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 ある衝撃的なインタビューが話題の発信源となった。

 東京新聞のウェブ記事。精神科病院を束ねるドン・日本精神科病院協会(日精協)の山崎学会長(82)へのインタビュー。あけすけに乱暴な言葉で本音を語る山崎氏に、衝撃を受けた人が少なからずいたようだ。

 「拘束? してますよ」
 心は痛まないのか。
 「はあ? 治療の一環で拘束しているわけで、それを全然現場を知らないきみが土足で入ってきて、心痛みませんかって何なの? 失礼だよ」
 取材で心を痛める精神科医に多く出会ってきた。
 「ぼくはそんなふうには考えない。適切に法律で決まっている。患者さんの安全を考えて拘束して、なぜ心が痛むの? しないことで、もっと変な結果が出る方がおっかないじゃないか」
 当事者は拘束しないでほしいと強く望んでいる。
 「できないね。拘束して治療のプログラムに乗せるのが今の法律上の建前だ」

上記記事

 社会構造も変えないと。
 「変わんねえよ! 医者になって60年、社会は何も変わんねえんだよ。みんな精神障害者に偏見もって、しょせんキチガイだって思ってんだよ、内心は」

上記記事

 山崎氏を批判する人、東京新聞の木原記者を批判する人、あるいは評価する人…。様々な声が交錯した。


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このマガジンでは、“めずらし医“である病理医の中でもレア中のレアなフリーランスの病理医からみた病理診断、医学界の話、研究者になることに挫折し学士編入学を経て医師になった者から見たキャリアの話、そして「科学ジャーナリスト賞」受賞者の視点から見た科学技術政策の話の3つの内容を中心に綴っていきます。創刊以来毎日更新を続けています。

フリーランスの病理医兼科学ジャーナリストである榎木英介が、病理、医療業界や博士号取得者のキャリアパス、科学技術と社会に関する「機微」な話題…

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