勘違いポジティブシンキングはマイナス思考より心を削る
こんにちは、えのきです。
今回は、「強制的な前向きさが逆効果だった」という僕の経験をお話ししたいと思います。
僕がニートだった頃、周りの人(といっても当時の交流関係はおそろしく貧相なものなので数人の話です)から、「前向きに考えなさい」「ポジティブシンキングが大切だよ」とよく言われました。
自己啓発系の発信を見ても、潜在意識・引き寄せ系の発信を見ても、この“ポジティブでいることの重要性”は基本中の基本といわんばかりに目に入ってきますよね。
当時の僕自身、自分のネイティブ思考に嫌気が差していました。だから、必死に前向きになろうとしました。
たとえばポジティブなアファメーション。
朝起きたら鏡の前で「今日も素晴らしい一日になる!」とか、本当に声に出して言ってた時期もありますよ。
ネガティブな考えが浮かんでくると即座に頭の中で「いや、そんなことない!」、みたいに打ち消そうともしてました。
でも、効果はなかったですね。全然。
それどころか不思議なことに、むしろ気分は悪くなる一方でした。
そうなると、さっきまでのポジティブな言葉はどこへやら、です。
「なんでこんなに頑張っているのに、気分が上がらないんだろう」と自分を責め、さらに落ち込む悪循環に陥ってしまう。そういうことが続きました。
みなさんも経験ありませんか?
ある日、友人から「無理に前向きになろうとしているように見える」という趣旨のダメ出しをされました。
彼は、当時の僕の数少ない友達の一人です。小さい頃からの腐れ縁的な関係とでもいえばいいんでしょうか。
元々思ったことを大人気なく口にする奴だったから、ニートでいる自分に変に気を使ったり、腫れ物に触るように接するなんてことがないんで逆に気が楽だったんでしょうね。ニート期間中も時々連絡をとったり、何回か会ったりしていました。
その彼が「なんか無理してるやろ」みたいなことを言ってきたんです。
若干話がそれてしまいましたが、これが、僕がニセモノのポジティブシンキングをやめたきっかけというか、
多くの人がいう、あるいは信じる“ポジティブシンキング”に疑問を抱き始めたきっかけです。
自分の行動を振り返ってみて、確かに強引に感情を操作しようとしていたことに気づきました。
ポジティブシンキングを強制することで、自分の本当の感情を無視していたんでしょうね。落ち込んでいる自分を認めず、むしろその感情を押し殺そうとしていた。それが、かえってストレスを生み、本当の意味での前向きさを遠ざけていたからよけいにしんどさを感じたんだと思います。
この経験から、本当の「前向きさ」とは何かを考えるようになりました。それは、自分のありのままの感情を受け入れること。そして、ネガティブな感情も含めて自分の全てを大切にすることなんじゃないか。
そういう気づきに至ったんです。
そう、潜在意識による願望実現でよくいわれる「自愛」そのものですよね。
強制的なポジティブシンキングは自愛と逆行する行為だと僕は考えています。
今では、落ち込んだ時はその感情をしっかりと感じ、心の中で「今は悲しいんだな」と自分に優しく語りかけるようにしています。不思議なことに、感情を素直に認めると、満足というか安心感が湧いてきて、自然とその感情が通り過ぎていくのを感じます。そうすると、そこから少しずつ前を向く力が湧いてきます。たぶんこれが正しい在り方だからでしょう。
これは、けっこうなパラダイムシフトでした。大げさではなく、僕の人生観を変えました。
ポジティブシンキングの本当の意味。それは、現実から目を背けることではなく、むしろ現実をありのまま受け入れた上で、そこから前に進む方法を見つけることだと僕はようやく気づいた。
それが腑に落ちて以降、上で書いた気づきは単なる気休めではなく、実際に僕の行動を変えていきました。
何が変わったかと聞かれれば、まず、失敗が気にならなくなった。
「失敗を受け止める」「失敗から学ぶ」の本当の意味が分かって以前よりはるかに実践できるようになってきたんです。
例えば、就職活動がうまくいかないときも、「大丈夫、きっと次は上手くいく!」と無理に自分を励ますのではなく、「今回はうまくいかなかった。でも、この経験から何を学べるだろうか?」、みたいに自問自答して自分の可能性を探っていく。この方が本当の意味で「前向き」で、自分を信頼しているように感じられませんか?僕はそう感じます。
失敗に対する意味づけが180度変わったので、以前よりも多くの可能性が感じられるようになりました。だって失敗が問題にならなくなったら、選択肢だらけになるじゃないですか。
「ニセのポジティブ思考が可能性を見えなくしていた」、今考えると皮肉というか、おもしろいですよね。
強制的なポジティブシンキングは、表面的な取り繕いに過ぎないかもしれません。本当の変化は、自分の内面と誠実に向き合うところから始まる、このことはもう確信してます。
自分と向き合う、といえば、
今も僕はノートに書くことで自分の感情と向き合うことをしています。たとえ辛い日があっても、その日の出来事や感情を素直に書き出すことで、気分はだいぶ変わります。少なくとも、スマホをいじって現実逃避するより精神衛生上いいように感じます。実はこの習慣は、私をニート生活から抜け出させ、今の仕事に就くきっかけにもなった行動の一つです。
(この辺のやり方は、以下の記事で紹介しています。有料にしていますが、自分がやったことを7つのステップという形で実践プロセスを詳細に解説しているので自信を持っておすすめできます。⬇️)
結局のところ、本当の前向きさとは、現実を直視する勇気と、そこから学び、成長しようとする姿勢なのかもしれませんね。それは簡単なことじゃありませんが、そっちの方が遥かに実りある人生の道筋になりますよね。
みなさんも、無理に前向きになろうとするのではなく、自分の感情に正直になり、そこから学びを得る。そんな新しい「ポジティブシンキング」について考えてみてくださいね。
今回のnoteは、間違ったポジティブシンキングはある意味ネガティブシンキングよりまずい、というお話しをしてみました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。