癪だけど、失恋から始まる人生だってある

もう好きだった人を好きでいる理由も、悩む必要もなくなった。
あの人に彼女ができたらしい。しかもその彼女は私のアルバイト先の後輩で、つい先日私はその事実を眼前に叩きつけられた。
正直なことを言うと、信じたくなかった。
想いを伝え、これからも想い続けたいことも伝えていたのに恋人ができたことを隠されていたこと。アルバイト先で私より丁寧に扱われているあの子が、あの人の恋人になったこと。あの子が丁寧に扱われている裏で我慢して涙を流してきた私のことを、あの人が認めてくれていたわけではなかったこと。
そしてなにより、そんな考え方をしてしまっている自分が選ばれるわけがなかったということ。

ずっと私は、私のことを見てくれて認めてくれる人を探していた。
今度こそ、私のことを見てくれる人に会えたと思っていた。
私が伝えた想いに答えたとき、あの人は「距離を感じる」と言っていたし、それが原因でお付き合いをすることは叶わなかったのだけれど、私の「距離を縮めるのが苦手」という弱いところまで見てくれて向き合ってくれている、と本気で嬉しかった。
けれどそれは、私の弱いところを理解していただけで、私自身を認めてくれていたわけではなかったのだ。
その事実を知って私は情けなく、めそめそ泣いた。

そんな中、これまで相談に乗ってくれていた友人や家族に失恋したことを報告し、いろんな言葉をもらって、自分の思いを文字にして綴って、気付いたことがあった。
私はこれまでずっと、誰かに認められるために生きてきたのだ。
認められたいがためにやりたくないことも引き受けて、罵詈雑言にも耐えて、これは自分が成長して認められるため、見返すためだと言い聞かせてきた。
恋愛に関しても、認められるために自分を変えようとした。
今のままの自分では認められないと思い込んでいた。
もうそんな風に、誰かに頼るような生き方はしたくない。
人からの評価のために生きる人生は終わりにしたい。
自分のために生きたい。
自分のために生きた先で、誰か一人でも認めてくれる人がいれば、それでいい。
私は私の幸せのために頑張るし、生きていく。

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