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つとめよや、つとめよや。
先日は友人に頼まれて高野山をご案内しました。
丹生都比売神社、九度山も関連深いエリアです。
金剛峯寺だけじゃない高野山の魅力を味わっていただきたいですね。
お参りのご案内もどうぞお声がけください。
お時間があまりないというのと
丹生都比売神社もお参りしたいということで
ピンポイントをピックアップ。
お車で来られたので一気に
丹生都比売神社、壇上伽藍、奥の院を回ることができました。
たまたま10日は丹生都比売神社は花盛祭。
優雅な春のお祭りです。
例年は午後に餅まきや渡御などが行われるのですが、
時節柄こちらは中止でした。
ちなみに同じ日の9時から高野山壇上伽藍では
大曼荼羅供が行われました。
かつては丹生都比売神社にもお寺の伽藍があり、
社僧と言って神社に奉仕する僧侶もおりました。
神仏習合はお大師さまの時代からの高野山の伝統です。
御社では舞楽と曼荼羅供が併修される舞楽曼荼羅供によって
鎮護国家の祈りが捧げられていました。
平成26年の遷宮の時に明治以降久しぶりに復興されて行われたそうです。
この日は好天で初夏の暑さ。
明るい春の日の下で光溢れる花のお祭りとなりました。
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花爛漫の天野から山上に移動すると、
さすがに温度は高いですがまだ桜は追いついてきておらず、
金剛峯寺の前の桜はまだ蕾も固かったのですが
山上よりの知らせによるともう今日14日にはすっかり
花盛りだったとか。
天野から山上へ駆け上がって壇上伽藍をご案内、
御社でも丹生都比売さまに手を合わせて
この日は両参りということになりました。
丹生都比売さまは稚日女尊(わかひるめのみこと)とも
申し上げ、天照大神の妹神です。
神代に紀伊・大和一帯に農耕を教えて天野に鎮まられ、
丹を司る一族に尊崇された女神でもあります。
お大師さまが唐へ渡るための資金を調達する際に
丹や水銀を資金源としたという説がありますが
そういった鉱物資源を探索しているうちに
丹生都比売さまに関わる一族と接触して知遇を得て
後に道場を築く地として高野山を選ぶ素地となったのかも
知れません。
今日ご案内した方のうちのお一人は
初めての高野山だったそうです。
根本大塔にご案内して大日如来と四仏、
十六大菩薩を拝し、堂内を巡ってもう一度
手を合わせたときに実に感じるものがあったと
お話ししてくださいました。
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山上のお堂は皆そうですが、その前で手を合わせると
その人の心の中にふと言葉がわき上がってくることが
あるようです。
今回ご一緒させていただき、私に浮かんできたのは
「つとめよや、つとめよや」
という言葉。
お大師さまにお師匠さまの恵果和尚が告げた
ご遺誨の中に出てきます。
早く日本に帰ってこの教えを伝えなさい、
努力しなさい、がんばりなさい、
という部分ですね。
がんばることがまだまだ多すぎてどれのことか
さっぱりですが、励ましていただいたと思うと
とてもありがたい気持ちです。