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ゲーム業界

◯業界規模

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2020年度の世界のゲーム市場規模は20兆6417億円です。
日本国内のみの場合は、2兆円ほどです。

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また、地域別に見るとやはりアジアの市場が大きくなっています。

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国内ゲーム人口は5,273万人で、現在も増加傾向にあります。


出典:
https://www.google.co.jp/amp/s/www.famitsu.com/news/amp/202107/15227212.php


◯ビジネスモデル

ゲーム業界のビジネスモデルを簡単に、ざっくりと(重要)2つに分けてみました。

①ハード販売(任天堂、Sony等)
SwitchやPS5といったゲームを遊ぶためのハードを売ります。
コロナ禍では、巣ごもり需要でゲーム機の販売が抽選制になるなど需要は高く、これからもハードは開発され続けていくと思われます。


②ゲームソフトやゲーム内アイテムの売上

多くのゲーム会社はこちらに属します。
ゲーム開発を担うのは基本的にデベロッパーですが、彼らは「ゲーム制作のプロ」ではあっても、「販売・広報のプロ」ではありません。そこで、パブリッシャーと契約して、代わりに販売などを担当してもらいます。
契約の際に「ゲームソフト売上のうちパブリッシャーの取り分○○%、デベロッパーの取り分○○%」といった取り決めがされます。スマホゲームの場合には、売上がインゲームアイテムの販売やガチャ課金等になります。
(パブリッシャー側が企画を立て、デベロッパーに開発を委託するという流れもありますが、その際にも売上の取り分を決めるという流れは変わりません。また、パブリッシャーやデベロッパーが自分たちだけで企画開発まで行うという例も存在します。)

パブリッシャーとデベロッパーの違いなどについては後述します。


◯将来性

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日本国内のゲーム市場規模の推移をみていくと、10年連続で成長しています。
特にオンラインプラットフォーム(アプリゲームなど)の成長が著しく、今後も成長していく分野だといえます。

また、コロナによる巣ごもり需要もあり2020年度は家庭用ハード ・ソフトともに規模が拡大しました。
他のエンタメが自粛すればするほど売上が向上していくため、外的要因による売上の減少がほとんどない「安定かつ成長中の業界」といえます。

しかし、家庭用ゲームに関しては伸び悩んでおり、コロナによる特需を考慮しない場合、今後オンラインプラットフォームとのより明確な差別化が必要となってくると考えています。また、ゲームセンターで稼働しているゲームに関してはコロナの影響もあり減収が見られたため、「ゲーム業界全体では増収傾向にあるが、部門によっては難しいところもある」のも事実です。

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国内のクラウドゲーム市場規模予測によると、2023年には100億円を突破するとみられており、今後急成長を期待できます。



◯業界地図

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ゲーム業界は大きくこのように分けられます。

これを業務の括りでみていくと、大きくゲーム機器を作る会社 (ハード会社) 、ソフトを作る会社 (デベロッパー) 、ソフトを販売する会社 (パブリッシャー) の3つに分かれていきます。


以下の3つの画像がよくまとめられていましたので、これを見ていただけるとわかりやすいと思います。
ちょっと小さくて見にくいけど頑張ってみてください笑

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出典: https://www.ycg-advisory.jp/industry/it/game/


◆「パブリッシャー」と「デベロッパー」とは?
パブリッシャーとデベロッパー。
あまり聞きなれない言葉かもしれません。

ゲーム業界においてパブリッシャーは「ストア販売・広告出稿・ユーザー対応・ローカライズ・ストア管理」などを行い、デベロッパーは「ゲーム開発」を行います。
つまり、「販売元≠開発元」であることがほとんどです。
例えばみんな大好きスマッシュブラザーズ。2018年に発売されたスマッシュブラザーズSPECIALは、バンダイナムコスタジオが開発を全編受託しています。

