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希望と栄光の国
エルガーといえば…
エルガー(1857-1934)は、イギリスの作曲家です。代表作である「愛の挨拶」は、誰もが電話の保留音で聴いたことがあるでしょう。
そんな「愛の挨拶」と並ぶエルガーの代表作として広く知られるのが「威風堂々」です。イギリスにおいては第2の国歌「希望と栄光の国」として広く国民に親しまれています。毎年7月~9月にかけて英国のロイヤルアルバートホール等で開催される「プロムス」のラスト・ナイトで必ず演奏される曲の一つで、ロイヤルアルバートホールだけでなくイギリス各地のコンサート会場をライブ中継でつなぎ、観客も高らかにこの威風堂々を歌う、夏の風物詩とされています。
平民から這い上がった野心家
エルガーは、イングランドのウスター(※ウスターソース発祥の地)近郊に、音楽教師兼ピアノの調律師の息子として生まれます。幼少期から父に連れられて地元の名士の家に行き、名士達を前に演奏を披露することもよくあったそうです。
兄弟も多かったエルガー。両親の影響もあり音楽が好きな兄弟たちのために、10歳にして劇音楽を作ったりするなど、その才能を開花させます。
エルガー自身は、当時最先端の音楽教育を受けられるとされていたライプツィヒ音楽院への進学を希望しますが、エルガー家には息子を留学させるような財力はありませんでした。家計を助けるためにと一度は弁護士事務所で働き始めますが、音楽への夢絶ちがたく、やがて父の仕事を手伝いながら、学校の音楽教師の仕事を始めます。学校の楽団のために編曲をすることも多く、様々な楽器の性能を実践的に学びました。
教師として、また、教会のオルガニストとしての仕事もしながら、活躍の場を求めて地域の音楽祭のために合唱曲を書くなどして多忙な日々を過ごすエルガーでしたが、40歳を過ぎたごろに転機が訪れます。「創作主題による変奏曲(エニグマ)」の成功です。これがロンドンのオーケストラで取り上げられると瞬く間に好評を得て、イギリスだけでなく、ドイツなどの欧州各地で取り上げられる作品になります。
ヘンデル(もとはドイツ人です)以来、イギリスの音楽界は国外で活躍する作曲家を輩出出来ていませんでしたが、エルガーはエニグマの作曲以来、その空白期間を埋めるかのように、次々に作品を発表し、イギリス人作曲家としての地位を確固たるものにしていくのです。そんな上り調子な日々の中、リヴァプールの楽団で指揮をする友人に頼まれて書いたのが威風堂々です。
歌詞をつけたら偉大になるだろう~英国国王お気に入りの旋律~
リヴァプールでの初演から数日後に、ロンドンのクイーンズホールで行われた演奏会でこの曲が取り上げられたところ、熱狂した聴衆が2度もアンコールを求めるという、異例の事態となりました。
この曲の中間部を聴いた時の王太子のエドワード(のちのエドワード7世)は「歌詞をつけたら偉大になるだろう」といい、歌詞をつけるようエルガーに示唆します。この示唆を受け、エルガーは翌年の国王の戴冠式のために作った「戴冠式頌歌」の終曲に、威風堂々の中間部を引用。国王の期待に応えます。
階級意識が未だ色濃く残るイギリスで、元々は身分の低い田舎の音楽教師だったエルガー。のちに国王の音楽師範も務めますが、威風堂々は後の更なる成り上がり、成功への端緒となる作品です。
ベートーヴェンの運命よろしく、休符から始まる力強い前奏からも、エルガーの野心、闘志をそれとなく感じます。SAKURAの演奏会でも、この曲から溢れるパワーを感じていただければ幸いです。
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アンサンブルSAKURA第41回定期演奏会≪オーケストラの休日≫
日時:2024/08/18(日)13:00開場14:00開演
会場:IMAホール(都営大江戸線光ケ丘駅前)
指揮:高石治
入場料:1,000円(当日券あります)
曲目:
軽騎兵序曲/スッペ
パノラマ(眠れる森の美女)/チャイコフスキー
葦笛の踊り(クルミ割り人形)/チャイコフスキー
情景(白鳥の湖)/チャイコフスキー
威風堂々第1番/エルガー
「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲/マスカーニ
禿山の一夜/ムソルグスキー
交響曲第4番/チャイコフスキー
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