南仏コート・ダ・ジュールで飲んだロゼワイン
こんにちは。エノテカ博多店の安徳(あんとく)です。
皆さんは初めて飲んだワインを覚えていますか?味わいまで詳しく覚えている人は少ないと思いますが、飲んだ時に思い出というものは、記憶のどこかに眠っているものです。
今回は、私が初めてワインを飲んだときの思い出について綴らせていただきます。
意外と知られていないカンヌのピザ
学生時代にフランスに1年ほど語学留学をしていたのですが、最初の滞在地は映画祭でも有名な南仏のカンヌでした。
地中海に面したコート・ダ・ジュール(紺碧海岸)にあるカンヌは、日光がたくさん降り注ぐ年中おだやかな気候の土地。年に一度、カンヌ国際映画祭の時期には世界中からセレブリティが集まり街中が華やかなムードに包まれますが、ふだんは静かで落ち着いた雰囲気のリゾート地でした。
人々は「休日の予定は?」と聞かれると、たいてい「ビーチへ行く!」と答え、ビーチで読書をしたり、日焼けをしたり、ゆったりと時間を過ごすことが何よりの娯楽でした。
そんなカンヌで私が楽しみにしていたのは「食」です。ブイヤベースや蒸したムール貝、フレッシュな牡蠣などのシーフード、そして意外と知られていませんがピザが絶品でした。実はカンヌは地理的にイタリアと近く、車で1時間ちょっとでイタリア国境を越えます。それもあってか、カンヌでもとっても美味しいピザが楽しめました。
先生が教えてくれた絶品マリアージュ
当時はまだワインには縁がない学生でしたが、せっかくだからフランス生活を満喫したい!と思ったものの、どんなワインを選べばよいかも分かりません。そこで通っていた語学学校の先生に「これからピザを食べるんだけど、どんなワインを飲んだらいい?」と聞いたところ「ピザにはロゼよ!」と即答されました。
その足で学校の友人たちと一緒にピザを楽しめるカジュアルなレストランへ行き、言われるままにロゼワインを頼みましたが、初めてワインを飲んだことの興奮の方が大きく、肝心のワインの味は、正直ほとんど憶えていません(笑)。
ただ、なんとなくワインというのは渋くて大人の味、という想像をしていたので思いのほか口当たりがよいんだなと感じたような気がします。
その後社会人になり数年たった頃、とあるきっかけからワインの勉強を始めました。そしてその時になってようやく南仏がロゼワインの有名な産地だということを知りました。
それで当時ロゼワインをすすめられたのかもしれませんが、赤ワインのような豊かな風味、白ワインのようなすっきりとした味わい、どちらの要素も併せ持つロゼワインのいいところは魚介からお肉まで幅広い食材と合わせやすいこと。トッピングによって味わいの印象がガラリと変わるピザとは相性のよいワインではないでしょうか。
ロゼワインの魅力にハマる
それからまた数年が経ち、縁あってエノテカに入社するとフランスでもトップクラスのロゼワイン、ドメーヌ・オット★が造る「バンドール・ロゼ・クール・ド・グレン・シャトー・ロマサン」に出会い、ますますロゼワインの魅力にハマりました。
さらに近年ではロゼワインの世界的なブームで、エノテカでも取り扱いラインナップがぐっと増え、お客様におすすめする機会も多くなっています。
今、ショップスタッフの立場でお客様にピザに合わせるならどんなワイン?とたずねられたとき、例えば生ハムとルッコラのピザなら爽やかな白ワインはいかがでしょう?などのご提案をすると思いますが、個人的にピザを楽しむときにはロゼ一択です(笑)!
あの時の『ピザにはロゼよ!』の言葉が呪文のように頭に浮かび、ついロゼワインを選んでしまいます。
いつの日かまたコート・ダ・ジュールへ行き、海沿いのテラス席でロゼワインを楽しむことが私の夢のひとつです。今度はしっかり味わいたいと思います♪
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ワインも音楽のように、飲むとそのときの記憶が呼び起こされる時がありますし、特に初めて飲んだワインは、銘柄までは分からなくても何かしら記憶に残っているものです。
現在、スタッフの初めて飲んだ思い出のワインをnoteに綴っているので、ぜひ、他の記事にも目を通してみてください。