なぜ、販売と開発を分けているのでしょうか?
それは、「デベロッパーにはゲーム開発のプロが集まってはいるが、彼らは販売のプロではない」からです。パブリッシャーと組むことで、「低負荷で世界展開・金銭的リスクが低い・資本による大きなビジネス・収益の最大化」といった恩恵が受けられます。

この違いを理解して、自分の目指すところは一体どっちになるのか考えておくのは重要です。

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参考:https://sqool.net/business/archive/20190627.html
https://twitter.com/hoshiko_level5/status/1242998239667732481?lang=gl


◯他のエンタメとの違い

・安定した業界
   →将来安泰といえる業界だと思います。もちろん、企業によりけりですが、ゲームというものは絶対になくならないエンタメなので安心して働けます。

・やれることの幅広さ
   →現実で形にするものだと限界があるような非現実的なこと(空を飛ぶとか)も、ゲームでなら可能になります。やりたいことを実現出来る仕事です。

・世界中の人を同時に笑顔にできる
   →場所を制限されるエンタメ(舞台や映画、テーマパークなど)では、そこに訪れた人しか笑顔にできませんが、ゲームであれば世界中のどこだって楽しむことができます。
オンラインゲームの定着により、どこにいても誰とでも一緒にプレイができるようになったことも、他とは違う強みだと言えます。

・日本が世界に誇る文化を牽引できる
   →オリンピックの開会式でゲーム音楽が流れたように、日本のゲームは世界に誇る文化です。このような文化を共に作って行けるのはゲーム業界ならではだと思います。


◯就活生が感じたリアルなメリット・デメリット

[メリット]
・ゲームをプレイしてる人や、発売を喜ぶ人をみて大きなやりがいを感じながら仕事が出来る。
・変化に富んだ業界なので、チャレンジすることを認められる環境がある
・大好きなゲームに携われる。
・大手は福利厚生もワークライフバランスも給与も良い。

[デメリット]
・とんでもなく倍率の高い狭き門。
・中小デベロッパーなどは給料が低いこともある。低賃金の企業が多い業界(エンタメ全般に言える)。
・工場服みたいな服が制服の企業もある。
・アプリゲームなどの開発をしている企業・部署は残業が多く、ワークライフバランスが死んでることもある。
・技術の進歩のスピードが速いので学び続けられる人でないときつい。


◯職種と働き方

・ゲーム業界は基本的に「職種別採用」を取り入れているところが多いです。一般的な新卒就活における「総合職/一般職」という区分はあまり見受けられません。一部の超大手パブリッシャーにのみ総合職採用があるのみで、基本的にデベロッパーは制作職ごとの採用になります。

以下で主な職種を紹介します。

①企画職(プランナー・ゲームデザイナー)
  名前からしてゲームの企画をする人と思われがちですが、実際の仕事はもっと幅広いです。企画書制作は勿論ですが、仕様設計・進捗管理などデザイナーやプログラマーの人がやらない仕事を全部やる職種です。書類選考時、ポートフォリオの提出を求められることは稀ですが、「ゲーム企画書」の提出が必須です。

 ②デザイナー職
  名前の通りデザイン系に携わる職種です。デザイナー職として一括で募集しているところもある一方で、2D・3D・モーション・UI/UX...など応募の時点でかなり細かく職種分けされている企業もあります。書類選考の時点でポートフォリオの提出が求められます。

 ③プログラマー職
  名前の通りプログラミングに関わる仕事です。プログラマーとして一括で採用するところもある一方で、ゲームプログラマ、サーバエンジニア、新規技術開発エンジニア、ツールエンジニア、TA(エンジニア)、QAエンジニアなどかなり細かく募集しているところもあります。書類選考の時点で、コーディングに関するテストを受けたり、ポートフォリオの提出が求められます。

 ④(事務系) 総合職
      パブリッシャーやハード会社には、ゲーム作りには直接関わらない「事務系職種(総合職)」が存在します。
いわゆる事務職のことではなく、ゲームを作ること以外の全ての業種が集まったものの総称です。
稀に、プランナー職が総合職の中に含まれている企業があります。

