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2025年に流行りそうな日本のインディーズアーティスト5選
音楽シーンは日々進化し、新たな才能が次々と登場しています。
2025年に注目されるであろう日本のインディーズアーティストを5組ピックアップしました。
既に注目を集め始めているものもありつつ彼らはメジャーデビュー前ながら、独自の音楽性と世界観でリスナーを魅了し始めています。ここでは、それぞれのプロフィールや代表曲を紹介していきます。
1.HOME
ジャンル: インディー・ロック / ドリームポップ
HOME(ホーム)は沖縄出身の3人組インディー・ロックバンドです。2023年8月に結成されたばかりですが、わずか結成4か月で韓国・台湾・シンガポールなどアジア各国のフェスに出演し、鮮烈なデビューを果たしました。
80年代ポストパンクから影響を受けたシンセを交えたインディーロックサウンドに、オルタナR&Bやドゥーワップ、ドリームポップの要素を融合させた独特のスタイルが特徴です。
結成直後の2023年12月には早くもデビューEP 「HOME EP」 をリリースし、収録曲「Plastic Romance」が好評を博しています。
その後も2024年にはフジロックやサマーソニックへの出演、2作目のEPリリースと精力的に活動を続けており、2025年にブレイクが期待される注目株です。
2. CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(チョコパ)
ジャンル: インディー・ロック / ドリームポップ
CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(チョコパ・コ・チョコ・クインクイン)は、グローバルな音楽要素を取り入れたエクスペリメンタルなエレクトロ・ポップユニットです。幼馴染のダイドー、ユウタ、ソウの3名が2020年のコロナ禍に再会し、遊び心から始めたプロジェクトが発展してバンドになりました。
「チョコパ・コ・チョコ・クインクイン」というユニークな名前はキューバの民俗音楽の基本リズムに由来しており、1970年代の細野晴臣のトロピカルなサイケデリック音楽の精神を受け継ぐ世界観をもっています。
実際、ベーシストのユウタは細野晴臣を祖父にもつ音楽一家であり、その影響でYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)直系のユーモアと多幸感あふれるサウンドを展開しています。
デビュー曲「花様年華」は東京の路上で環境音や打楽器を取り入れて制作され、2023年には自主制作アルバム『tradition』を発表、朝霧JAMへの出演などで徐々に注目を集めました
。多国籍な音楽要素を自在に操るその酸味の効いた”ポップサウンドは、聴く者を不思議な異世界へと誘っています。
3. Nagakumo(ナガクモ)
ジャンル: ネオアコ / ギターポップ
Nagakumo(ナガクモ)は大阪出身の4人組で、2021年1月に結成されたネオアコ/ギターポップバンドです。
いわゆる渋谷系やネオアコの流れを汲みつつ、メンバーは自らの音楽性を「ネオネオアコ」と称しています。Flipper’s Guitarやadvantage Lucyといった先達の系譜を現代にアップデートしたサウンドが特徴で、軽快なジャングル・ポップやジャズポップにパンク的スピード感を融合させています。
例えば初期EP『PLAN』のリード曲「TV Show」では、日本特有のジャングリーなギターポップを加速させ、ファンク調のリズムやスウィングも織り交ぜる実験的な試みがなされています。
一方で、ボーカルの小物紗矢と大西礼司の男女ツインボーカルが繊細に絡み合い、リズム隊も曲に応じて伸縮自在にアレンジを効かせることで、耳馴染みが良いのに新鮮という独特の聴後感を生み出しています。
2022年の2枚のEP『PLAN』『EXPO』はいずれもフィジカルが即完売するなどインディー界隈で話題を呼び、代表曲「日曜前夜」を含めどの楽曲もライブの熱量を閉じ込めたような生々しい質感が魅力です。
着実に支持を広げるNagakumoは、2025年にさらなる飛躍を遂げる可能性を秘めています。
4.PAS TASTA
ジャンル: エレクトロ・ポップ / J-POP
PAS TASTA(パスタスタ)は6人の音楽プロデューサーから成る異色のエレクトロ・ポップユニットです。
メンバーそれぞれが別名義で活動するトラックメイカー集団で、2023年に1stアルバム『GOOD POP』で本格始動しました。
ド派手でカオティックなサウンドを武器に「J-POPを拡張する(Expand J-pop)」というコンセプトを掲げており、同アルバム収録曲ではchelmico、LIL SOFT TENNIS、ピノキオピーなど今注目のアーティストとのコラボも実現しています。
その勢いのまま、PAS TASTAは2023年のフジロックやサマーソニックにも出演し、観客を巻き込むエネルギッシュなライブパフォーマンスで評判となりました。
シングル曲「My Mutant Ride」では柴田聡子をボーカルに迎え、TAKU INOUEと共作するなど意外性のある組み合わせで話題を呼んでいます。
高速ビートと多彩なサウンドエフェクトが飛び交う楽曲群はポップでありながら先鋭的で、SNS世代のカルチャーミックスを体現するような「ジャンル無差別級」ポップと言えるでしょう。
2025年も引き続き実験的な作品で国内外のリスナーを驚かせてくれそうです。
5.TORO
ジャンル: オルタナティブ・ロック
TORO(トロ)は2023年に本格始動した3ピースのオルタナティブ・ロックバンドです。【“ロックの復権”】を掲げてストレートなギターロックに情熱を注いでおり、そのサウンドは90年代のオルタナ/グランジへのオマージュに満ちています。
デビューアルバム『TORO』(2023)では、AshやNirvana、90年代初頭のUKオルタナティブロックを彷彿とさせる攻撃的な楽曲を英語と日本語の歌詞で表現し、堂々たる存在感を示しました。
Rage Against the MachineからFranz Ferdinandまで幅広いロックの影響を消化しつつパンク的なエネルギーを宿した多面的な音は、King GnuやVaundyといった新世代ミクスチャー系が台頭するシーンにおいてひときわ尖ったオルタナ枠を担っています。
2024年にはセカンドアルバム『幸です』をリリースし精力的に活動中。OasisやBlurを思わせるブリットポップ的な懐かしさと現代的な轟音ロックが融合したサウンドで注目を集めました。
レコーディングからマスタリングまでセルフプロデュースで行うDIY精神も持ち味で、ライブハウスシーンからじわじわと人気を拡大しています。2025年、TOROはクラシックなロック魂を新時代に蘇らせる存在として、一層注目されることでしょう。
まとめ
2025年にブレイクが期待される5組のインディーズアーティストを紹介しました。
メジャーかインディーかは現代では無意味ではあるもののこの5組のアーティストは、そんな音楽業界の境界線を軽やかに飛び越え、独自のスタイルでリスナーを虜にしています。
純粋に「自分たちの音」を追求している彼らの音楽がシーンを揺るがすのか、それとも静かに狂信的なファンを増やしていくのか、期待して見守っていきたいですね。