霊宝館がなんかすごい。
先日時間が空いたので久しぶりに霊宝館に行きました。
高野山の霊宝館は山上のたくさんの宝物を
収蔵している博物館です。
お大師さまがこの山を開かれてから
大切に伝持してきたもの、
さまざまな伽藍におられた仏像、
厳重に保管されてきた文書、
落雷などによる出火も多く
時代のさまざまな浮沈もあったこのお山で
これだけのものを護持し続けることが
いかに大変だっただろうかと
先人の努力に頭の下がる思いです。
日本人は確かに新し物好きで
古いものを簡単に破棄することも多いのですが、
一方で代々に大切に愚直に守り続ける一面もあります。
現在に残るさまざまな文化財が
出土したり発掘されたものばかりではなく
きちんと保管され時には活用されながら
人から人の手へと大切に受け渡されてきたものも多い
ということはすごいことなんじゃないかと思います。
さてこの霊宝館、実は今年で開館100周年。
ということで、いつもはたまにしかお目見えしない
秘宝も惜しげなく展示されています。
(うっかりご開帳と書いちゃいそうになりましたがあながち間違ってない笑)
と言いつつ、ここの霊宝館はいつも惜しげもないんですけどね。
チラシと図録。
運慶作の国宝「八大童子立像」が有名ですが、
これは人気のお像だけあってどこかに貸し出されていたりして
なかなか一度に揃っているところを拝見できないことも多い逸品。
今回！バッチリ全員揃ってお迎えしますよ！
これだけでも見所です。
展示にも工夫が凝らされていてなかなか素敵。
今回はこの八大童子に加え
国宝「聾瞽指帰」
国宝「諸尊仏龕」
重要文化財「金銅三鈷杵（飛行三鈷杵）」
のお大師さまゆかりの三大秘宝、
快慶作重要文化財「孔雀明王像」「四天王立像」
「執金剛神立像」「深沙大将立像」などすごいものが通期展示。
圧巻の聾瞽指帰はお大師さまのオーラを感じていただきたい！
４期にわたって展示替えをしながら11月28日まで続きますが、
図録にも掲載されていないものもこっそり出てたりしますので
ぜひお見逃しのないよう。
個人的には１期の真如親王像を見逃したのが残念でした…（泣）
１期は武田信玄、真田幸村関連のものも多かったです。
伝真田幸村所持太刀、見たかったかも。
今期は八字文殊菩薩曼荼羅図と五大力菩薩像、
愛染明王像が見ごたえありでおすすめです。
五大力菩薩は仁王会の本尊で国家鎮護・万民豊楽のために
拝まれた仏さまですが、それ以外ではあまり見かけることのない方。
それが一堂に会して拝見できるのは非常に興味深いです。
住吉大社で石を拾ってお守りにする五大力さんは、恐らくこの方々と関係あるのではと思いますね。
密教がそもそも護国・鎮護国家のために請来されたことを考えると、
当時の天皇陛下や政治を司っていた方たちがこの仏さまにどれほどの
願いをかけられたかが思われます。
ちなみに仁王会で講説される仁王般若経と並んで護国経典とされる
金光明最勝王経も今期展示中です。
３期、４期は忘れずに展示替えになるたびに見に行きたいと思います。
通期展示の聾瞽指帰も、巻き替えしてくれるようなので見逃せないですね。
展示内容についてはホームページで確認できます。
この霊宝館の建物自体も登録有形文化財。
大正期の和洋折衷で寺院建築も意識した
レトロハイブリッドな建物でとても魅力的です。
ぜひ忘れずに鑑賞してくださいね！
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次回
本放送 ７月５日（日） 21時〜 Bチャンネル
再放送 ６日（月） 13時30分〜 Aチャンネル からどうぞ！
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