見出し画像

人生ブランコ10月14日「騙されたと思って」ニキビで悩む方へ

 長年、使ってるものは変遷がある。今、使っている歯ブラシとかペンとかって色々試した結果、そこにたどり着いたというストーリーがある。これは誰しも心当たりの一つや二つあるってもんだろう。

 私の中で特に愛用しているものがある。それが石鹸だ。正確に言うと、ふきんソープという代物である。かれこれ使い続けて35年は経つだろう。これは日本を離れたドイツに2年行った時さえ、大量のふきんソープを持って行った。とこの流れからすると、どんだけ台所のふきんへの異常な愛情を感じさせるがそうではない。用途は洗顔に始まり、シャンプー、ボディソープも兼用している。

 使い始めたきっかけは高校生の頃だ。脂性でニキビがひどかった。顔がいたるところにニキビができ、膿を出したりして顔がクレーターのごとき、でこぼこ状態である。青春の勲章というと、聞こえがいいが。治らない人はそのまま肌荒れみたいな感じの人もいるだろう。女の子にだってモテやしない。とかく若い頃のニキビは百害あって一利なしである。で、クレアラシルとか市販のニキビ薬から試していくのだが、これが全くもって治らない。本当にこれで治った人がいるのか?と少なくとも私は、クレアラシルで治った人を聞いたことがない。

 近所に住む母方のおばも、私のニキビを心配していろんなものを伝授してくれた。そのひとつがどくだみ茶である。当時はネットもないので本当にどくだみ茶がニキビに効くかどうか分からないが、おばの「きぐがら(効くからの方言)」と一点張りだ。「騙されだと思って飲んでみ」と言われ、飲んでみるが本当に騙されるのである。2週間ぐらみ飲み続けるが一向に治る気配はなく、ただ単にどくだみ茶の味が好きになるという結果以外、何もなかった。
 
 次に紹介されたのが馬油(ばーゆ)である。「これがいいがら」とまた謎の根拠しか、提示されず。白いドロドロとして液体(馬油)を寝る前にひたひたと塗るのである。寝にくいったらありゃしない。寝返りの一つ打ったらシーツがびしょびしょになってしまうのだ。これも頑張って2週間近くはやってはみたものの、全く治る気配がなかった。ネットのない時代はこういった謎の民間療法というのは数知れず存在したのだろうな。おばあちゃんの知恵というと、科学的には不確かながら言い伝わってきた実績をあるからこそ、おばあちゃんの知恵のはずだ。でも当時の私には「おばさんの知恵」は詐欺まがいのレベルで全く役に立たなかった。

 そんな中、今度いとこのあっこちゃんがある本を持ってきてくれた。KKベストセラーズだったかな。「この化粧品は買ってはいけない」という、いわゆる化学物質で良くないものが入ってる商品を暴露するような本である。そこで出会ったのはパックスとかいうメーカーの石鹸である。ポイント純石けん分という数字でこれが高い方がいいという内容であった。生憎、パックスの石鹸を購入することは出来なかったので同じ内容で紹介されていたのが「ふきんソープ」であった。表記を見ると確かに純石けん分98%と書いてある。もう、何度目の挑戦か分からないけど、また、騙されたと思って洗顔を始めたのである。するとどうだろうか、1週間もしない内にニキビが収まり、ツルツルお肌へと生まれ変わったのだ。まさかの脂性の自分がふきんソープの油汚れにぴったりだったのだ。もう、この時から私の中ではふきんソープは神となった。

  それ以降、私は洗顔はもとより、シャンプー、ボディソープもこれ一つである。これのおかげがどうか定かではないがそれまでサラサラヘアーで割と薄毛だったのがしっかり剛毛となり、父親のハゲを受け継いでいつか自分ハゲ散らかすのではないか?という中学生の頃の恐れは全く心配いらなくなった。
 こうして私のニキビとの戦いは終焉し、年の割にはお肌は未だにツルツルである。この経験は当然、歴代の彼女にも話しきたが残念ながらマネをしない。そもそも脂性じゃないから、そんな脂を取ると肌がカサカサになる、という別の問題が起こるである。なので私も全員にこれをおすすめするつもりもない。ただ、ニキビで脂性で困っている人がいるなら、騙されたと思って試してほしい。

いいなと思ったら応援しよう!

島津秀泰(放送作家・動画制作・インタビュー・文章作成)
宜しければサポートをお願いします。あなたの応援を、私のエンジンにさせてください。