この中には、
・営業
自社IPを使った商品を開発したり、
ゲームソフト・ハードの販路を広げる部署
・広報 / PR
どう売るか戦略を立てる部署
・バックオフィス
人事や総務、経理、法務などの部署
・知的財産
版権に関する業務を担う部署
・海外とのやり取りを担う部署

などがあり、企業によって名称が異なります。
選考時に希望部署を聞かれますが、確約ではなく、また、基本的に総合職内でジョブローテーションがあるため、1つの業務のみずっと行うということは稀である可能性があります。

▼某社の新卒採用募集職種一覧。かなり細かい。デベロッパーなので総合職の採用はなし。

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▼某社の新卒採用募集一覧。パブリッシャーなので、ビジネス推進に関する募集がある。

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▼某社の新卒採用募集職種一覧。ハード会社なので、総合職(事務系)がある。

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◯キャリアステップ

①企画職
 ゆくゆくはプロジェクトマネージャーやディレクター、プロデューサーといったゲーム制作の進行を大きく取りまとめ舵をきるポジションにつくことを目指します。

②デザイナー職
 アートディレクターなど、アート方面全般のディレクションを担当するポジションを目指していきます。

③プログラマー職
 最初はアシスタントのようなポジションからスタートし、ゆくゆくはメインプログラマーのようなポジションを目指していきます。

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出典:https://www.kurihaku.jp/2023/special/gyokai/540/

④(事務系)総合職
 通常の企業と同じく部長などを目指すほかに、社内公募制度で他職種へ異動しキャリアを進めていくことができます。


◯この業界を見ている後輩へのメッセージ

[はなだ]
制作職を目指すなら、何かしらモノ作りにトライしてカタチにしてみてほしいです。ゲームを作ってみたい、と言うだけなら簡単です。しかし、実際に行動に移せるかどうかで、本当にゲームの作り手になりたいかという熱意が見られています。いきなりゲームを作れというのはハードルが高いという人は、まずは文章や絵など小さなところからモノ作りに挑戦してみてください!

就活は辛いことも多いですが、面接に自分が知ってるゲームを作った方がいらっしゃるととてもテンション上がりますよ!(その分緊張も150億倍ぐらいになるけど)

「絶対にゲーム業界に入る」という強い意思でがんばってください!
就活の息抜きも勿論ゲーム🎮で笑!



[お祈りホイホイ]
みなさんの最近ハマってるゲームはなんですか?
私は専らゼル伝のスカイウォードソードをやってます。
ゼル伝はイイゾ。

横道スタートですいません。
ゲーム業界はエントリー数が多く、ものすごい倍率になります (事前スキルがそこまで必要ない企画職や事務系総合職は特に)。
しかし、蓋を開けてみると興味があるだけのミーハー層が多く、本気で受かろうとしてる人って意外と少ないです。企画職志望なら企画書はどこまで詰めたか、何度人に見せたか、事務系総合職ならWebテスト対策は本気でやったか、ESで差別化できるものを書き上げてるか。ここに本気度が出ると思います。
また、パブリッシャー企業は、第1フローでぎょうさん人を落としていきます。まずここを突破するために行動していきましょう。
面接まで来たら、あとは企業との相性です。
自分をオープンにみせて「無理ならしゃーない、ゲーム業界の中に自分と合う企業が絶対あるだろうから諦めない」という気持ちで挑んで欲しいなと思います。

自分の関わったゲームを世界中の人が楽しそうにプレイしている姿を見れた時は、きっと格別に幸せな気持ちになれると思います。
そんな未来を想像し、モチベーションに変えながら、諦めずに頑張ってください!!



執筆者  :はなだ( @hanada_1019 )、お祈りホイホイ( @disney_geek1118 )


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