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玩具業界

◯業界規模

一般社団法人日本玩具協会の発表(2021年6月15日)によると、2020年度の国内玩具市場規模は8,268億円、前年度比101.5%でした。

また、この数字は過去20年間の調査において3番目に大きい数字であるとも記されています。
また、世界的な業界規模は9兆円を超えています。1位アメリカ、2位中国に続き、3位が日本です。

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出典:https://www.toys.or.jp/toukei_siryou_data.html



◯ビジネスモデル

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玩具が私たちの手に渡るまでには上記のような工程をたどりますが、グループ会社の場合、コスト削減や業務効率化のためにグループ内で全てを担っていることも多くあります。その場合、企画開発から生産、販売、アフターフォローを全て一貫して行うことで、お客様の声を商品へと反映しやすくなります。
より早くニーズにあった展開を行うことで、スピードが重要な玩具業界にとってメリットをもたらすことができます。


また、メーカーとしてはヒット商品を生み出すだけでなく、ロングテールの商品開発も求められるため、顧客に長く愛されるためにも必要不可欠なモデルだと言えます。

さらに、キャラクター玩具を扱う企業も多くあります。
キャラクター(IP)を使用したマーチャンダイジングを考えると、上記だけでなく、版権元やメディアとの連携によってそのもの自体の魅力の向上・収益の最大化をしていくことも重要な業務の一環です。版権元からキャラクター商品化の権利を取得し、メディアとの連動を図り双方にとってのメリットを生み出していくことが仕事の醍醐味でもあると考えられます。



◯将来性

玩具業界では少子化の問題がよく懸念されていますが、少子化の中でも国内市場規模は8000億円台で推移を続けており、比較的安定しています。今後も、大人向け市場の拡大に加え、パズル・カードゲーム・ミニカー・人形などの定番商品の需要は底堅いものがあることから、十分に成長も見込めると考えられます。

さらに、戦隊モノやキャラクター商品など流行に応じた商品を取り入れやすいところも強みであり、濃淡はありつつも今後も成長し続けていくのではないでしょうか。

しかしその反面、玩具業界にとって書き入れ時のクリスマス商戦に、家庭用ゲーム機やスマートフォンアプリへ需要が流れてしまっていることが懸念されています。


玩具業界としては、キャラクターを活用した商品展開を続け、いかに版権を活用しヒットを生み出していくかが、玩具業界の市場拡大の鍵を握ると考えられます。



◯業界地図

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出典: https://job.mynavi.jp/conts/2023/gyoukaimap/sports_gan_ga/P60-61-1.pdf


○国内大手

・タカラトミー
⇨定番商品:「リカちゃん」「トミカ」「プラレール」「人生ゲーム」
デジタル玩具も多く展開。

・バンダイナムコホールディングス
⇨定番商品:「機動戦士ガンダム」「仮面ライダー」「プリキュア」「アンパンマン」など多数の有力コンテンツを保有。玩具だけでなくゲーム・ライブなどマルチに展開。(バンダイ/BANDAISPIRITS、創通)

・ハピネット
⇨バンダイの玩具約9割を扱う。玩具卸最大手だが玩具メーカーとしての機能も有。他にも映像音楽事業・ゲーム事業・アミューズメント事業を手がける。

・サンリオ
⇨「ハローキティ」などキャラクター商品の企画・販売。


○国内中堅

・エポック社
⇨定番商品:「野球盤」「シルバニアファミリー」等。
・ピープル
⇨「ぽぽちゃん」はじめ乳幼児向け知育玩具を手がける。
・タミヤ
⇨定番商品:「RCモデル」「ミニ四駆」
・海洋堂
⇨フィギュア・鉄道模型・食玩等を手がける。
・壽屋
⇨他社コンテンツのフィギュア化・プラモデル化に強み。

○海外大手

・マテル
⇨「バービー」「UNO」「きかんしゃトーマス」などを展開。
・ハズブロ
⇨定番商品:「ナーフ」「モノポリー」など
・レゴグループ
⇨定番商品:「レゴブロック」
本社はデンマーク。世界140カ国以上で取り扱い。

参考:東洋経済新聞社「会社四季報 業界地図2021年度版」,2020年


◯他のエンタメとの違い

物心つく前から身の回りで触れてきたもの、そして誰もが一度は欲しいと思ったものを未来の世代に受け継ぎ、形にできるところだと思います。

そしてエンタメの中でも、コト・トキはもちろん、モノとして実態が残ることで継承することができるのも魅力の一つです。

また、自社だけで作るのではなく、版権元さんやメディアが開発したものの販売最大化を目指すことができるのも、このお仕事の醍醐味だと思います。


◯就活生が感じたリアルなメリット・デメリット

【メリット】
・服装が私服指定など選考段階から自由で個性を見るところが多い。
・某社はESだけでの判断だけでなく、全員に一度人事の方とお話しする時間を設けてくださるため、ESだけでは伝えきれない魅力を伝えられる。
・職種別やグループ会社合同でのセミナーを多数開催する場合も多く、オンラインが主流になっている現在でも、社風を知る機会が多くある。


【デメリット】
・玩具・キャラクターが「好き」だけでは選考通過が難しい。
・ESが比較的重ためであることに加え、ES通過が1番目の大きな壁である。(これはエンタメを受ける人の宿命でもありますが・・・。)
・服装自由の場合に服装を考える必要がある。(私は最初どのくらい崩していいのか悩みました)
・良くも悪くもトレンドに左右されてしまう


◯職種と働き方

【職種】
総合職(営業系)採用と企画職採用、また管理部門(総務・人事等)の採用枠があることが多いです。
また、グループ企業が多くある場合にはグループの管理を行う企業・企画を担う企業・技術系として工場勤務をする企業等と分かれている場合もあります。自分が目指したいと思う職種を考え、グループ一括採用なのか、企業ごとの採用なのかを募集要項にて把握しておくことが大切です。また、技術・企画系の場合には理系であることや特定のスキルが求められることもあるため、自分が目指すことのできる企業を見極めておく必要もあります。


【働き方】
ご想像つくと思いますがクリスマス・年末商戦は一大イベントです。そのため時期によって残業等はまちまちである可能性が高いです。良くも悪くもヒットを出せるか、トレンドに沿った展開ができるかが肝心であり、毎日淡々と・・・というよりは、先述したとおり良くも悪くも社会的風潮とトレンド次第といったところもあります。

◯キャリアステップ

一つの企業の中でも職種が様々であり、ご自身のプランに合わせてキャリアを積むことができると考えられます。業界内での転職も比較的多く、志している人も多い印象です。
ジョブローテーション制度を取り入れている企業も多く、多彩なキャリアを形成することが可能です。


◯この業界を見ている後輩へのメッセージ

[しずく]
まずは数あるエンタメの中でも玩具業界のページを開いてくださってありがとうございます。皆さんが玩具業界を目指すきっかけとなった想いは様々だと思います。そのきっかけを大切に、自分が何を成し遂げたいのか、どうして趣味の範疇を超えて、仕事でそれを行いたいのかを言語化してくことがとても重要になってきます。そして、「自分が玩具業界、志望企業にいなければならない理由」も合わせて考えてみてください。自分目線でも企業目線でも、両面でも考えることで、どれだけ志望度が高いのかもご自身で分かってくると思います。

エンタメはどの企業も倍率が高く、狭き門であることは確かです。それでも目指したいという気持ちを突き詰めて、全力でアピールしてください!私は皆さんを応援しています!


執筆者  : しずく@22卒 (@i_am__7310)

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