見出し画像

BANANA FISHは○○の話だった。

見るつもりも書くつもりもなかったのに、そうせざるをえない程、心を掻き乱されてしまった。引きずりすぎて苦しいしBANANA FISHが頭からずっと離れてくれない。それほど大きく影響を与えた。

きっかけはKing Gnuさんがエンディングを担当したBANANA FISHについて軽く言及されていて、その時は頭の片隅に溜めておく程度だったがNetfliexを開いた時にふと思い出し、軽い気持ちで見始めた。

最初はニューヨークのストリートギャングの話かーという目線で見ていた。80~90年代のアメリカの問題、闇の部分をすごくリアルに描かれているんだなという風にしか見ていなかったのに、24話終わった後は全く違った見解になっていた。

BANANA FISHを見終わってからずっと涙が止まらないし、思い出したり考察しているだけで涙が溢れてくる。すごくインパクトを与えられた作品に出会ってしまったのだ。

人生、生き方について改めて考えさせられたし、一人の人間として深みを与えてくれたようなそんな素晴らしい作品でした。

※以下ネタバレを含みます。

先に結論から話すと、

BANANA FISHは

”愛”の話だと思った。

やっぱり人生の生きる鍵は”愛”で、『人を変えるのは人』だという事。

人は良くも悪くも出会う人、環境により大きく影響されていく。

主人公のアッシュは残酷な過去、運命に縛られていたが、英二との出会いによって心が救済されていく。

英二の温かさ、誠実さ、優しさ、まっすぐさ。相手の為になる事ならちゃんと言うべきことは言えて、対等に友達として接してくれる。それがどれだけアッシュにとって幸せな事だっただろうか。
実際の台詞にも『オレは今幸福なんだ。この世に少なくともただ一人だけはなんの見返りもなくオレを気にかけてくれる人間がいるんだ。もうこれ以上はないくらいオレは幸福でたまらないんだ』

この言葉だけで今までのアッシュの壮絶な過去を物語っていて胸が苦しくなった。

アッシュと英二の関係についていろいろ言われているけれど、私はなんか一概にカテゴライズしてほしくないと思った。ただ、いろんな形の愛が存在していて魂レベルの繋がりが確かにそこにはあったんだなと解釈した。うまく言葉にできないけれど、深い繋がりでお互いが特別な存在なのは確かだという事はすごく伝わった。
お互いがお互いを必要とし、全力で守り、支え合う存在。そこには見返りもなく、どこまでも対等で、求めず、寄り添い、与えるー全てを越えて自分よりも大切だと思える存在に出会えた事が何よりも素晴らしいと思った。


私も人と関わる際にそのように接する事ができているだろうか、またそのような関係になれているだろうか、もう既に出会っているのだろうか、これから出会うのだろうか、様々な想いを巡らせた。


また、アニメを見終わった後漫画も少し読んだのだが、心の機微が素晴らしく、行動やセリフ、説明されない心理描写に想像を膨らませている自分と、まるで自分もその世界に入り混んでいるかのような没入感もあった。
人間味溢れる魅力的なキャラクターや、アッシュや英二がその時代に本当にそこに存在しているかのような目に浮かぶ情景がそこにはあった。


そして、きっかけを与えてくれたKing Gnuさんのエンディングが本当にエモーショナルだった。いつも最高のタイミングでエンディングの曲が流れる度に胸を掴まれた。



『溢れ出した涙のように

 一時の煌めく命ならば

 出会いと別れを

 繰り返す日々の中で

 一体全体何を信じればいい?』

画像1


画像2


最初の一文を聞いただけで涙がでてしまう。メロディと井口さんの声の美しさが相まってアッシュの孤独と儚さをより強く際立たせている。


そして忘れてはならないのが、英二がアッシュに向けて書いた手紙の内容である。


君は言ったね
俺たちは住む世界が違うとー でもホントにそうなのかな 
僕たちは肌の色も目の色も生まれた国も全て違う
でも僕たちは友達だ 
それで十分なんじゃないのかい?
君のほうが僕よりずっと頭もいいし身体も大きく力も強い
それなのに僕は「君を守らなければ」とずっと思っていた
僕は何から君を守りたかったんだろう?
僕は運命から君を守りたかった
君を連れ去り押し流す運命から

『孤独だった
それはもうたとえようもないくらい壮絶な孤独でした
その時思ったんです
何があっても彼を信じよう
たとえどんなことが起こっても僕はー
僕だけは....』

君はヒョウじゃない
運命は変えることができるんだ
君は一人じゃない
僕がそばにいる

画像3

ぼくの魂はいつも君とともにある


最後に

この作品を生み出してくれた作者の吉田秋生先生
アニメーション制作を実現してくれたMAPPAのチームの方々
出会うきっかけと素晴らしい音楽を作り上げてくれたKing Gnuの方々
そしてBANANA FISHIに関わって下さった全ての関係者の皆様
最大の敬意と感謝と愛を込めてお礼を言わせていただきたい。
人生観を変えるような素敵な作品を世に放って下さってありがとうございます。

これからもこの作品を通じて得た感情や気づかされた学びを大切に生きていこうと心に誓った。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?