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人生ブランコ10月20日「ヒーローインタビューの違い」

 連日、プロ野球のクライマックスシリーズやらメジャーリーグのポストシーズンを見ている。当然、勝つチームもあれば負けるチームもあり、試合後の儀式といえば、ヒーローインタビューである。ひと昔前のテレビ中継なら9時前に試合が終わることもなく、あまり馴染みがなかったが最近ではDAZNで完全中継しているので、ヒーローインタビューもつい、見てしまう。
 特段、面白いかっていうとそうじゃなくて興味の対象として気になるのだ。なんだか知らないけど「今の気分は?」と聞かれ「最高でーす!」と答える選手。ああ、試合に勝って最高なんだろう、年末の査定に向けてあピールポイントが増えて嬉しいんだろう、さぞやいい気分なんだろうって思う。

 でも、こんな時、つい真逆のことも考えてしまう。サッカーのヒーローインタビューはもっと、冷静に受け答えてないか?そもそも会場にいるファン向けというより、茶の間の人々に向けて、あるいは浮かれた自分はあまり、見せないという意味も感じる。それこそ、1993年のドーハの悲劇の前はもう、初のワールドカップ出場を目前だった。あの時結構、国民も選手も楽観ムードになる中、イラク戦に臨み、まさかのロスタイムでの同点で初出場を逃すという忌まわしい過去。後に最後まで気を緩めてはいけない!という日本サッカー界の教訓になっている気がする。なので本来、選手が浮かれるのは優勝が決まる、出場が決まる時じゃないのか?

 先日、日本ハムがロッテに劇的に勝って清宮選手も泣いてたけど、「まだ、優勝もしてないんだけど」と「泣くの早くね?」という気持ちも若干、過ってしまうのだ。まあ、それだけ嬉しかったんだろうけど。(ぜひ、ソフトバンクに勝ってほしかった)

 ヒーローインタビューの他にも最近、気になってるのがホームランを打った後の喜びのポーズである。落合博満さんやイチローさんが現役の頃がガッツポーズを見せることが「投手へ失礼にあたる」あるいは「平然と喜びを見せない」怖さを見せるため、というのは野球好きな方は知ってるだろう。でも大谷選手が出てきてからか、意外とヒットを打って喜ぶ選手が増えていると感じる。かつての常識っていつの間にやら変わったのか。個人的には今の喜びを見せてる方が気持ちいいけどね。

 ただ、これが相撲の横綱だったらやはり「勝って当たり前だぜ!」と威風堂々として品性を持って欲しいものである。そう、考えるとスポーツによっての喜びの仕方ってのもあるなとつくづく思う。

  

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島津秀泰(放送作家・動画制作・インタビュー・文章作成)
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