SAKURAの団員による、室内楽の御案内~オーボエ ファゴット ピアノによる室内楽~
アンサンブルSAKURAのオーボエ、ファゴットの団員が、ピアニストの瀬尾愛永さんを迎え室内楽のコンサートを行います。
↑ピアニスト瀬尾愛永さんHP
出演するSAKURAの二人とピアニストの瀬尾さんに、今回の室内楽演奏会開催のきっかけ、聞き所などを伺いました!!
SAKURAとしては初となる(?)室内楽演奏会です。演奏会を開催するに至ったきっかけなどを教えてください!
渡部:知り合いが主宰するコンサートで、プーランクを演奏したのがきっかけです
オーボエの榑林さんは高校の2つ下の後輩で、ピアニストの瀬尾さんはその知り合いが主宰するコンサートで初めてご一緒しました。年齢も近い三人での演奏がとにかく楽しく、また演奏する機会を作りたいと思ったからです。
榑林:今回、このメンバーでプーランクを演奏するのは3度目です!
実は、初回の演奏までわたしは楽器から離れてしまっていたのですが、渡部先輩からのお声がけをきっかけに音楽活動を再開することに決めました。ブランク明けに演奏するには難しすぎる曲でしたが、その分のめり込んで必死に練習することができた、思い入れのある曲です。大変だった曲を嫌いにならず、寧ろ好きでいられているのは、このメンバーだからこそだなと思っています
合わせの際は、それぞれが意見やら何やら、すりあわせをしながら進めていくのですが、瀬尾さんのアドバイスはそれはもう的確です。あわせの度に、演奏がパワーアップするような、そんな感覚がしますね。お互いが尊重し合って意見を交わす空気感も、とても心地良く楽しいです。
瀬尾:前回このメンバーでプーランクを演奏した際に、自分達で演奏会を企画して開きたい!という話になりました
前回3人で演奏したのは昨年夏に行った殿村先生(fg)の門下発表会でした。実はその前にとあるご縁で出会い演奏した事もあり、その時が2度目のプーランクトリオとなりました。
プーランクは皆さんご存知の通りそれぞれにヴィルトオーゾ的な技術が必要とされます。よく回る指、美しく繊細な和音を聴き合い、コロコロ変わる感情をそれぞれが的確にキャッチしながら曲の魅力を最大限に引き出す事が必要とされるので、、まさに弾けていないと話にならない✖️3の作品です(笑)
仲が良いからこそ、それぞれが尊重し合い磨き上げてきました。何度も本番を重ねたからこそのプーランクトリオがお聴きいただけると思います。
榑林:SAKURAには素敵なプレイヤーがたくさんいますので、こうした室内楽の演奏会を継続して開催できると素敵だなと思ってます。
選曲の意図などございますか?
渡部:前半はフランスものでまとめ、後半はイタリアものを挟んで、ロシアの作曲家であるグリンカが、イタリアに行く前と後の作品をならべました。
トリオの曲(プーランク、グリンカ)は決めていたので、前半はプーランクで始めて、プーランクで終える、後半はグリンカで始めて、グリンカで終える、まとまりのある構成にしようと考え、プーランクのノヴェレッテと、グリンカのソナタを選びました。
榑林:オーボエのソロは色々悩んだ末に瀬尾さんと相談して決めました
前半のプーランクのトリオと、後半のグリンカの悲愴三重奏曲は演奏すると決めてたので、それらと何かしら関連付け、連想ができないかなぁと考えながら選曲しました。
グリンカの悲愴三重奏曲は、旅先のイタリアで書かれたものだそうです。前半のプーランクはフランスの人ですから、フランス人が作った、イタリアに関連する作品をと考え、前半のソロはフォーレのシシリエンヌ(シチリアーノ)を選びました。
シシリエンヌとは、イタリアのシチリアに起源を持つ宮廷で親しまれた舞曲だそうです。また、後半のカヴァレリア・ルスティカーナは、姉からのリクエストです。(笑)作品自体はシチリアの山間の村で起きた事件を元に作られたものということで、結果として前半と後半とをそれとなく関連するものでまとめることが出来ました。
それぞれのソロと、トリオと、聞き所を教えてください!
榑林:どちらも男女の三角関係がもつれる、悲劇の中で使われる曲です!
