見出し画像

生きるコツ12月24日「クリスマスの音楽番組を観て」

 夕飯前、ネットフリックスで「Yesterday」を見始めた。
 主人公以外の世の中の人からビートルズの記憶が無くなって、ビートルズの演奏をするとびっくりされるというストーリーだ。
 途中、パートナーのゆみちゃんが仕事を終えたので一緒に観れるものがいいだろうとテレビに切り替えた。

 日テレでは明石家さんまさんの番組、小池百合子を特別ゲストとして何だか崇めてるようだ。ふーん。石原慎太郎さんが知事時代にはよくテレビ出演するケースも目にした。その時はあまり気にしなかったが都知事をゴールデンタイムに出すってすごいなと今更ながらに思う。

 小池百合子を僕が支持してないから違和感を覚えるのか?これが大阪に行けば吉村知事が頻繁に出てるのだから「バラエティにおける選挙活動」への影響は甚大だなと思う。

 さて、それよりつい気になってチャンネルが止まったのがテレ朝の『生放送!今年最も愛された昭和の名曲グランプリ』であった。懐かしさついでに見入ってしまったのだが、番組が進むにつれ違和感満載だった。そもそもなんだ?「今年最も愛された昭和の名曲」って。誰にとったの?このアンケート。年齢層は?と書くのももはや野暮である。適当にスタッフがランキングしたのは想像がつく。で、この手のものは使える素材(アーカイブ)などの問題もある。

 ランキングへの不満を言い出したらキリがないが、カラオケで盛り上がる曲でラッツ&スターの「め組のひと」では見事に田代まさしさんはもとより桑マンさんもいないバージョンだった。そりゃそうか。武田鉄矢さんの「贈る言葉」の紹介のフリが「刑事物語」ってひどい構成だ。金八先生の映像が借りれないんだろうという事情も見え隠れするがひどすぎる。美空ひばりさんの「川の流れのように」も冒頭は写真構成とお粗末ぶり。これは映像が使えないのか?と思ったら途中からは映像だった。なんだろうか、使う秒数で値段が変わるからああいう対応になったのか?
 それにしても予算もないんだろうな。ひたすらの過去映像でちょいちょいタレントの毒にも薬にもならないコメントの数々。愕然としてくる。  
 
  でその後に観だしたTBSの「クリスマスの約束」は心が打たれた。
 番組が始まった経緯を改めて調べてみると、いくつかネット上にもある。

小田和正様
昨日、クリスマスの約束を拝見しました。(中略)
ここからは言い訳になりますが、
今だから伝えられる出演依頼をお断りした理由です。
まず、同じ時期に他局で僕らのドキュメンタリー特番を企画していたこと。
また、小田さんに音頭をとらせる形にして豪華キャスティングの音楽プログラムを作ろうとしているのではないか?というTBSへの不信感。
そして、チャリティでないとすれば、どこに意味を見出していいのか分からなかったというのが、僕の出演依頼をお断りした偽らざる気持ちです。
でも昨日の番組を拝見し、申し訳ないような思いと共に、これで良かったんだという気持ちになりました。
先に書きましたが、僕がクリスマスの約束で感じたことは、音楽が人と人との隔たりをなくしていけるのだということです。クリスマスの約束ではご一緒することができませんでしたが、小田さんの音楽と僕らの音楽はもう繋がっているのだと思います。繋げて下さったのは小田さんです。
心から感謝しています。ありがとうございました。
2001・12・26 Mr.Children 桜井和寿

 こういった裏の経緯なんて通常は表に出ないことんだろうけど、立ち上げの難しさを痛感させられる。
 ちなみに僕が最高だと思ってるクリスマスの音楽番組を一つ貼り付けておく。

 明石家さんまさんの司会で桑田佳祐さん、松任谷由実さん、アン・ルイスさん、吉川晃司さんにBOOWYの姿も。とにかく豪華で音楽の楽しみが伝わってくる。
 でもこれを制作したフルハウスはその後、この番組が抱えた借金で倒産して「ハウフルス」となっている。(今ケンミンショーとかどっちの料理ショーや夜もヒッパレを制作した会社)

 トップアーティストを束ねて何度もリハーサルしたりとかってスケジュールの問題とか予算の問題とかね、見え方の問題とかね。きっと想像を超えた大変さがあるんだろうな。

 でも視聴者としてのわがままとしてやはり、一同に会する音楽番組は観たい。それってやはり、テレビの力じゃないかと思ったりもする。でも桜井さんが指摘する「小田さんに音頭をとらせる形にして豪華キャスティングの音楽プログラムを作ろうとしているのではないか?というTBSへの不信感。」みたいなのもあるだろう。

 何かやる時の「大義」をどこに置くか?
 で、一度は断れてもやり続ける。いやー、すごい。

 追記
 いきものがかりの水野良樹さんが2009年の舞台裏を明かす記事をXにて投稿していたのでこちらもどうぞ。アーティストにとっても、貴重な体験だったことをが分かる素晴らしい記事です。


いいなと思ったら応援しよう!

島津秀泰(放送作家・動画制作・インタビュー・文章作成)
宜しければサポートをお願いします。あなたの応援を、私のエンジンにさせてください。