりました(Manchester CityのHP2023年6月4日付記事)。

下記でもご確認いただけるとおり、練習着の前面に、super/ "Dry"/ Asahi/ 0.0%と、それぞれ一列に記載されています(スーパードライのノンアルコールビールの宣伝のようです)。 Superの文字は小さく、Dryには引用符がつけられ、Asahiのロゴが一番大きく描かれているものとなります。

なお、Manchester CityのX(旧Twitter)を確認すると、2024年1月3日以降にアップロードされている練習着からは、Super Dryの文字が消え、”Asahi 0.0%”に変更されているようです。

おそらく以前からアパレルメーカーSuperdry側の警告等があり、その対応をManchester City側が行っていたのだと思われます。

さて、本件は、服飾メーカーSuperdryが、Manchester Cityを訴えた、と報道されています。訴状を見ているわけではありませんが、Asahiを直接訴えたようではないようです。訴状を確認したThe Athleticの記事によれば、Manchester City側が、Superdryの登録商標にただ乗りして不当に利益を得ていること、Manchester City側が販売する質の低い衣料品により自社ブランドが「汚される(Tarnished)」可能性があることや、ライバルのサッカークラブのサポーターなど、Manchester Cityにネガティブな印象を持つ人たちに対して自社ブランドに悪影響を及ぼす可能性がある、また、角度等によってはAsahiのロゴが見えないケースもある、などといったことが記載され、Super Dryを使用中止等を求めているようです。

英国商標法の詳細について多く語ることはできませんが、主な争点は、Confusionを生じるかどうかが問題になるのではないかと思われます(英国商標法における侵害について、簡易には、英国政府のサイトで知ることができます)。Manchester City側も、将来、Asahiと大きく書いてある点や、SuperとDryは別の行に記載されていること、Dryに引用符がついていることなどはConfusionを生じないなどの主張を行うと思われますが、すでに練習着を変更していることから、Superdry側が今後損害賠償のために訴訟を維持するかどうかなどが問題となってくると思われます。

いいなと思ったら応援しよう!