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修士論文をジャーナルに投稿するまで①(修士論文の執筆〜卒業まで)

初めに

この度、2022年3月に修了した際に提出した修士論文を論文雑誌に投稿することができた。以下のリンクから確認できます。

せっかくの機会なので、修士時代の研究から、卒業後に論文を投稿するまでの過程を備忘録として残しておきたい。ただし、論文の内容については触れず、時系列に沿う形でまとめようと思う。少し長くなるため、2回に分けて書くことにする。

2020年秋:研究テーマの検討開始

論文のテーマ決めは修士卒業の約1年半前から、指導教員と博士課程の先輩と相談を始めた。私は、主にCircular Economyに関わる政策やビジネスのリバウンド効果*に関して関心を持っていため、具体的な関連するテーマや事例をブレスト等も含めて話し合っていった。

2020年冬~2021年春:研究題材の模索

ここでは具体的に自分の研究で扱うケーススタディの内容を決めることに集中した。実験などを行う研究ではないため、研究を行うためのデータを探し出すか、作り出す必要がある。LCA関連の研究ではデータベースを使用することもできるが、原データを使えるに越したことはないため、情報収集やインタビュー先を探ってみるもいい反応は得られなかった

2021年夏:研究テーマの決定と消費者アンケート実施

データの問題に悩みつつも、データベースを利用することを前提に、デジタルカメラを題材として選択し、電化製品は購入して使用するパターンとレンタル使用するパターンの環境負荷比較、電化製品のレンタルサービスが社会に浸透した際にデジタルカメラを使用する消費行動がどのように変化し、それに付随して環境負荷がどう変化するのかについて、研究する方針が決まった。

そこで、必要なデータを集めるため、消費者の行動についてはアンケートを実施することになった。(外部のアンケート業者に委託。)
アンケートを作成することは大変骨が折れ、アンケートの実施項目を列挙し、分岐も含めた設問の順番整理、言葉遣い・ニュアンスが正しく読み取れるのか、提示している選択肢は網羅されているか、など、頭を悩ませることが多く、アンケート業者の担当者とも何度も調整を重ねて、8月中旬に実施完了した。実はこのプロセスが一番大変だったというのが個人的な実感だ。(なんせ大学院入試の直前で、指導教官とはメールベースでのやり取りしかできず、コミュニケーションに齟齬がないか、不安な部分も大きかった。)

2021年秋:アンケート結果の分析

アンケート結果の分析を進め、シナリオ作成や実際にデータを入れて分析を進める。並行して、夏頃に連絡があった某メーカーとデジタルカメラのデータについて相談し、原データを取得することに成功した。これで基本的には研究に必要な材料は揃ったため、あとは分析を進めるのみだ。

2021年冬:修士論文の執筆と提出

修士論文の提出が1月中旬に迫る中、分析しながら結果をまとめることと、修士論文本体の執筆を進める日々であった。研究目的に沿った分析結果となっているのか、結果のまとめ方は分かりやすいか、そもそもデータ加工と分析結果は正しいのか、など検討する項目は多いが、一度卒業論文を経験していたため、論文の執筆は思っていたよりすんなりと進み、なんとか期日までに提出し、発表終えることができた。

2022年春:学会発表と論文投稿の決定

修士発表を終えたのちは、LCA学会での発表を行った。学会での正式な発表は初めてで、オンラインのみではあったが、学外の方、かつ、専門家の前で発表できたことはいい経験であった。

また、大学院を卒業するにあたり、自分の研究を今後どのようにするのか、先生や先輩と相談する中で、英語の論文として投稿することを目指すことになった。自分がFirst Authorとして執筆できる自信はなかったものの、個人的には投稿してみたい思いはあり、また、引き継いだ場合に先輩たちが執筆する時間的余裕はないとのことから、思い切って引き受けてみた。

次の投稿では、社会人になってから、修士論文をジャーナルに投稿するまでの期間を振り返っていく。

最後に、お世話になった大学の研究室のサイトをこちらのリンクに記載します。

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