フォーレのシシリエンヌは、皇太子妃のメリザンドと、義弟の禁断の愛を描く「ペレアスとメリザンド」の中で演奏されます。特徴とすると不安定な和音で、明るみに出てはいけない2人の関係の危うさ、この後2人はどうなってしまうのか??という緊張感にも似た思いを聴く人に抱かせます。
マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナも、最後は主人公の男性が決闘の末に殺されてしまう悲劇です。舞台はシチリアの山間の町だそうで、今回演奏する間奏曲は、田舎町の穏やかな朝を思わせる静かな曲です。この静けさ、穏やかさが、舞台の最後に起こる凄惨な事件をいっそう際立たせます。
技術的なことを言うと、どちらの曲もHiEsやらHiFやらの高音が出てくるなかなかの編曲になっています。(オーボエ吹きなら辛さが伝わるはず)本番でしっかり響かせられるように応援してもらえると嬉しいです。(笑)
渡部:プーランクのノヴェレッテは、軽やかなピアノの伴奏と、それに寄り添う美しいメロティが魅力です!
ソロの楽器とピアノ伴奏の楽譜が見当たらず、旦那に編曲してもらいました(笑)。旦那には演奏会当日も受付やステマネ、影アナ等々、たくさん働い…いや、活躍してもらう予定です!
グリンカのソナタは、元々ヴィオラのための曲です。「ソナタ」の形式に則って3楽章作るつもりが、1楽章と2楽章だけ書いて放置されてしまいました。2楽章も未完成なので、実質的には1楽章のみが完成された曲です。ピアノの伴奏がとっても魅力的です!
元々ヴィオラのための作品ということで穏やかな音、曲を想像しがちですが、さにあらず。ソロのファゴットもピアノも、使う音域の幅が広く、演奏会のメインである悲愴三重奏曲にも通じる、若き日のグリンカの情熱を感じる作品です。
瀬尾:今回のメインのグリンカは、通常のクラリネットとファゴットではなく、オーボエとファゴットの組み合わせで演奏します
本来の編成であるクラリネットとファゴットによる演奏も大変素敵なものなのですが、クラリネットをオーボエに置き換えることで、旋律が一層はっきりと浮かんで聴こえて来ると思います。
ミハイル・イヴァーノヴィチ・グリンカ(1804-1857)は国外で幅広い名声を得た最初のロシア人作曲家であり、近代ロシア音楽の父と呼ばれています。
彼の作品の中で1番よく知られているのは「ルスランとリュドミラ」ではないでしょうか。1842年頃作曲されたロシア語オペラの作品です。
私も幼少期にエレクトーンで何度か演奏した事があり強く記憶に残っています。
悪魔にさらわれた大公の娘リュドミラを勇士ルスランが救いにいく冒険物語となっています。民謡や不協和音、半音階、全音音階のなどの多種多様な活用が特徴的でこのオペラ作品(メルヘンオペラ)をきっかけに、グリンかは後のロシア人作曲家へ大きな影響を与えました。
そんな彼の室内楽作品であるこの悲愴三重奏曲は、イタリアオペラ風な伸びやかな歌心と、ロシア風メランコリーな快活で華麗な旋律、そしてテクニカルを求められるピアノパートをたっぷりと味わえる魅力的な作品となっています。
皆さんにとって「愛」とは何ですか?是非考えながら、また「愛」と聞いて思い浮かぶ人を想いながら、お聴きください。
〜je n'ai connu l'amour que par les peines qu'il cause〜
榑林:日曜の夜の公演ですが、最近二俣川は鉄道の新路線が開業して都内からもアクセスが良くなりました!
ぜひ足を運んで頂ければと思います!
オーボエ、ファゴット、ピアノのための室内楽
日時:2024/04/21(日)19:00~
開場:横浜市旭区民文化センター サンハート 音楽ホール(相鉄線二俣川駅直結)
入場料:1,000円(要予約)
ご予約は以下よりお願いいたします
https://docs.google.com/forms/d/1xkcxgBe4oPfpecebodapuzQaM_ddR5bJxELaD7krfAw/edit
曲目
・プーランク/ノヴェレッテ
・フォーレ/シシリエンヌ
・プーランク/オーボエ、ファゴット、ピアノのための三重奏曲
・グリンカ/ソナタ
・マスカーニ/カバレリア・ルスティカーナ間奏曲
・グリンカ/悲愴三重奏
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アンサンブルSAKURA第41回定期演奏会≪オーケストラの休日≫
日時:2024/08/18(日)13:00開場14:00開演(予定)
会場:IMAホール(都営大江戸線光ケ丘駅前)
指揮:高石治
入場料:1,000円(当日券あります)
曲目:
軽騎兵序曲/スッペ
威風堂々第1番/エルガー
「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲/マスカーニ
禿山の一夜/ムソルグスキー
交響曲第4番/チャイコフスキー
ほか
公式HP
http://www.portwave.gr.jp/sakura/
公式note(毎月第2,4日曜の練習日更新、演奏会前は毎週日曜更新)
https://note.com/ensemblesakura
公式Facebook
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