曇天の空、なしの街
鳥取駅に着いた。正直、県庁所在地の街にしてはこじんまりとしてる。高い建物がまず無く、とにかく空が開けていた。絵に描いたような田舎である。とにかく人が少なく車もあまり走っていない。そのあまりの人気のなさ具合は、一瞬間違えて違うバス停で降りてしまったかと勘違いしたくらい。
とりあえずバスを降りて、駅に必ず銅像のようなモニュメントを探すことにした。裸の銅像があったらみうらじゅんよろしく、ヌー銅として写真に収めて鳥取の旅の景気付けをしたかったからだ。しかし「おそらく鳥取駅」を10分くらい歩いても結局ヌー銅は見つけられず、代わりに駅のど真ん中であるものを見つけた。20世紀梨が植えられていた。そこは明らかに20世紀梨を植えるにはふさわしくない場所で、しかも特にアピールされてないからか人々も足を止めてないと来れば、わざわざ植えられている20世紀梨の立場もないだろう。どうやら「名産二十世紀梨を育てる会」という、とってつけたような名前の団体が栽培しているらしく、鳥取駅が取り組んでいるというわけではないらしい。説明の書いてある看板にはすぐに寄付のことらしき文言が書かれており、必死さが伝わってくる。でも、そんな梨じゃなくて金をアピールしてちゃ誰も見向きもしないよ。