Ptolemy by Aphex Twin
この曲は、電子音楽アーティスト、Aphex Twinのデビューアルバム「Selected Ambient Works 85–92」(1992年リリース)に収録されている楽曲である。このアルバムは、彼が1985年から作りだめしていた曲から選んでまとめたもの。
長さ:7:14
ジャンル:電子音楽、アンビエントテクノ
テンポ:117
イメージ:浮遊感、優しい、明るくもなく暗くもない、催眠的、懐かしい
アンビエントテクノとは、テクノ由来の冷たい音色のドラムと、アンビエント由来の柔らかく優しいメロディーの融合が特徴のジャンル。
この曲は、主に冷たい電子ドラムとシンセベース、パッド系シンセ、そして息のような音の独特なメロディーシンセで構成されている。
まず電子ドラムのリズムに中毒性がある。基本はキックドラムの4つ打ちのリズムなのだが、間に入るハイハットやパーカッションのタイミングが気持ち良い。そしてたまに入るスネアの跳ねるようなリズムも聞いていてワクワクする。
そして、無機的なドラムの上に重なる、優しい音色で、明るいとも暗いとも言えない絶妙な雰囲気をもつメロディーやパッド系サウンドが、どういうわけか存在しないはずの90年代の記憶(筆者は2000年代生まれ)を呼び起こしてくれるようで、謎の懐かしさを感じさせてくれる。
優しいメロディーやパッドサウンドに焦点を置いて、椅子に座って落ち着いて聞くのも良し。中毒性のあるビートに焦点を当てて、踊りながら聞くのも良し。いろんな楽しみ方ができる曲だと思う。
余談だが、Selected Ambient Works 85–92 には他にもこの曲のように、独特の雰囲気を纏う曲が揃っている。例えば、一曲目のXtalで、この曲はAphex Twinの代表曲の一つにもなっている。Ptolemy以上に優しいメロディーであり、電子音楽の一般的イメージに反して非常にエモーショナルに聴こえる。PtolemyやXtalを聞いて興味が出たら、ぜひこのアルバムを通して聞いてみてほしい。