はじめに
「山形にはいろいろあったのに、鳥取は何もなかったのよね」
久しぶりに会った知人は旅行が趣味らしく、こんなことを僕に話した。
観光で行く目的地はさまざまであっても、目的はだいたい決まっている。いかにその土地を楽しめるかだ。そのために観光地と呼ばれる土地は、観光に来た客をもてなそうとさまざまな工夫をする。
先程の知人の言葉も例に漏れず、山形県は観光客をもてなす工夫が様々にしてあったのだろう。実際知人は山形がよっぽど楽しかったらしく、また旅行に行く計画を立てている。
普通そんな話は山形に行きたくなるのが普通だ。しかし、自分が気になったのはそこではない。「鳥取は何もなかった」のである。いくらなんでも何もないことはないだろう。実際そこに暮らしている人はいるだろうし、失礼極まりない。それでも「何もない」と言わせることがきっと鳥取があるのだろう。百聞は一見にしかず、実際に暇な夏休みを使って鳥取に行ってきた。